0話
ずっと書きたかった話を始動します。
長いものになりますがお付き合い頂けると嬉しいです。
視点が替わる際はエピソードの隣か前書きに書いていこうと思います。
ーーー遠い遠い昔のこと…
世界の半分は昼でもう半分は暗闇だった
昼に生きる昼の子と、夜に生きる夜の子と
それぞれの種族が棲み分けて平和が保たれていた
昼の子は変化を望み
暮らしの発展を求め
日々研究に勤しんだ
夜の子は変化を望まず
悠久不変を求め
日々を穏やかに過ごした
ある時、昼の子の発明で
夜の世界が昼のように明るく照らされた
火でもガスでもない暖かな光は
その性質と真逆の攻撃性をもって
1片も残さんとばかりに闇を追いやり
夜の子らを追い詰めた
居場所を無くした夜の子は影に潜り
訳も分からず泣き暮らした
一部は昼の子を憎み
昼の世界へ飛び出して
昼の子らを次々殺して回った
昼の子と夜の子の殺し合い…
やがてそれは
大戦と呼べるものにまで発展した
夜の子は悪魔族の王子を旗頭に
昼の子らへ一斉攻撃を仕掛けた
昼の子は頭は良くて生産力も高いが
戦闘力の無い者が多く
あわや滅亡かというくらいには数を減らされた
流石に滅亡は哀れに思い
「私」が表に立って悪魔族の王子と戦った
7日7晩戦い通し、互いにボロボロになりつつも
「私」が1歩及ばず8日目の昼に膝をついた
「私」は王子と交渉した
世界を元の形に戻す事で
これ以上昼の子を殺す事は止めてくれるように
王子は言った
“昼と夜が半分だった世界に戻るのなら
こちらが手を引くのは構わないよ
また同じ事を引き起こさないように
昼の子を戒めてくれる役もお願いしたいね”
「私」は了承した
きっと昼の子は荒れるだろう
夜は暗く、恐ろしいから
恐ろしさを消したくて
光を発明したのだろうから
でもわかって欲しいとも思う
安寧と安らぎ、眠りを守るのもまた
夜の世界なのだという事を
「私」は身体を6つに分けた
1つは本体として南に置いた
もしもの時の為に特殊な方法で封じを掛けて
そして残りは中心へ向かわせ
昼の子と交わり家を興した
子供達が夜の子と末永く共存していく事を願って
「私」は昼の世界に生きながら
夜の世界を再生した
悪魔族の王子は何やら組織を作ったらしい
夜の子らを守る為だろう
高い戦闘能力はあるものの
長きを生きる彼らは争いよりも平和を尊ぶ
どうか、遠い未来
同じ過ちを繰り返しませんように
昼の子と夜の子が手を取り合って
互いの世界を尊重して生きていけますように
どうか、本当に困った時は
「私」の本体を起こしてほしい
どうか、昼も夜も、子供達よ、幸せになって
どうか…
どうか……
どうか………
→
お読み頂きありがとうございました。
良ければ評価などを頂けると幸いです。
今後もよろしくお願いします。