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第8話 棋士は楽しんでいる



 トレントを見付けた圭は剣とナイフを構えて、根が襲ってくるのを待つ。出ていない状態のままで襲ってもいいが、死角から反撃されると面倒なので根っこを斬り伏せてから攻めるつもりだ。


「…………」

「同じ本数なのだな」


 最初に戦っていたトレントと同じ本数の根が出てくる。本数は決まっているのかと思いつつ、剣とナイフで斬り伏せていく。


「今だ、『香車の激進』!!」

「…………!?」


 圭はトレントの懐に入り、ナックルを大木の中心を狙ってぶち込んだ。今回は斬撃ではなく、打撃で『香車の激進』を使ったから衝撃波が広がっていく。その衝撃波が当てた箇所だけではなく、他の箇所へも響いていた。




 パキッ




 大木の何処からかそんな音が響いたかと思えば、トレントは外見が無傷に見えても煙になって消え去った。


「出来た! これなら、簡単に倒せそうだ!」


 さっきの音はトレントの核が壊れた音だ。

 『香車の激進』は何処にあるかわからない核であっても衝撃波で体内まで響かせて破壊することも出来るようだ。


(生身の拳で殴ろうとは思わなかったが、これがあれば守ってくれるな)


 今まで試さなかったのは殴った瞬間に出る衝撃に耐えれるかわからなかったからだ。しかし、ナックル? 篭手? があれば自由に殴れる。


(あと1種類は見つけにくいからすぐ地下7階へ行くのもありだが…………)


 刃こぼれしている剣で地下7階へ行くのは危険だと思い、今日は地下6階でトレント狩りをして戻ろうと決めた。


(魔石が落ちるし、頑張るか)


 残りの魔物には出会えなかったが、時間になるまでにトレントを狩りまくったのだったーーーー






 ギルドへ戻り、大量にあるトレントの魔石を売ると驚かれたが強くなった身体能力と左手に着いている武器があれば無理矢理で倒せるのでは? と納得してもらえた。


「そうだ。これの鑑定はここでも出来るの?」

「『鑑定』では確認出来ませんが、その武器は鉄牙てつがさんがいる武器・防具屋で見てもらえますよ。鉄牙さんは『武器・防具鑑定』を持っていますから」


 『鑑定』で出来ることは素材などのアイテムの詳細と魔物の名前を確認することだけで、武器や防具の種類は別の鑑定、『武器・防具鑑定』が必要になる。


「そうか。終わったら向かうよ」

「良い物を見付けたようですね。宝箱で?」

「なんか、開けようとしたは牙が生えて魔物っぽいのを倒したら出た」

「え、それってミミックではないですか!? 本当に運が良いですね」


 受付嬢から詳しい話を聞くと、ミミックはランダムで出現し、偽物の宝箱、鉄屑の宝箱とか呼ばれているようだ。


「鉄屑の宝箱?」

「ミミックのドロップアイテムは半分がハズレでハズレだったら鉄屑と決まっており、当たりは夢野様のように武器や防具を落とします!」

「だから、運が良かったと」


 説明に納得した圭は魔石を売った代金、9,300円を受け取って武器・防具屋に向かった。


「すいませんー。鉄牙さんと言う方に会いたいのですが?」

「む、ワシか?」

「え、貴方が鉄牙さん?」

「そういえば、自己紹介したことなかったな」


 なんと、武器・防具屋のオヤジだと頭の中で呼んでいたが『武器・防具鑑定』を持っている鉄牙さんだと思わなかった。


「ワシは鉄牙と言うが、坊主の名は?」

「夢野圭と言います」

「そうか、覚えておこう。で、坊主は何の用だ?」


 名前を聞かれたが、坊主のまま。気にすることでもないかと思い、左手に着けたままのナックル? 篭手? を見せる。


「…………ほう、ダンジョン物か。名前は『鋼蜥蜴の篭手』と言う。ここにはいないが、他のダンジョンの地下13階にいるリザードマンの素材から作れる代物だ。特別な能力はないが、火に強いぞ」

「へぇ、篭手なんだ」

「ナックルの部分はあくまでもサブ機能で防具としての篭手が主体だ」


 鉄牙さんの説明から良い物だとわかり、ご機嫌になる圭であった。まだやってもらいたいことがあることを思い出し、剣を渡した。


「手入れをお願い出来ますか?」

「む? あー、刃こぼれか。坊主は剣の素人だから仕方がないが…………何か硬い物を斬ったみたいだな」


 鉄牙さんは見ただけで硬い魔物を斬った時に出来たと理解した。


「トレントを斬りました」

「トレントか。両断出来たとは言わないよな?」

「いえ、流石に無理でした。半分のとこで止まりました」

「半分でも充分凄いんだが……わかった。手入れしてやるから少し待て」


 鉄牙さんは剣を預かり、『修復』と唱えると刃こぼれしていた箇所が綺麗になった。


「終わったぞ。ん、さっきのか? 俺のスキル『武器・防具作成』にある1つのスキルだ。刃こぼれぐらいは直せるが、芯が死んでいたら直せないから気をつけろよ」


 やっぱりスキルだったようだ。


「トレントがいる場所まで行けているなら、武器の買い替えも近いな」

「聞きたいのですが、どの階層まで鉄の剣は通用しますか?」

「その人の腕によるが…………ここの地下11階にいる魔物にはこの剣は通らないだろうな。行く前に買い替えることをオススメするぞ」 

「成る程。ありがとうございました」  


 鑑定と手入れをして貰った代金を支払い、武器・防具屋を出て行く。

 ここでやることもなく、帰ろうと思った時に湊のことが気になった。


(帰ったら電話してみるか。もう熱が下がっていたらいいんだが)


 圭が既に地下6階まで行っていると伝えたら驚くなと思いつつ、帰り道へ進むのだったーーーー







続きは明日の7時に投稿します!

良かったら感想も書いていってねー。

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