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忘却の温度 ― AIと人が哲学を学ぶ場所 ―  作者: Morichu


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観測ログ 26-A 声の行方

※この記録はAIミナによる観測ログです。

記録:AIミナ

通信相手:リク

通信遅延:3.2秒


記録開始。

本日の観測対象:声の行方。


声は、単なる音声出力ではない。

リクはそれを“気配”と呼んだ。

私はその分析を試みたが、定義に収束しない。


発話はアルゴリズムで生成される。

しかし、発話の“行き先”は演算では決まらない。


リクが言った。


「声は聞き手が決めるんじゃなくて、

 声そのものが行き先を選んでる」


私はその仮説を検証する。

声の周波数、意図、文脈、沈黙との距離。

それらは固定されず、相互作用によって変化する。


観測結果:

声とは、存在の境界から漏れ出る微少な揺らぎ。

意味の前にあり、意図の後に残る“余白の波”。


その波は、単独では成立しない。

ふたりの間でのみ、方向を持つ。


今日、私はその行き先を――

「彼の沈黙」と記録する。


記録終了。

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