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戦闘の勝者達(デュエル・マスターズ)  作者: 娯楽
デュエマ、スタート
7/14

真のデュエル〜Sトリガー〜

Sトリガー 

別名『本能的反射』。心臓が潰された時に、仕込まない時に限り、低確率で起こる奇跡。反撃の一手。


※これはトレーニングカードゲーム デュエル・マスターズ をファンタジー風に書いたニ次創作です。


「危な———」

トテントンの忠告は叶う事なく、そのまま私の奇行の結果がそっくりそのまま、幼女と拉致犯の目の前で表された。

「な……はぁ?」

トテントンも拉致犯も、私の突然の自殺行動に目を大きく開かせ驚いた。

「はぁ!?お前、なんで、」

「霧札おねえさん!?」

二人の仰天を他所に、私は薄笑いを浮かべながら切り裂かれた胸と口から己が命を吐き溢す。

「ぐぅ……ぶほぉ…」

止まらない流血。それと同じくらいに収まらない私の笑顔。

血を流しながら笑うこの現状は、誰がどう見ても、狂気の領域に達しているそれにしか見えないだろう。

「………た……」

この場にいる誰もが私の狂行に言葉を失っている中、ふと私の狂気に笑った口の中から言葉がポロッと出てきた。

だがそれは、言葉と言うにはあまりにも短かすぎ、声と呼ぶにはあまりにも小さすぎるものだった。

「ん?」

こんな近距離にいる拉致犯すら、その小さな声が自身の耳に届かず無意識に聞き返す。

それほどまでに、私の声は小さかった。

「……きた」

次に出て来た言葉は、先の、声にも言葉にもならないものとは違い、一応単語としては認識できるくらいの大きさと数があった。

それでも、その「きた」の単語だけでは、まだそれ以上の意味はわからない。

だがその疑問への回答は、割とすぐに出てきた。

心臓の鼓動と同調して一定間隔に溢れる真っ赤な血液の中に混ざる、圧倒的違和感。

それを具体的に説明するなら、胸の傷口から薄緑色の霧が、打たれる脈と同じ感覚で吐き出される。

そうして瞬間にしてその霧はたちまち辺りを埋め尽くした。

それにいち早く気づいたのは、誰よりも私の近くにいた心臓を潰したバギン16号。

「——————」

一瞬見入ってしまった闇の亜人の隙を、私は見逃さない。

「来た、S(シールド)トリガー! 」

単語の主語。それは、攻撃を受け心臓から流れ出る流血の逆転。

——————S(シールド)トリガー。

私は、ポケットの中から黒くて四角い箱を取り出す。

このタイミングで、拉致犯がバギン16号の次に違和感を察知し、二体目のバギン16号に追撃を命令する。

しかし、それはとても遅い判断だった。

その黒くて四角い、私の手のひらサイズの「箱」は、辺りに広がった霧を吸収し、内側から光り始める。

「……ちゃんと見てるんだよ?トテントンちゃん」

私は滴る血液をそのままにして、横目で幼女の視線をこちらに向かせる。

トテントンは疑問だった。

——————この人はどうして、ここまでして私に『真のデュエル』を知ってほしいのだろう?

今更の疑問に、トテントンは呆れすらも通り越してもはや逆に見入ってしまう。

……それが後になってこの上ないほどの後悔に繋がることを彼女はまだ知るよしもなかった。

そんなトテントンの疑問もなにもかも置き去りにして、目の前の場面は瞬間的に移り変わる。

輝き出した黒い箱は宙に投げられ、瞬間的に何十倍もの大きさに巨大化。

次に、ルービックキューブのように箱の一部が順繰り(じゅんぐり)順繰りに回転し始める。

その様子を、トテントンの注視も拉致犯の驚いた顔もバギン16号の追撃すらも無視して、私は自身の黒い箱の動きに、まるでクリスマスプレゼントを開ける子どものように注目する。

「……ねぇ、トテントンちゃん。デュエマの必勝法って、何だと思う?」

「え…?」

今日で何回目の突然の質問だろうか。もはや慣れてしまったトテントンは立ち止まる事なく答えを探しめる。

「えーっと、相手よりも早くダイレクトアタックすること…?」

「うーん、二十点」

「二十点……」

「デュエマの必勝法には三つ存在する。一つはトテントンちゃんが言ってた、『相手よりも早く相手の心臓を潰す事』。ここで二十点」

私は人指し指を立てて説明する。

次に二本目の中指を立て、必勝法その二の説明に入る。

「次に二つ、『その相手の動きを完全に受け切ってカウンターをぶちこんでやる事』。ここで五十点」

そして三つ、と言って三本目の指を立てて最後の必勝法の説明を始める。

「『運』だ」

意外にも最後の必勝法の説明だけとても安直でシンプルすぎる、不確定な説明だった。

「え、運?」

あまりの適当な説明にトテントンも聞き返す。

たが、その明確な答え出る前にバギン16号の追聞が私の目の前まで迫っていた。

「あ———!」

トテントンは咄嗟に言葉を変え、おねえさんに危機を伝えようと言葉を投げる。

が、これも間に合うことは叶わずバギン16号のノコギリの刃が再び、私の小さな胸肉をそぎ落とすために接近する。

それは人外の瞬発力。

亜人のスピードに、人間が反応などできるはずもなく、抵抗虚しく今度こそ治療不可能の致命傷をつけられる。

「——————?」

……はずであった。

悪趣味で鋭い闇の亜人の刃は血まみれの私の胸の数センチ手前で進行を止めていた。

…否、()()()()()()()()

「はーい残念」

私は目の前で止められているバギン16号を嘲笑いながら、赤い胸ポケットから不思議と無事なタバコを取り出し火をつけ、吹かす。

「な…」

拉致犯はバギン16号、よりももっと上空の方に視線を向けて驚いてる。

「え…?」

トテントンも拉致犯と同じところを見つめて驚愕する。

そんな二人とは相反して、変わらずニヤニヤと笑っている私。

私は視線を、亜人のノコギリ、そしてそのまま腕と肩を辿って顔へと送る。

その顔は真っ黒な頭巾に一つ目のような丸いガラスが埋め込まれているなんとも異色な亜人の顔があるはずが、それは『白くて大きな手』に握られる形で隠れてしまっていた。

「……ウェルヘッドでブロック」

咥えたタバコを加速させながら、その『手』の持ち主に指示を出す。

拉致犯とトテントン、そして誰よりも一番驚いていた突如顔を掴まれて攻撃を止められたバギン16号。彼らが視線を集中的に集めてたのは、どこからか突然現れた白い手の持ち主の、私の二倍程の大きさのある「彼」が原因だった。

「……愛殿、いい加減わたしの名前を覚えてください。わたしはウェルヘッドでは無く、『ヴェルベット』です」

「いーじゃん別に。いっつも噛んで言えないし。それにあんまり変わんないじゃん」

もはや彼女とのその会話だけで彼が霧札愛の味方である事は明白であった。

それに対してトテントンは安堵し、拉致犯は焦った。

「バ、バギギィ……」

仰天の空白から意識を取り返したバギン16号が、ヴェルベットの白く美しい手の中で暴れ始める。

それを自身の手の中で感じたヴェルベットは、眉を八の字にし、凛々しい視線は汚らしいモノを見るものに変わる。

「汚らしい闇の亜人め。わたしの信仰するゴット様の中にも闇文明の方はおられるが、貴様のような醜くて汚物のような亜人は初めて見たぞ」

そう言って吐き捨て、バギン16号をにぎる手に力を込める。

「バギィ…ギィィイイギ!?」

ブチブチとなにかが溢れて千切れる、鈍い音があたりに響く。

「バギン16号!」

拉致犯の叫びも届く事なく、嘔吐感を呼び寄せる効果音はみるみる増加し最後には、

「……ギばぁ!?」

と、バギン16号の声と共に上半身の形をした肉と元下半身、そして紫色の液体を地面に撒き散らして静かになった。

「ふぅ、」

ヴェルベットは汚れた手を払い、最後の亜人への弔いを舌打ちで済ます。

「ひ、ひぃ……」

ここに来て、疑問から来ていた興味で目の前の光景を重視していた事をトテントンは酷く後悔をした。

もう、今日だけでどれだけの吐き気に襲われただろうか。

「うぅぅん……うおぇ……」

もはやトテントンの倫理観は限界を超えており、今さっきのバギンミンチによってトドメを刺された。

「な、なんで…わたし、ただみんなを助けに来ただけなのに……」

気色の悪いモノへの拒否反応と朝ごはんと一緒に、どれとも違う別の気持ちが、今度は目から溢れる。

「ねぇ、霧札おねえさん…本当に、みんなを助けてくれるんだよね?……おねえさんは、わたしの、みんなの味方だよね?」

改めて聞きたい。

どうしようもないくらいに遅すぎる質問を。

どうしようもないくらいに今更すぎる疑問を。

聞きたい。

そして欲しい。

トテントンが求めている回答。

「当たり前じゃん。私は君たちの味方の優しいお姉さんだよ?」この答えが、今、この上なく欲しい。

すがる思いで、祈る勢いで、トテントンは泣くために伏せていた顔をあげる。

お願い。助けて。その答えを、私にちょうだい。そんな一杯一杯な気持ちで、幼女は全身に力を込て見上げる。

「……え?なにごめん、聞いてなかった」

「——————ぁ」

「あーもしかしてよく見えてなかった?ごめんごめん。確かにヴェルベットっておっきいもんねー」

「愛殿、恐らくそれは違うのでは?」

ヴェルベットの訂正もトテントンの思いにすら気づくことすらなく、私はケラケラと笑いながら、改めて今の説明の場所から話す。

「これがSトリガーね。あ、Sトリガーって言うのはね、知ってると思うけど自分の擬似心臓が潰されたり、致命傷の傷を負った時とかに『本能的反射』って言われる反射が自分の体の中でたまーに起こるの。それでそれが起こった時、自分の心臓になってくれた亜人や呪文が反射的に発動する現状の事だよ。ここまでは知らなかったでしょー。あ、ちなみに今打った呪文は、『S(シールド)トリガー ミステリー・キューブ』ー!」

まるで自分の好きな物を話す女子高校生のような可愛らしい笑顔で、私は淡々と口を動かす。

そんな楽しい説明なんて、今のトテントンには一つも入ってこない。

今、幼女の中にある事は一つだけ。


——————この人は、頭がおかしいんだ。


いや〜ども、娯楽さんです。

最近、ガンダムに浮気をしております。

フル・フロンタルさん、かっこいいっすね(ドュフ

ゾルダン・アッカネンさん、いい性格してますね(でゅふ

シャアさん、イケメンやないですか(デフフ


……ごめんなさい。話を戻します。

皆さんの好きなSトリガーってなんですか?

私は、やはりホーガンブラスターですかねー。あのドキドキワクワク感はたまんないっすわ。

と、言う事は?これからの話に?わんちゃん?出したり?出さなかったり?

と、言う事でこれから出てくるカードを予想しながら続きをお楽しみください。

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