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戦闘の勝者達(デュエル・マスターズ)  作者: 娯楽
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12/14

霧札愛は居候

デス・パペット

ブラックモナークから作り出されたと言われている呪いの人形型亜人種。

今では世界のインフレにより、かなりの種類が増えた。



※これはトレーニングカードゲーム デュエル・マスターズ をファンタジー風に書いたニ次創作です。


「……お迎えにあがりました。お嬢様」


炎の拳が消え去り、代わりにそこにいたのは私よりも身長が高いメガネメイド。

「……アーちゃん!?」

「はい。お嬢様のアガイブ・ヤップップです」

私が「アーちゃん」と呼んだそのメイドは、左右のスカートの裾を指二本で持ち上げて丁寧に頭を下げて名乗る。

身長は私よりも高く、紫色のロングヘアーを後ろでポニーテールの形で縛っている、丸メガネがよく似合うメイド衣装の人間。

——————否、人型の亜人である。

そしてよく見れば、今目の前でヤップップと交代して消えた拉致犯の黒い腕は、彼女の足元に踏みつけられており、それはまるで力が抜けてしまったかのようにぴくりともしない。

その光景から察するに彼女は空から突如降ってきて、そのままこの拉致犯だかなんだかわからないものを踏みつけてトドメ(ダイレクト・アタック)をぶち込んだというわけだ。

「……相変わらずフィジカルすごいね」

「ふぃじかる?と言うものはよくわかりませんが、ありがとうございます」

名乗った時以上に深く頭を下げ、ヤップップは私への感謝を表現する。

「別にいいよ、褒めてねぇし。…それよりも足元のその子、死んだ?」

「え…足元?」

どうやら本人は気づいていなかったらしい。

なんてまぁー、図太い子なんでしょう。

こんな気色の悪いものを踏んで、「気づかなかった」ですませられるなんて。

……まぁ彼女のフィジカル着地をモロにくらって生きてるわけないか。

私は勝手にそう結論づけた。

「ほらはやく降りて。手伝ってほしいことがあるんだよ」

「はい。何なりと」

「よし。じゃあまずこの子供達を運ぶの手伝って」

そう言って私は辺りに点々に寝ている数人の子供達の方を指さした。

「……みんな!!」

走り、トテントンは眠る子どもたたへと駆け寄る。各々の名前を呼びながら体をゆすったり、叩いたりしてみるが、一向に誰も目覚める様子はない。

「ヴェルベットさん…みんな大丈夫だよね?」

友人達が眠りから覚めず、死んでしまったのではないかと涙目になりながら、その幼女はなぜか私ではなくヴェルベットに助けを求めた。

「……ん?」

「見せてください」

そう言ってヴェルベットは細い手を子どもたち一人一人にかざして様子を伺う。

「……何も問題はありませんよ。ただ眠っているだけです」

トテントンを安心させるように、ヴェルベットは優しく微笑む。

「……んん?」

「ほんと!?よかったぁ…」

朗報とイメケンの優しい笑顔に安堵したトテントンはその場に突然その場に崩れ、その瞬間にヴェルベットがその小さな体を支えた。

「ん!?」

「大丈夫ですか?」

「はい。安心したら力抜ちゃったみたいです…」

えへへ、と恥ずかしそうに微笑む幼女のこの笑顔に勝るものは、きっとこの世には存在しないだろう。

「本来、こんな小さな子どもが体験して良いことでは無かったのです。ゆっくり休んでください」 

そう言ってヴェルベットはトテントンの頭を軽く撫で、その行動に安心が安定したのか、トテントンは更に深くヴェルベットの体へと入り込む。

「……ち、ちょちょっと待てい!!」

この場面に至るまで、横から疑問の合いの手を一方的に投げつけることしかできなかった私が、ここでようやく現状にツッコミをかけた。

「どうかされましたか?愛殿」

「なに?お姉さん」

「どうした?なに?…じゃねぇよお前ら!!なぁに二人でイチャコライチャコラやってんの!?てかいつの間にそんなに二人仲良くなったの!?トテントンちゃん!私とのあの夜は嘘だったのぉ!?」

私の次から次へと出てくるる(一部虚言混じりの)この現状への文句を、当本人であるトテントンは「なに言ってんのお姉さん」の一言で受け流す。

「何言ってるの?じゃないのよトテントンちゃん。そもそもいつのまに二人そんなに仲良くなったの?ウェルヘッド!いつまでくっついてる!今すぐ離れろ!!……てかいつの間にか『お姉さん』呼びだし!!!」

「ヴェルベットです」

「んなことはどうでもいい!!」

頭の中から無限に湧い出る不満と文句。

「……あのお嬢様、ヴェルベット(あんなの)がいなくても私がおりますよ?」

突然横から、頬を赤くして照れながら自分の頬を触り出すヤップップ。

「あごめん。今はたわわなお姉さんよりも手のひらに乗るくらいの小さな命を愛でたい気分なの。アーちゃんとはまた別の夜でね」

そう言って、その申し出を私は容赦無く断る。

「………きぶん……」

断られたら途端に、ヤップップはわかりやすく落ち込む。

「——————許せん」

「「「!?」」」

ここまで来て。ここまでやってなお、あの声が大気を震わせた。

ヤップップがその声がした後ろをみると、拉致犯の焼死体の本体から、小さな火の粉が再び現れ始めていた。

「こいつ……!」

ヴェルベットが咄嗟(とっさ)にトテントンよりも前に立ち、その巨体の後ろに隠す。

ヤップップもこの状況を瞬時に把握し、私を守るように、目の前で戦闘体制に入る。

そして私はタバコを一服。

「……いや愛殿、なに呑気に吸ってるんですか!離れてください!!」

「その余裕、素敵ですお嬢様」

「ヤップップ殿も感心してないで下がって!」

各々が己の臨戦体制を固める中、

「……………許さん……」

先に変化を生じたのは「何か」の方だった。

「許さんぞ貴様ら……この怒り、必ず晴らす……」

「噛ませ役の負け台詞だね」

「黙れ。…特に貴様。貴様は危険だ」

「何か」は今にも崩れそうな指を震わせて私を指差す。

「貴様は…一体何者なのだ……?」

その問いかけに、私は一旦ニコチン摂取を挟んでから応答する。

「私は、ただデュエマが好きなだけだよ」

単純に、純粋に、私は子どもよりも子どもらしい答えを提出した。

「……()ん。好き嫌いで、俺様の怒りが抑えられるものか」

弱々しく燃える「何か」の目は、真っ直ぐ私を見ている。

「……豪運の…デュエ……リスト」

「何か」の崩壊は指から腕、喉、顔と全身へと広がり、

「必ず……殺……す……」

その言葉を最後に、「何か」は広がった破壊に体が侵され、本当に崩壊した。



「………なんだったの?」

目の前の灰とか化した「何か」を見て、トテントンは得体の知れない物への恐怖心が込み上がる。

「さーね。…そんなことよりもお腹減っちゃった。アーちゃん、オヤジさんっていつ来る?」

私は幼女の疑問を軽く流し、倒れていたトテントンの友人たちを丁寧に寝かせていたヤップップへ向け、ひもじそうに声をかける。

「どうでしょう?一応私が飛んだ方向はわかっていると思いますし、その時からかなりの時間が経っているのでそろそろだと思いますけど…」

(オヤジさん……?)

初めて聞く人物の名称に、トテントンは興味が湧く。

「あの、オヤジさんって誰———」

トテントンが二人に「オヤジさん」の詳細を聞こうとした時、同時にそれをかき消す勢いで木々が凪倒れる音が当たり一面に轟いた。

「え、なに!?」

「あ、来ましたね」

「ようやく休めますね」

「オヤジさんおそーい」

突然の轟音に驚くトテントン。それ以外の三人はやっと来たと言わんばかりの余裕で、驚くそぶりなんて微塵もなかった。

木々の軋み倒れる音が段々と近づいて来ると、それに伴ってダン、ダン、という巨大な足音のようなものまで追加で響きはじめる。 

———明らかにこちらに近づいて来ている。

そう思ったトテントンの内心は、もはや休むことなど忘れて限界を超えて警戒する。

次から次に来る騒音にトテントンの精神はもはや限界値を迎えていた。

騒音が近づき、唸り声まで上げながら太陽の光すら覆い隠す勢いのその巨体が森の奥から顔を出す。

「——————へ?」

トテントンの警戒は、その巨体の正体を見て根本から崩れた。

その理由は、その巨大なものの見た目があまりにも予想していたものより程遠かったからだ。

その見た目は、ラーメンの器の顔にナルトや

麺で目や口のパーツが形付けられ、唸り声だと思っていたその声はラーメン屋の定番ビージーエムだった。

とはいえ、かなりデカい。

トテントンから見ればゆうに三十メートルは超えている。

「オヤジさーん、遅いよー!」

拍子抜けしているトテントンを横に、私は目の前の巨大ラーメンロボに向けて大声で文句を叫ぶ。

「うるせぇ!!お前が勝手に出て行ったんだろうが!店の酒空っぽにした挙句、一時間で戻るって言っといて一晩姿消しやがって!」

まさかのラーメンロボから応答があった。

その声はマイクを通しているせいかこもっており、私に向けて怒鳴り声をあげていた。

そのせいでかなりうるさい。

「しかも世話係の方まで———」

「———だぁーーもぉーー!わかったわかったって。ごめんてごーめーんー!だっでしょーがないじゃん。アレ探してたのに全っ然見つからないしさー、パクった酒は無くなるしさー、途中で子どもが困ってたしさー、面白そうなデュエリストがいたしさー」

「はぁ?てめぇマジで酒全部飲みやがったのか!?」

「いやおいクソジジイ!今そこじゃねぇだろ!!」

私とロボの言い合いを横で見ていたその他メンバーのヴェルベットは呆れながらため息をつき、

「とりあえず、中に入りますか」

その提案にヤップップは優しく微笑んだ。

「そうですね」

その笑顔に怒りは全くない。それを見て、ヴェルベットはこんなダメ主人への絶対的忠誠心に心から感心した。

「…さ、お嬢様、オヤジさんも。その辺りでお願いしますね。ヴェルベット様、この子達を運ぶのを手伝ってください」

「はぁ、わかりました…」

「さ、そこのお嬢さんも」

「……はい……」

この会話に入ることすら叶わなかったトテントンは背の長いメイドさんに言われるがまま、お姉さんと口喧嘩をしているロボの中へと入って行った。


中へ入ると、そこはロボットの中とは思えないほど生活感の満ちた場所だった。

カロリーのいい匂いのする煙が奥の部屋から上っており、幼女達の食欲をそそらせる。

「……全く、どいつもこいつも……」

それは部屋の奥から店内に響き渡った。

その声は先ほどお姉さんと口論していた人の声だった。

声は段々と近づき、ついにその主がトテントン達のいる部屋へと到着する。

「……え?」

その主人の姿を見て、トテントンは本日二回目の拍子抜けにあった。


「らっしゃい!」

そこには、野菜をガッツリ頭に乗せたラーメン漢が立っていた。

花嫁シリーズの中で一番好きなのは勿論メアリー・ジェニー。

最近欲しいデッキは未だにアナカラマルル。

上にこんな事を書いておきながら最近一番使っているデッキは焼き鳥。

どうも、言ってる事バラバラ系デュエリスト。娯楽です。

最近、ファンデッキをデッキメーカーで組むことにハマっております。

………そのせいで出費ばかり増えております。

…………しかも、高ぇ金だしても所詮はファンデッキ。大して強くもございません……。

トホホ……(ToT)


それでも続けてしまうのがデュエル・マスターズ。

いくら金が無駄に溶けようと、その楽しい中毒に堕ちてしまうのがデュエリスト。

周りからなんと言われようが関係なし。これこそがデュエマ道。

そう思いながら、これからもこの小説とデュエマを続けて行こうと思います。

皆様、これからも長いお付き合いをよろしくお願いいたします。


…………さ、カドショ行くか。

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