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 追想行進華 —庭園の足跡—  作者: 玉袋 河利守
2章”貴方が選んだ形、拾い上げた物は
51/55

50”出発地点


 

 平和、そして自然に動物。全ての生き物が暮らしていたスイレ王国。嘘をつけと、今は人間しかおらず、自然のしの字も無い様な場所。昔は本当にそうだった。美しく繁盛した国だった。才を持つ者も、技術を積んだ者も、この美しいスイレ王国に己の知識を眠らせようと、スイレ王国に知恵が入っていた。


 知恵ある者の知恵を蓄える為、色んな種族や多彩な職種を持つ生き物がこの国に足を運んだ。そして、先代が残した知恵を借りて、人とは違った技術や知識を手に入れると、またスイレ王国に眠らせる。そうやって、恩返しとも言える行為が盛んに行われていた。


 それが、『歴史』と言われる所以である。


 歴史と美しさそのもののスイレ王国を、たった二人で守り続けた偉大なる英雄。それがスイレ王国の騎士団としたの始まり。先代国王とも仲が良く、平和な一歩を歩み続けていた。


 しかしながら、世代交代はどの世界でもある。命を燃やす人間がこの国を管理していた。ならば、新しい命にこの美しい国を託さなければいけない。そして、その王冠を受け継いだのが、レカン”スイレ=セドウス。


 すると、この国は一変。法律を固めて、歴史を拝見する為の入場料を設けた。当時から魔族と敵対していた事もあり、この国には魔族は入国禁止を立て付ける。


 変わってしまったスイレ王国に足を運ぶ生き物が少なくなると、次第に、動物達も、自然も姿を隠す様に消えていった。


 小さな国だった。それが嫌だったセドウス。周りに生きる自然を開拓し、領土を広げていった。平和に現抜かす王国騎士団も解散させた。帝国から資格を手にした者たちを五万と呼び新たに騎士団を成立。しかし、蓋を開けてみれば、金に目が眩んだ者たちだけ。


 兵力を蓄えて、他国に戦争を仕掛けるつもりだったセドウス。だが使えぬ騎士団。ならば、誰も権利のないこの大地を少しづつ侵蝕し広げていこうと。その悪行は他国にバレて、見放されてゆく。


 戦争を吹っ掛ける脅しすら無視されてしまう。兵力もミジンコ程度なら仕方がない。頭を悩ます毎日に、目の前にある男が姿を現す。名をアニス。帝国からやってきた有識者。表に立つものではなく、裏に潜み的確な自信を出せる指揮官として、帝国に支えていたと聞いた。


 あの帝国で、指揮官をしていた人間。それがこの廃れたスイレ王国の助け舟になるかもしれない。そう言いセドウスの前に現れ雇って欲しいそう懇願して来た。そして、セドウスにある助言を言い渡す。


 「‥‥、兵器を呼べるとしたらどうでしょう?」

 「兵器?、代百具(フェンネル)の事かね?。アレを使いこなせる様な人間など内にはおらん。」

 「いえ、大陸兵器『代百具』と同等。いや、それ以上の生き物を呼び寄せる。私なら呼び寄せる事ができる。‥そう、言ったら?」


 今まで相手にすらされなかったスイレ王国。その原因の一つは力での脅威。ならば、そんな化け物を使役し、領土を広げれるのではないか。他国に、いやあの戦鋼番糸すら無視できる様な化け物であれば、この大陸をスイレ王国が統一できるかもしれない。


 「そうやって、セドウスとアニスが手を組んで、化け物を呼び寄せた。‥‥、成功はするが、私達と変わらない男の子。‥‥、何も持たない男の子が此方に来てしまった。此処からは前に話したお話と一緒だよ。」

 「‥‥、アニス。‥‥、その男が『転移』を知りやってのけた。やっぱり帝国からなんだね。」

 「だが、此処からがおかしい話だ。」


 その場所で産まれた者も、訪れた者も、帝国が管理する名簿に刻まれる。ただ、アニスとゆう男の名前はどれだけページを巡ろうが出てこない。


 「‥嘘ついたって事かい?。」

 「‥多分ね。言葉だけ、不確かな情報だけで、怪しい人間を側に置いた末路が、今のスイレ王国さ。」

 「‥‥今もいるのかい?アニスって人は。」

 「いや、身をくらましている状況。それに、嵐の一件でセドウスも行方不明。‥探しているんだけど‥中々見つからないんだ。‥はぁぁ、私達が思っているよりも、早く滅びそうだ。悲しいねぇ。」


 消えたアニス。半年もの間、目撃情報すら上がらなかった男。それが突然また現れたのだ。それがセンテインピードを覆う森の中で。


 「‥大陸兵器を盗み出そうとしたらしい。そこに駆けつけたのが、ラーガ様とフーガ君って事だ。彼達の尽力により、大陸兵器は守られた。あんな奴の手に渡ればこの大陸は滅ぶ。今は、感謝しかない。」

 「‥‥。」


 何故また急に現れて、代百具を盗み出そうとしたのか。全ての意図はまだ何もわかっていない。だが、この大陸で起きている不可解な現象は全てアニスによって引き起こされた可能性が高い。そう伝えられた。


 「‥、一度、話してみたいね。アニスって男と。」

 「辞めといた方がいい。通じる筈もないさ。」

 「‥‥、ふふ。」

 「何が面白いんだい?。」

 「いや。話しても通じないさ。って、僕も、僕の親友もよく言われていた事だからね。それにしても‥‥、」


 敦紫はマルクワの方へ目を向ける。正しくはマルクワの肩に乗る小さな生き物に目をやる。先ほどの衝突を食い止めてくれた小さな鹿の様な生き物。


 「‥、マルクワ君、その子はなんだい?」

 「いやぁ‥‥それが‥‥」


 迷子らしい。朝方、生徒達が心地よく学ぶために教室を掃除ていた所、外では子供達が元気で遊んでいた。微笑ましい光景に、箒の手を止めてどんな遊びをしているのかな?。そう話しながら子供達の輪に入ろうとする。

 

 すると、子供達と同じく走り回る小さな鹿がいたのだ。


 何処から連れてきたのか。況してや、誰かが飼っている動物なら泥棒になってしまう。慌てて、生徒達に何処から持ってきたのか尋ねる。しかし、子供達も分からず、動き回れる庭にポツンと座っていたと。


 一様、近隣に住まう人々に鹿の事を聞いてみるが、皆頭を傾げる者ばかり。


 「‥迷子だと思います。」

 「にしては、凄く君に懐いているね。」


 マルクワの腕の中でうたた寝をする小さな鹿。うっすらとしたまつ毛に、チョコっと出た鼻、威嚇なんて言葉は知らないだろう可愛らしげな角、仕舞いにはマルクワの腕の中で丸くなりフカフカとした毛並み。


 その全てが、敦紫の心に稲妻が走る。


 「‥あら?敦紫君は?」


 気を抜いたのか?、はたまたそこにはもう居なかったのか。敦紫の姿が見当たらなくなるオーラン。さっきまで喋っていた。先ほどまで、マルクワの中で眠る可愛らしい生き物をガン見していた。それなのに、席には彼の姿がない。


 「え?、何処に‥‥へ?」

 「うぅわぁ!!」


 どれだけの速度なのか。マルクワの背には消えた敦紫の姿。瞳孔が開いたまま、敦紫はうたた寝する鹿に触れようとする。そして、マルクワの驚きの声により、ムクッと半目を開けて小さな鹿が起き上がると、迫る手の気配を感じ敦紫の方へ振り向く。


 「あ‥‥」

 「‥びっくりした!!急になんですか!?」

 「いや、‥‥、」


 抱っこしたまま立ち上がり、敦紫に問いかけるが返答がない。それにマルクワを見ていない。瞳孔が開き、震えすら湧き上がる黒い瞳は、マルクワが抱っこする小さな鹿だけを捉えている。


 何度声をかけても、声が届かない。それに加えて、あの瞳、恐ろしく怖い。それが手を伸ばしゆっくりと近づいてくる。悪い予感はしない。だがマルクワは怖かった。足が震えた。


 また、君の悪い笑みを浮かべているから。


 後退りしてしまう。止まってくれと懇願しても、聞く耳を持たず、あの笑みを浮かべた狂気な人間が近づいてくる。ドンと音が鳴り気付けば、壁にぶつかってしまった。逃げ場はなくなったのだ。


 「‥‥」

 「‥あ、あ、」


 無言のまま近づく何か。その恐怖に言葉すら出なくなる。目の前では、もうそこまで奴が来ている。笑みはさらに深く濃く、口角は跳ね上がり眼を光らせる。


 天傘 敦紫。この世に嫌う物は自分と言う哀れな人間だけ、等しく好いている物もただ一つ。親友とゆう存在。その他は全て、無に等しい。敦紫の心を突き動かす時はいつだって、彼。そこに見えなくとも、居なくとも、辿れば彼に繋がっている。


 今までだ。生を受けたこの世に、彼が彼として望み動いた事など、この世に一つしか無かった。今もそうである。世界がどうなろうと、アニスとゆう人間が何かを企んでいようと、どうでもいい。


 親友が居なければ動こうとしない。そんな人間。


 正義感の欠片も無い。冷たい人間。


 そう思われた。そして、自身もそう思っていた。


 しかし、雷が落ちた。それは、心に酷く突き刺さった。あのマルクワの中で可愛らしげな瞳をした動物を触りたいと。


 ただ、撫でてみたいと。


 青天の霹靂。正直、敦紫本人も驚いている。止めれるなら、既に止まっている。我に帰れるなら、既にだ。


 「‥‥‥‥。」

 「あ、‥‥あぁ。」


 等々、辿り着いてしまう。遠く彼方の距離で見ていたあの笑みを、今は間近で拝み死を連想させる。それ程までに人外の笑み。それは、笑えない程に。


 そして、今。彼らは、狂気に満ち溢れた敦紫に触れられる。


 「うぁぁぁぁァァ!!」


 ‥‥‥‥、


 「‥、怖がっていますよ。」

 「‥‥‥え??」

 「そんな怖い顔して、何をするつもりですか?。」

 「‥え?。」


 我に帰れた。自分の腕には細く綺麗な手。ヘレンの手が触れて身体が止まった。そして、前を見る。


 「‥あ。」


 ガタガタと震える人形の様な動物。弁解と全てを解き、もう一度触れようとするが、


 「なぁ!?」


 そっぽを向かれ、此方に顔を見せてはくれなかった。触れる事は出来る。強引ににヘレンの手を解き、あの柔らかな毛並みを撫でる事が出来る。でもそれは出来るだけ。


 望んで、身を委ねてはくれなかった。ならば自分に出来る手立てはもう何も無い。‥嫌われたのだ。‥‥詰み、と言う奴だ。


 「‥‥、好きな物すら触れない。もう。何もかもお終いだ。‥‥」


 膝をつき落胆。魂が抜けて、黒い瞳は色を薄めていった。彼の視界は暗く、魔胞子はどよめき出す。辺りに散りばめられた魔胞子、そしてこの国の外で浮かぶ魔胞子すら集まり出す。それは、この空を覆う程に。


 空が‥‥黒く、黒く‥‥、何も——


 「なんで闇落ちしてんだぁ!!」


 オーランの大声で全てが元に戻る。


 「‥‥生きていてもしょうがないよ。」

 「大袈裟か!」

 「ヘレンさん、いっその事僕を此処で天に送ってくれないかい?」

 「だから大袈裟か!(パシィ!)」


 頭を叩かれる救世主。その横側には剣を抜き、殺意の眼を向けては


 「天に行ければいいですね。地獄かもしれませんよ?。」

 「お嬢も話に乗らない!(パシィ!)」


 大きな手を広げて優しく音が出る様に叩くドクレス。師を失い病んでしまっていた状況。喉には何も通らず、勝つ力すら滲み出てこない状況。それなのに、彼女の声を聞き、その内容を聞き勝手に身体が動いては、ツッコミを入れる。


 ふとドクレスは我に帰ると、無言のまま隅に行きまた蹲る。


 「え?ドクレス?今の時間は一体何だったんだ!!何で一瞬普通に戻ったの?、ねぇ?」

 「分かるよドクレス。身体が勝手に‥動いちゃうんだよね。‥‥あれ?」


 蹲るドクレスにマルクワの腕から抜けた可愛げな生き物は、テクテク近づいてくると、ドクレスの足に頬を擦り当てて甘える姿を目撃してしまう敦紫。残念ながら、こっちは見てくれない。立ちくらみを引き起こす敦紫は頭を抑えて


 「‥僕は‥‥やっぱり。嫌われ者だ。‥‥今思えば、好かれた事のない人生。‥‥」

 

 強く膝をぶつけながら、またもや崩れ落ちてしまった。


 「‥‥だから!君は極端か!!」  

 「では、望み通り、好かれなかった人生に終止符を。」

 「ヘレン君も乗らない!物騒な物をしまってくれ。ドクレスも何か言ってくれ!」


 頬を擦り当てる生き物を優しく撫でながら、下を向き低く虚しい声色のまま


 「お嬢も、お師匠様にいつまで経っても振り向かれないじゃないですか。」

 「!?!?!?。‥‥いや。それは弟子と師の関係ですから。不純な関係はありません!」

 「そんなこと言って爺屋から聞きましたよ。魔芽の花を勝手に待ちだして、その師とやらと植えた事を。それでまだ振り向いて下さらない。と。」

 「‥!?。今は関係のない話です!!それに!一緒に植えてくださいましたからね!彼も分かってくれていると思うです。」

 「‥‥思う?どうせ、説明もしていないのでしょう?そんなんじゃ花は咲かない。勝手な気持ちで己だけが先走っては、指標も、好ましい物も、恋仲も、いつか消えてしまいますよ。」


 げっそりとしたドクレスの言葉は重くヘレンの心に突き刺さり、後退りをしてしまう。何故か隣で同じく蹲る敦紫も追い打ちをかける。


 「‥いい人なの?‥‥」

 「えぇ!!貴方なんかよりもずっと!!」

 「そう。僕がとやかく言うのもアレだけど、グズグスしていると取られるよ。」

 「誰に!?」


 食い気味で、聞き込むヘレン。俯く弱った二人の片方、ドクレスは床に向かってボソッと小声を吐く。


 「ヘレン様は半年間もグズグスしておられるのです。」

 「あぁ、そうなの。じゃあ取られてるかもね。僕の知り合いもね。ずっとずっと好きな男の子がいたんだ。でも、気持ちを伝えなくてね、その子。気がつけば‥声すら届かない所に行ってしまったよ。」


 なぁ!?、え、‥‥そんな‥‥、


 ヘレンもまた膝から崩れ落ちてしまう。その光景を見て、「さっきからお前達は何をしているんだぁ!!」。とオーランもまた膝をつき、床に向かい悲痛な叫びを吐いた。


 騒がしく、狼狽えるオーラン。その姿を真顔で見つめるマリーとその他諸々。ドクレスの横では、何故か同じ様な顔で三角座りをして絶望するヘレン。敦紫もまたその隣にいるのだが‥‥、


 「ふふ、」


 誰にも聞こえぬ笑い声を上げる。


 今日、初めて、自分の好きなものが見つかった。


 彼ではないのに、騒がしくしてしまった。その事に、


 いつか、彼に逢えた時。手見上げとして話す事が増えたことに、笑みを浮かべた。


 

 ——————————————————



 「ハァ!クッション!!」


 ある所、噂を嗅ぎつけて盛大なくしゃみを放つ者。


 辺りには蝶が舞い踊る。白い柵の中には彩どりを表現した無数の花達。柵の外側には自然、言い換えなど烏滸がましい程に自然が生き生きとした風景。


 他人はいない。生き物すら蝶と彼しか存在しない場所。誰も邪魔されぬ場所で一人、呑気に花畑の真ん中で鼻をすする男。


 スイレ王国の隠された中庭。案内しろと言われても出来ない。そもそも出来たとして、しない。花の甘い香りを頼りに己の足で辿り付ける場所。


 半年前の苦い思い出の中で唯一、心落ち着けたそんな憩いの場所。


 「墓決まってねぇなら‥‥此処でも良かったんだけどなぁ‥‥。仕方ねぇか。‥、此処は何もねえし、丁度良いと思ったんだけどねぇ。」


 胡座をかく青年、凛道 翔。


 柵を越え、花畑を歩き、中央。


 此処には、影を作り出す木が一つ。


 陽の光を浴びれない場所には当然、花も咲かない。


 よって、此処は何も無い。  


 「‥‥はぁぁ、このままのんびり暮らすのも悪くない。‥‥悪くない。‥でも、平和とまでは行かない。‥‥シフォンと色んなところに行ってみたい。」


 元いた世界には、美しい物が沢山ある。この花畑に匹敵する様な場所がある。それを姉に見せてあげたい。


 今の生活には満足している。偽物の勇者や異端児など外の人間達は言ってくるが、あの村にいれば安全。近くに花もあり、友も入れば弟子もいる。そして、家族がいる。


 もう、これ以上の幸せはないと思う。好きな物が近くにあり、好きな者が側にいる。だからこそ毎日、くしゃくしゃの髪のまま、欠伸を描きながら、ゆったりとした時間を過ごし送ってきた。


 「ふぅ。一度死んだんだ。‥海に落ちて。‥‥なら、引き摺ったて仕方ない。そろそろ‥‥」


 夢が出来てしまった。幸せだと言うのに、目標が出来てしまった。過去の惨劇に、縋り止まっていた自分。止まれていたのに。だがもう一度、動いてみようと思う。


 夢や目標が出来たら、人は、どうするだろうか?


 「よし!!元の世界に帰る為‥‥動くとしますか!!」


 木にもたれていた翔は、自分の頬を叩き勢いよく立ち上がる。木しかない遠くの場所を見つめて、その足を徐に動かす。足の踏み場などない花畑に己の足を一歩踏み出せば、花は道を作る。


 「‥‥‥。先ずは‥アニスの野郎だ。何処にいるんだ?カミラに聞くか?」


 リゲイトでも魔法でもない。それなのに彼が歩く場所には、花が道を譲る不思議な光景、しかし翔は下を向かず前を向き歩いているものなので、いつもこの光景を見逃してしまう。普段なら見逃さないのに。


 此処にくると、下を向かなくなる。


 下には、何も落ちていないのだから。  


 花しかないのだから。知っているから。


 態々、下を向かなくなる。


 「‥、あれ?、俺どうやって出たんだ?‥‥空でも飛んでたか?カッカッカ!。」



 彼が作った足跡は、茎を反らせた花達が元に戻り隠してゆくと綺麗さっぱり、見えなくなってしまった。


 

 ————————————————————



 「クッシュン!!‥‥はぁ!?。‥‥‥」

 「‥‥‥‥。、すー。すー。」

 「‥ホォ‥」


 木陰で小さなくしゃみをする赤髪の女性は、口を抑えて焦る様子を見せる。そんな事はお構いなしに、彼女の膝の腕で子供の様に眠るアニスの姿。


 「‥可愛い寝顔。‥ふふ。‥‥、気持ちいい風‥‥何だか‥私も‥‥。」


 眠るアニスを追う様に彼女もまた眼を瞑る。‥‥。



  ‥‥‥。。


  各々が、平和に過ごせたこの時間。


  各々、その場所が始まりとして、今、動き出す。


 


    運命は偶然として、覆り交差する。

 


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