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戦闘の勝者達(デュエル・マスターズ)  作者: 娯楽
デュエマ、スタート
1/14

素敵な女性との出会い。

この世界には、亜人と人間が住む、二つの世界が存在していた。

その亜人はクリーチャーと呼ばれ、時に人間の世界に来たり、逆に人間が亜人の世界に行ったりしたり。

———これは、亜人達と共存しながら戦う、一人の女の物語。

………的な、かっこいい主人公ならどれだけ良かった事か。

ぷはぁー…….ドゥポイズうーんめ。


※これはトレーニングカードゲーム デュエル・マスターズ をファンタジー風に書いたニ次創作です。


——————運命が動いた瞬間を見たことがあるだろうか。

それはきっと目に見えないことで、見えていたとしても実感の湧かない、そんな、ゆっくりと変わっていくものなのだと思う。

でも、この瞬間だけは違った。この時だけ、運命が目に見えて、はっきりと変わった瞬間だった。

——————その日、私は初めてタバコの匂いと戦い(デュエマ)を知った。



キノコをくり抜いて作った扉を爽快に開き、ダイコンの階段を駆け降りる。

晴れた空。

吹き抜ける風。

燦々と明るい太陽。

この文明は、私のお気に入り。

「お父さん、お母さん、行ってきます!!」

ダイコン階段を駆け降りた後、私は大きなキノコの形をした家の横で畑仕事をしているお父さんとお母さんに手を振った。

「おーう。ボントボくん達と公園で遊ぶんだったか?」

「トテントン、夕飯までには帰るのよ」

「はーい」

そう言って私は自身の背中についている子供の、ちっちゃい羽をパタパタと広げて、公園に向けて飛び立った。


———フルール・ライフ公園。

今、トテントンが向かおうとしているこの公園は蜂の妖精、通称フェアリーライフ達がお世話をしている花々がとても綺麗な公園だ。

そんな公園の真ん中で、トンボやカブトムシ、バッタの亜人の子供達が、なにやら数人の塊になって集まっていた。

集まりの中、トンボとバッタの亜人少年二人が真剣な表情で向かい合っている。

「………いくぞ。」

バッタ少年が言うと、

「あぁ、どっからでもかかってこい……!」

トンボ少年も鋭い目つきで返した。

「呪文!フェアリー・ライフ!」

そう呟くや否や、バッタ少年の目の中には自然のエネルギーが満ちるような色が濃く滲み出た。

「なにぃ!?」

その様子を見たトンボ少年は驚き、一層に警戒心を高める。

「いくぜ、僕の切り札ぁ!マファリッヒ・タンク!!」

その名前を言った瞬間、バッタ少年の背中からひまわりの花が二本、歪にも美しく咲き立った。

「『マファリッヒのひまわり』が二本!?」

「あれがくるね。」

見学している他の亜人少年少女達もバッタ少年のプレイングに息を飲んだ。

その言葉に高めた警戒心を解かないように必死に負けじと殺気を送るトンボ少年。

しかし、そんなトンボ少年の殺気なんてお構いなしにバッタ少年は子供特有の、無邪気なまま動く。

「くらえ!!マファリッヒ・タンクの『T(トリプル)ブレイク』!!」

刹那、ひまわりの真ん中にある黒い管状花の集合体から三つ、ひまりの種が飛ばされた。

その種はまるで戦車から放たれた徹甲弾のようなスピードでトンボ少年目掛けて飛んでいく。

「——————!?」

飛んでくるひまわりの徹甲弾に、トンボ少年は何もできずに、全弾をその身に受けた。

「う、うわぁぁ!!!」

ドゴォオオン、と大きな騒音が公園を包み込み、それが原因で土埃が巻き上がる。

流石にこんな騒音と埃を撒き散らされると公園にいる妖精達も流石に激怒すると思いきや、

「やってるね〜」

「僕たちの若い頃はこんなに早くに数枚プレイクなんか、なかったけどなぁ」

「インフレだなぁ」

と、なぜか春先の気温のようにほのぼのしい空気だ。妖精達がそんな会話をしているうちに、段々と土埃も晴れ、トンボ少年の姿が現れた。

「ふ、なかなかやるじゃないか。僕のシールドもなくなっちゃったよ…」

「ふん。降参するなら今のうちだぜ。なぜなら、僕はまだアタックできるからだ!」

確かしかに、バッタ少年の両手にはスピヤーとドングリの盾が装備されている。

「くっそー、どうする。……あ!」

強気に出るバッタ少年を前に、トンボ少年は自分の中で何かに気づいた。

「ふ、甘いな。」

そう言って、トンボ少年はニヤリと笑う。

勝ちを確信しているバッタ少年からしたらこの反応は予想外だったようで、 …は? と抜けた声が溢れた。

S(シールド)トリガー発動!ナチュラル・トラップ!!」

トンボ少年が叫ぶ。すると、足元から無数の木のツルがバッタ少年を襲った。

「えぇーー!?」

そうして、バッタ少年の背中のひまわり、両手のスピヤーと盾まで、根こそぎ地面に埋め込んだ。

「え、あれ、?ぼくの、ルグンドドは?マファリッヒ・タンクは?」

「マナ送りだぁ!!」

「……はぁぁああ!??!?」

「それじゃあ、ボントボで……」

トンボ少年は嬉しさいっぱいに、どこからか弓矢を取り出しバッタ少年に向ける。

「え、ちょちょっと待って!一ターン待ってくれない!?」

戦意損失したバッタ少年の声も聞く耳持たず、トンボ少年は、

「……ダイレクトアタックーーーー!!」

「うぉあぁぁああぁ!!??」

と容赦なくトドメを刺した。


「いやー。負けた負けた」

悔しそうに、それでも楽しそうに、バッタ少年は話す。

「次は負けねー。な、ボントボ。もう一回、もう一回しよう!」

「えー、そう言って。また負けちゃうよ。ベジタくん。」

「いーや。次こそ負けねぇ」

悔しくても諦めずに立ち向かう。負けても楽しい。そんな子供ならではの平和な空間に、

「ね、君たち。」

一人の男性が、入ってきた。

「なに?おじさん」

クワガタの亜人少女が質問した。

男性はにっこりと優しく笑いかけて、

「今やってたのデュエマ、だよね?おじさんにも教えてくれないかな?」

「え…?おじさんデュエマできないの?」

「へー。なら、教えてあげようよ」

バッタ少年が皆に提案する。

「…でも、お父さんが知らない人にはついていくなって……」

「うちも…」

みんなのその回答にバッタ少年もお父さんに怒られる未来が脳裏によぎり、男性の顔を見上げる。

その顔は、救いを得られないのかと期待が薄れ絶望する顔だった。

その顔を見て、一人の少年の心はどこまでも傷ついた。

「……でも、教えてあげようよ。なんか、可哀想だよ」

その一声に、少し抵抗があった周りのみんなも、

「そ、そうだね」

「確かに」

と、乗り気になって男性の周りに集まった。

その現実に男性の表情は段々と明るさを取り戻す。

「ありがとう。おじさん嬉しいよ。それなら、向こうで教えてもらおうかな。」

そう言って男性は森の向こうを指差した。

そこは暗く、子供が入るにはかなり抵抗がある場所だった。

「……どうしても、そこじゃなきゃダメ?」

トンボ少年———ボントボが不安から聞いた。

「うん。おじさん、周りの人にデュエマできないなんて、恥ずかしくて見られたくないんだよ」

その言葉を聞いて、子供達の中にはさらに男性への同情の心が湧き上がった。

そんな言葉を聞いた子供達にこの可哀想な人を見捨てる選択肢なんて無かった。

「わかった。なら私たちで秘密におじさんをとっくん、しよう!」

「そうだね」

「みんな…ありがとう」

そう言って、可哀想なおじさんと優しい子供達は森の奥へと歩いて行った。


——————これは、トテントンが公園に来る二十分前の事。

同時間、子供達が森の奥へと姿を消すのと同時に、公園のベンチに横たわる気だるそうな女性がその方向に視線を向けていた。


——————二十分後。

トテントンが公園に着いた。

かなり楽しみにして急いで来てしまい、息が乱れ汗が滲む。

息を整え、深呼吸をし、改めてみんなを探す。

しかしどうゆう訳か、みんなの姿はどこにもない。それどころか、いつもの大きな弾幕も、いいプレイングをした時の歓声も、S(シールド)トリガーを引いた時の拍手の音も、何も聞こえなかった。

一瞬、集合場所を間違えたのかとも考えたが、いつも集まる場所をみんなが突然変えるわけがない。

「みんな、どこ行ったの…?」

孤独感。みんなに嫌われたんじゃないのかと思う損失感と絶望感が一気に襲いかかり、涙袋が膨れ上がる。

「………う、うぉえ………」

「………?」

暗い感情に押しつぶされそうになってたその時、公園の奥の方で何かが落ちる音がした。

何かと思い、音の方の方へ行ってみると

「うぅ……ぎもぢゎるぅ…ぃ……」

トテントンよりも三倍くらいの大きな黒い塊が、ベンチの前で蠢いていた。

「……え?……え!」

黒い塊。それをよく見ると、人間だった。

……初めて見た。

そんな感想を頭の中で浮かべていたら、

「ぁ……やばぃ……かも……」

その言葉の後、黒い人間は口から洪水のように七色の液体を垂れ流した。

「!?」

それはもう滝のように。

………この例えにすると滝に失礼なのだが、これを美化するのにこれしか思い浮かばなかった。

「う、うぉおおえぇえええ………」

「え、ぇ……」

トテントンがさっきまでの暗い気持ちも忘れてあたふたしていると、滝を作った人間が顔を上げた。

「うぇ……ぁ?」

その人の顔は、目の下がクマで真っ黒な上、顔色も青白い。しかし、どことなく凛としおり、顔と耳の大量のピアスと白髪の三つ編みが特徴的ななんともパンチの強い、女の人だった。

まさかの女性で驚いているのも束の間、その人は、ズレたメガネを震える指で直し、

「…………てんとうむしの、ロリ……?」

「………え?」

その言葉を最後に、その女性は自らの滝で作った七色の泉に意識と顔を落とした。


どーも。娯楽です。

好きなものはデュエマとカフェインです。

あと2年でアルコールとニコチンも好きになれるので個人的に楽しみなんですよね。

……まぁ、こんなどうでもいい話はよくて。


ン〃 ン”(咳払い

こんな長々しいお話に付き合っていただきありがとうございます。デュエマの二次創作を書くのは初めて、と言うかまともな小説を書くのはこれが初めてです。これからも定期的に更新すると思うので、その時はまた、読んでくださると嬉しいです。

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