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戦闘の勝者達(デュエル・マスターズ)  作者: 娯楽
デュエマ、スタート
5/14

真のデュエル

真のデュエル。

それはお遊びやゲームではなく、本当の戦闘ととして行われるデュエマ。

——————負けた方は、死亡する。


※これはトレーニングカードゲーム デュエル・マスターズ をファンタジー風に書いたニ次創作です。


「「——————デュエマ、スタート!!」」

戦いの合図が鳴り響き、森には爆発と騒音が交互に発生する。

「どうした、逃げてばかりか!?」

戦場と化した緑地の中に、それらの原因の声が混ざりながら轟く。

爆音と共に大地を爆発と騒音で満たす拉致犯の「終焉の(ビギニング)開闢(・オブザ・ジエンド)」。

私はそれらを木々の厚みに隠れて受け流す。

「出て来い、口だけ女が」

「ばーか。すぐに終わってもしょうがないっしょ」

拉致犯の挑発をそっくりそのまま返し、わかりやすくタバコを吹かす。

「お前……」

私のわかりやすい煽りに、拉致犯の怒りは限界が見え始めた。

「舐めるなよ……一番隊バギン16号!!」

その名を呼んだ刹那、彼の周りから二体の亜人が召喚された。

「……一番隊バギン16号。亜人種族『マフィ・ギャング』の先行隊、か」

その見た目は、両手が前方後円墳墓型のノコギリに包まれており、顔は大きなガラスの一つ目だけをくっつけたようなガスマスク。体の所々に縫い付けられた跡があり、いかにも闇の亜人といった感じだ。

「な、なにあれ……」

隠れていたトテントンもあまりにも自身とは違う醜い亜人の姿に驚愕し、茂みから顔を出した。

「妖精さん、じゃないよね?」

トテントンの言う「妖精さん」とは恐らく自然文明の亜人のことだろう。

「……そういえばトテントンちゃん、デュエマはなにか知ってるかな?」

「え?」

私からの突然の問いかけに、トテントンは目を大きく開いて疑問視したが、その質問の模範回答は知っていた。

「知ってるよ。妖精さんや野菜さんの力を借りて相手のシールドを割って、最後にダイレクトアタックをしたら勝ちってゲームでしょ?」

「……へー、平和な所だとそんなにゆるゲーになってるのか」

「え……?」

トテントンちゃんのデュエマへの回答が、タバコの白い本体を早期に燃やし、枯れた葉は煙へと瞬時に変貌した。

「…霧札おねえさん?」

回答の後に黙り込んだ私を見て、トテントンは自身がなにか答えを間違えてしまったのではないのかという、不安の感情が込み上がった。

がしかし、そんなトテントンの心とは真逆に、目の前の年上のおねえさんはニコっと笑い、

「それは丁度いい!トテントンちゃん、私が『真のデュエル』の詳細を教えてあげよう。」

先ほどまでと変わらないおねえさんのちゃらけた声が、トテントンの安堵を取り返した。

その代わり、おねえさんの会話の矛盾にトテントンは混乱する。

「え?わたし、デュエマ知ってるよ?」

「いいや?トテントンちゃんはデュエマを知らない」

「えっ……と?」

「ならまず、デュエマに必要最低限のものを答えてみよう」

「えぇ……?」

自身の話を聞いてくれないトテントンはその強引な会話に乗るしかなかった。

「えーと、山札?」

「そー!正解山札。山札とはデッキ、つまり自分自身そのものと言っても過言じゃない。いいよ、その単語が最初に出て来るなんて、トテントンちゃん才能あるよ。それで、他には?」

質問に答えただけなのにどこか嬉しそうに笑いながらトテントンの回答を褒めまくるおねえさん。

「他……シールド?」

「シールド。んー不正解」

「え?なんで?」

「正式名称は擬似心臓。『自分を守ってもらうもの』じゃなくて『自分の心臓』。そう考えると色々と動きやすくない?」

「え…」

「実際痛いしね!」と場違いに笑う私を見てトテントンはまるで不気味な何かを見るような視線を送る。

「……おいお前」

「?」

ここで、私とトテントンちゃんの『真のデュエマ』のルール解説に口を挟んだのは、バギン16号を召喚してそれっきり蚊帳の外だった拉致犯。

その表情は先ほどまでの戦闘で見られた鬼の形相ではなく、かすかに苦しそうな表情をしていおり、バギン16号の攻撃も止めていた。

「あーごめんね。もうちょっとだけ待ってて」

彼の変わった表情に私は触れることなく、一方で私は変わらない笑顔のまま、引き続きの戦闘への停戦を願った。

そんな私の言葉と表情に対して、拉致犯は苦しそうな顔で口を開く。

「……子どもにそんなものを教えるな」

その言葉は私の無茶な停戦やだらしない戦闘への態度からくる怒りの言葉ではなく、まさかの虫の幼女にデュエマのルールを教える事への否定だった。

「……なんで?」

「なんでって、それは———」

「———それに対して、お前になにか言える権利があるのかよ」

「!?」

「お前だって亜人戦争の生き残りだろ?それに、『真のデュエル』をやろうって言ったのはあんただよね?」

「……な!?俺は、ただお前とデュエマで白黒つけたかっただけで…」

その言葉は、彼の喉奥から詰まって最後まで出てこない。

そこから拉致犯の表情はますます暗くなり、双眼の中にあった炎は別の感情に押しつぶされるかの如く薄れる。

「それじゃあトテントンちゃん、ルール説明の続き続きー」

戦場に合わない笑顔を崩さない私。

なぜか理由はわからないが、先程から怒りの表情が薄れ暗く苦しい表情になる拉致犯。

トテントンは友を助けるためにここまで来たはずなのに。

その犯人が目の前にいて、とても心の優しい人が犯人を懲らしめるために力を貸してくれている。それでうまく行くと思っていた。

なのに、どうして。

どうして、味方にこんなにも恐怖するのだろう。

「え、あの、霧札おねえさん……?」

恐る恐る、その人の名を呼ぶ。

味方だと信じたくて。

「ん?どうしたトテントンちゃん?」

この人は、トテントンのようなか弱い子どもを愛して助けてくれる優しい人だと、信じたくて。

「あ……」

でもそれは、間違いだったかもしれない。

そう、幼いトテントンは彼女の目を見て思った。

「さ、優しい拉致犯のお兄さんが待ってくれてる間にルール説明を再開しよう!!それに、デュエマのルール説明って、お約束だからさ?」

彼女の笑った表情からは、微塵の優しさなんて感じなかった。


みなさまどうも。娯楽でござます。

予告通り、更新がクソ遅くなりました。申し訳ございません。

それはさておき、先日新パック「邪神vs邪神」が発売されました。拍手!!

いやー今弾の目玉といえばやっぱり初の三色パーフェクト呪文、「パーフェクト・ペテンシー」ですかね。

……なんなん、あの性能。

……なんなん、あの初動金額。

カツキングがやっと落ちてくれたと思ったら初動金額VT超えのバケモン再来とか、これかだらデュエマはやめらんねぇ!!


とまぁ、ここまで満足にだべらせていただ来ましたので本題に。

今回もこの二次創作を読んでいただき、誠にありがとうございます。これからも楽しく書いていきますので、何卒よろしくお願いします。


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