地下神殿
地下神殿をツアーで見学に来た。
大きな柱があって、ギリシャ神殿みたいと人気で、自由行動になったのであちこち散策し始めた。
わりと広い範囲見学出来て、壁画やレリーフなんてもものあった。
扉のようなものもあるし、ピアノのようなものも描かれていて、面白いとちかよってみた。
「立ち入り禁止区域は、ロープをはってありますので、それ以外でしたら自由散策可能です。
撮影もこの時間はどこでもされてかまいません」
ロープ貼ってないから、重厚な扉もあけて、隣の空間にもいってみよう!
扉をあけたら、雰囲気がかわって、パイプオルガンがある教会みたいな場所にでた。
パイプオルガンのところはロープとかにはつながっておらず、さわってもよいのかな?
ストリートピアノみたいな感じで弾いてもいいのだろうか?
ステンドグラスから明りがもれ、幻想的な感じから、「主よ人の望みよ喜びよ」を気づいたら演奏していた。
ピアノとか習っていたけど、そんなに上手に弾けるはずないのに、体が勝手に動いて奏でている自分に驚いた。
王族での神事を行うために神殿にいた殿下視点
干ばつによる神殿への雨乞い祈願の神事を行った。
お伽噺だと思うような伝統の儀式だと思っていたが、神殿の扉をみて、
そういえば、この前もこんな壁画の扉をあけて彼女はいたなと、ふと思い返していた。
扉の横の岩壁にほどこされたパイプオルガンも、彼女ならもしかして演奏できるのでは?
そんな馬鹿ことないかとも考えていた。
この前のブレスレッドを腕にはめ、なでながら扉を見つめたその時
岩の扉から光が差し込みはじめ、動かないはずの扉がこちらへ向かって開き始めた。
この前の彼女がこちらへ向かって歩いてくる。
微笑みを浮かべながら周りを見回しながら、パイプオルガンを見つけると、
引き寄せられたかのように、そのままパイプオルガンの椅子に座り演奏を始めた。
岩に彫刻されたパイプオルガンで蓋もあくはずも、まして音が出る機能もないはずのもを奏でている。
神話で聖女が扉をあけて、パイプオルガンを奏でて、癒しの旋律を奏でたとの記述の伝説はお伽話であるとばかり思っていた。
彼女が演奏を始めると、恵の雨が優しく降り注ぎ、草木は生き返り生い茂り始めた。
他の神殿のレリーフのパイプオルガンやピアノなども実体化し、聖女の幻影を奏者にして、おなじ音楽を同時に奏ではじめ、国中にその音楽が流れ、草木も人も癒された。
あっけにとられた人々の視線も気にせず、1曲弾き終わるとたちあがり、微笑みを浮かべて、またきた扉をあけて帰っていた。
あまりの出来事に、神事に参列していた他のものもしばらく動けなかった。
扉が閉まってから、臣下たちが喜んで、感涙しているものまでいる。
「殿下の神事は大成功でしたね。
聖女様を召喚して、癒しの音楽を奏でていただけるなんて僥倖です」