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第5話 棋士はまた潜る

評価をありがとうございます!

では、続きをどうぞ〜。



 次の日になり、身体の調子は悪くなかったのでまた朝霞のダンジョンへ向かった。ダンジョンへ入る前に地下3、4、5階の地図と情報を手に入れてからだ。


「おや、連日でダンジョンへ潜るのですか?」


 普通なら潜ったら次の日は休みを入れる。


「身体の調子は良いからな。地下3、4、5階の地図と情報が欲しい」

「え、いきなり階層ボスに挑む予定なんですか!?」

「行ってみないとわからないが、余裕があったら挑む予定だ」 

「わかりました、無理だけはしないで下さい」


 地図を買い、情報も貰った。


「ーーーーが魔物の情報になります。あと、階層ボスに勝った先には転移陣があり、自由に戻れるようになりますが、ギルドカードの登録を忘れないでね! 登録すれば、行きで地下5階から始められますので」

「便利な物があるんだな。情報をありがとう」

「いえ、無事に戻って下さいね」


 情報も貰い、すぐダンジョンへ向かった。地下1、2階は魔物を見つけても無視して先へ進んだ。地下3階は新しい武器の馴らしで1回だけスモールドッグと戦ってみる。


「お、いたいた」

「グルルゥゥゥ!」


 1体だけのスモールドッグを見付け、剣とナイフを取り出す。スキルはダンジョンに入った時から発動し続けており、準備は万端だ。

 

(剣とナイフは長さが違うから距離に気を付けないとな)


 スモールドッグが先に動き、昨日の経験からどう動いてくるか読めていた。将棋のように相手がどう動くか先読みし、詰みを持っていけるか。昨日は初めての戦いだったのもあり、先読みをする余裕はなかったが、今は違う。


(スモールドッグは小回りが利くが、最初は噛み付いてくることが多い)


 だから、攻撃してくるまで動かずに耐える。ぎりぎりまで待ち、その時が来たら大きな回避をせずにナイフで首を斬って、怯んだら剣でトドメを刺す。


「グギィ!?」

「よし、悪くないな」


 ナイフを買ったのは間違いではなかったと笑みを浮かべる。1体だけに留まらず、地下4階への階段に向かう途中で出会った魔物を倒していく。







 地下4階に着いた圭はすぐ魔物を探し始めた。地下4階は地下3階より他の探索者が多いと感じ、戦いを見ることは出来たが…………


「空いている魔物がいないな」


 魔物は見掛けるが、既に他の探索者が戦ったりしていて、自分が戦えていないでいた。地下4階にいる魔物はスモールシープ、スモールブルの2種類。

 探索者が多い理由はこの2体が落とすアイテムが良い金額になるからだろう。

 スモールシープは綿が1つで100円、スモールブルは肉が1つで120円で売れる。だから、圭のような単独で動く探索者やお金稼ぎの為に来ている学生のパーティが多かった。


(はぁ、戦ってみたかったが探索者が多いんじゃ、無理そうだな。すぐ地下5階に行くか)


 ここで戦うの諦め、すぐ地下5階を目指した。






 地下5階はダンジョンボスがいるけど、降りたらすぐ戦える訳でもない。今までと同じように迷路をクリアして、階段の前にダンジョンボスと戦えるようになっている。

 だから、地下5階にも2種類の魔物がいる。地下4階と比べると人が減っているので、戦える相手は出会えるだろう。地下5階にいる魔物はスモールスネークとスモールウルフで、素材は良いが戦いづらい相手と聞いている。


(地図があるから午前中に地下5階まで来れたが、もし地図が無かったら大変だったんだろうな)


 先進者には感謝だ。前の人がマッピングをしてくれたお陰でこの地図がある。感謝しながら先へ進んでいくと、魔物と戦う探索者の姿が見えた。




(ん、高校生か? 女性が1人で…………うおっ!?)




 背が低く、高校生っぽいの女性がスモールウルフと戦っていた。彼女はポニーテールの髪型をしており、武器は太刀を握っていた。スモールウルフは群れで連携を取って襲ってくる魔物で、彼女の前には2体いた。

 スモールウルフが襲おうとした瞬間に彼女は既に1体のスモールウルフの横に移動して斬り伏せていた。圭にも見えない程の速さ、そして2体目のスモールウルフも彼女の持つ太刀によって両断されていた。


(すげぇ。おそらく長く戦い続けて強くなったんだろうな)

「後ろにいる貴方、何の用?」

「うおっ、気付いていたのか?」

「ダンジョンは気配を取れなかったら死に繋がるから。で?」


 後ろを振り向くこともなく、彼女は圭のことに気付いていた。


「ダンジョンボスがいる場所に向かっていたら、凄い動きをしている人がいたから気になって見ていた」

「そう」


 そう言って、こっちの顔を確認するように振り向いてすぐこの場から去った。女性はクールな表情をしていて、美少女だと圭は思った。


(俺があの動きが出来るのに何年掛かるんだろうな)


 彼女が何年潜っているか気になったが、それよりも魔物と戦いたい。スモールスネークやスモールウルフとの経験が欲しいからだ。




 将来、あの子とはまた出会うことになるとは思っていなかった圭であったーーーー







まだ続きます!

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