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戦闘の勝者達(デュエル・マスターズ)  作者: 娯楽
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14/14

再開と二日酔い

拉致犯を打ち、無事にオヤジの屋台で休むことができた愛達。

そして、今の心情を愛に打ち明けたトテントン。

それに対して我らがヒロインは酒と薬でトテントンを励まし、オヤジにドン引きさせるのだった。


※これはトレーニングカードゲーム デュエル・マスターズ をファンタジー風に書いたニ次創作です。


幼女達の寝顔を横に、私はあの卵の事を考えていた。

(あの卵……どこ行った?)

時は数時間前——————。


「………あれ?ゼーロンの卵、どこ行った?」

私はオヤジの迎えが来た時、ふと辺りを見渡す。

すると圧倒的存在感を放っていたゼーロンの卵が消えている事に気がついた。

圧倒的に違和感の損失。それは逆に、今までそこにあった圧倒的なものが消え失せるという別の違和感を呼ぶ。

「お嬢様、いかがなされました?」

「え?ぁあー?……いや?なんでも。それよりも早く子ども達を運ばないとね」

その時は子どもたちもいたので気にする余裕などなく、さっさとオヤジの店へと入ってしまった。


「あんな強大で厄介の種にしかならないもの、一体どうやって……しかもあんなの持ってたところでいいところ脅し文句くらいにしか使えないのに……」

そこまで考え、私の頭は風船のような音を立てて破裂し、私の思考は遥か彼方へ星となって消えた。

「……ぐぁぁあぁああぁあ!!!わけわからん。もぅいいーー!」

そうして、ボトルに残っていた酒を直接咥えて飲み干し、深い眠りへと転げ落ちていった。


「んん……ぁあぁ!?」

私は突如襲ってきた頭痛によって目が覚めた。

「……い…っつ……」

モヤが晴れるように視界が確保されていく感覚に殺されかけながら、私の意識は段々と覚醒していく。

「あー………ったま…痛ってぇ………」

頭の内側からぶん殴られる嗚咽間に苛まれながら私は死ぬ覚悟で体をカウンターの机から叩き起こす。

「あ、お姉さん起きた」

「…….あぁ?」

かけられた声の方を見てみると、そこには可愛らしく丸いカゴを両手でしっかりと持っている、メイド服のトテントンちゃんが立っていた。

「…………………なにやっでんの?そうゅうプレイ

?」

頭痛で動かしたくもない口を動かし、私は今のところ今世紀最大の疑問を彼女に問いかけた。

「ぷれい…?それなに?」

「いや…なんでもなぃ……」 

今の私に自分のボケの解説をするほどの元気なんてものは存在せず、酒焼けに殺されたカスッカスの喉を振り絞って質問を改める。

「…………ぞれより………なにじてんの?」

「洗濯物です。おねさんの部屋の」

「ゎたじの…?」

「———あ!お嬢様。ようやくお目覚めになられた」

そう言ってトテントンの後ろから顔を出したのは、そのトテントンが持っている洗濯物の数倍の量を抱えたヤップップがそこにいた。

「大丈夫ですか?顔色がお悪いようですが」

「あー……だいじょぶ…。ただの二日酔い……」

「それは大変です!はやく酔い止めを…」

ヤップップが胸の内側から酔い止めを薬を取り出して私に渡そうとした時、それを引き留める声がカウターの奥からかけられる。

「やめとけやめとけ、バカにつける薬はねぇよ。」

その声をかけてきたのは、なにやら奥でお玉を回してスープを煮込むオヤジ。

「だれが………ばかだ……クソジジィ……!」

「今の様子を見て、バカ以外の言葉が思いつかねぇよ。こないだもそうやって潰れやがって」

ため息をつきながら、オヤジは一定の感覚でスープをかき混ぜる。

「それなに?」

オヤジの見たこともない行動に、トテントンは質問した。

「これか?これはスープの仕込みだ」

「しこみ?」

「そう。お嬢ちゃんが昨日食べ……てないな。昨日俺たちが食った『ラーメン』て言う食いもんのスープの部分だよ」

「へぇ……あ!もしかて昨日見たあのいい匂いのするやつ?」

ハッとした表情で昨日の事を思い出したトテントン。

「あそうだ。私その『らーめん』?…を食べる前に寝ちゃったんだった」

「あ、あぁー……そうだな。お嬢様ちゃん疲れてたもんな。あっはは…」

オヤジは昨日の事を思い出し、気まずそうに笑う

「……?」

その意図はトテントンには届く事はなく、オヤジはホッとする。そして昨日のそれをした張本人は変わらず二日酔いにうなされているこの現状に、オヤジは静かな怒りを覚えそこそこの力でその頭をぶん殴るのだった。

「ふざけんな」

「はぇ!?……ぶおぉえええぇええ」

「え!?ちょお姉さん!?」

「お嬢様ぁ!!」

内と外からの衝撃により、胃液の逆流防止の役割を担っていた壊れ掛けの脳が完全にイカれ、私流の大洪水が巻き起こった。



「お父さん…!お母さん!!」

トテントンは最愛の人達へ駆け寄る。

「トテントン…!」

「トテントンちゃん!!」

最愛の人達も駆け寄る我が子を強く抱きしめ、その温もりを実感する。

「どこに行ってたの…心配したんだから」

「そうだぞ。一体なにがあった?どこも怪我してないか?」

「うん…うん!大丈夫。どこも痛くないよ」

親子の対面。中仏まじい光景。

「よかったですね、トテントンちゃん」

「ほんとになぁ」

それを見守るオヤジとヤップップ。

「……頭いてぇ……」

その横で頭痛を訴える私。

「……なんでこいつ外いんだよ」

「どうしてもトテントンちゃんとお別れがしたかったそうですよ」

「そーかい……」

青い顔になるほどの嘔吐感を必死こいて抑え、私はトテントンちゃんへのお別れを告げに歩く。

その歩みは老人よりもふらふらで、歩くというよりも倒れないように揺らいでいると言ったほうがまだ近しいほどのもの。

そのせいで彼女らのところに行くまでに日が暮れそうなほどに遅かった。

「お嬢様様、あまりご無理はなさらず」

その様子にヤップップは自身の左肩を使って倒れかけの私を瞬時に支えた。

「と…トテン…トン……ちゃ……」

回る世界の中、私は必死に彼女の温もりを求めた。

「お嬢様…」

「どうしてそこまでするのかねぇ」

オヤジの疑問に私は嘔吐感を抑えながら、最低限の声の大きさで応答する。

「……そんなのは決まってる。彼女が……可愛かったからだ。可愛い子を見つけたら… まず声をかける。そして別れる時はバイバイする。これだけ触れ合ったのなら尚更…」

「いやいや、それはここまでしなきゃいけない事か?」

「クソジジぃ…お前はなにもわかってねぇのな。こんなかわいい子が今、私の元から離れようとしてんのよ。その場にいないなんて、この私が耐えられるわけが———」

そこまで話し、私の言葉は前から来たにかにより、遮られた。

そのなにかは小さな二本の長いものを私の胴に巻き付け、丸くて硬いもの胸に押し付けた。

アルコールによる回転する世界の中、突然の衝撃に頭痛が再開し嘔吐感の波が押し寄せる。

それらを必死に耐え凌ぎ、その衝撃の正体を確かめるべく視界を落とす。

そこには私の胸に顔を押し込み腕を巻き付けてハグをしてくる、可愛らしいてんとう虫の少女がいた。

「え?トテント———」

「———ありがどぅ」

その言葉は少しこもってよく聞こえなかった。

それでもなんと言ったのかわかった。

「——————」

それを最後に、トテントンは自分の両親のところまで走って戻りその影に隠れてしまった。

その様子を見て、私の中で一つの言葉が浮かぶ。


——————あー、かーわい。


もっと言うべきこと、してあげる仕草などがあったかもしれない。

それでも、アルコールに殺されている私の脳みそではこの言葉を思う事で手一杯だった。



トテントンと別れ、その後私たちはオヤジの屋台で森を横断していた。

地鳴らしがなるたびに木々が揺れ、変わった形の動物達が逃げてゆく。

「おい、本当にここ横断しねぇと行けねぇのかよ」

今日のラーメンを仕込みながらオヤジは私に質問する。

「わだじは…手に入れると……ぎめたら…早めに手に入れたい派なの……う、うぉえぇえぇぇぇぇ……」

「お嬢様…」

「はぁそうかい。別にいいけどよ」

もはやツッこむ気力すらないオヤジは諦めてラーメンの仕込みを再開した。


愛達が向かっているのはトテントンの両親から聞いた隣の村。

どうやらそこに、私が『自然文明』に来た理由が存在するらしい。

——————らしい、というのは単純にそれが百パーセントそこにあるという確信がないから。

愛がどうしてこの文明へやってきたのか。それはある亜人を手に入れるため………。


お久しぶりです。娯楽さんです。

最近書けてないなぁ、とか思いながらぼぉーっとしてたら前回の投稿から約一ヶ月が経過しておりました。

…………… WAO美孔麗。

……………………すみませんでした。


それはそうと、祝『ヒロインベスト』発売!!

いやぁ、どのヒロインの子もかわいかったですのぉ。

知り合いの力を借りて、私も四箱購入させて頂きました!

世代ではありませんが、サイバー強化の黄昏ミミ!

我らの青春ヒロイン、滝川るるちゃんのエンジェル・コマンド強化!(←この種族一生強化貰ってんなぁ)

そして懐かしのグランセクト、うららかももちゃん!

一気に開拓が進んだシノビ、本能寺カレンちゃん!

そして、私の最推し…よくわからなかった鳥、ニーカちゃん!!

いやぁ、どの子も本当に可愛かった……。

そして再録も熱かった………。


と、ここまで語りまして

皆様、今回のように度々作者の気まぐれによって投稿が度々遅くなる事がございます。

そんな優柔不断な私の作品を読んでくださっている物好きな皆様、本当にありがとうございます。これからも精一杯書いてまいりますので、引き続きのご愛好、よろしくお願いします。

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