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第21話 棋士は夜ご飯を食べに行く



 圭は怪我をすることもなく、様々な魔物を倒していく。地下20階まで降り、階層ボスと対戦をしていた。


「地下20階まで降りていたら、魔法を使える魔物が現れるんだな」

「今回は貴方の天敵なんだけど、魔法で対抗する必要ないわね」


 階層ボスは『火魔法』を使うウィザードゴブリンとゴブリンが5体も現れており、ソロで『大樹魔法』を使う圭に取っては天敵と言えるのだが…………


(まず、ゴブリンを片付けてからウィザードゴブリンを倒せばいいか)


 ウィザードゴブリンによる『火球』で攻撃してくるが、『香車の激進』で掻き消しながらゴブリンを2体も斬り裂いていた。


「ナ、ナニガ!?」

「お、少しは話せるみたいだな」


 話せることに驚きつつも、残った3体のゴブリン達をあっさりと両断していく。


「バカナ! ッ、『火炎槍』!」

「『火球』より強そうだけど、斬撃には劣るな」


 『火炎槍』でさえ、魔法を両断してウィザードゴブリンが持つ杖を真っ二つに破壊してしまう。


(変異種のメタルゴーレムとは変わらない強さだったな)


 次の魔法を発動させることもなく、バラバラに斬って終わらせた。


「うん、この程度では相手にはならないわね。今日はもう遅いからここまでね」

「もう夜6時ぐらいになっているな。もう戻ろうか」

「パーティを組んだけど、私が手を貸す展開にはならなかったね。明日はどうするかしら?」


 玲奈と一緒に潜ってわかったことがある。玲奈の言う通りにソロとして完成されすぎており、1人でも戦える性能をしていた。強くはなっているが、玲奈と比べると身体能力に差が大きいので強くなる為には魔物を倒し続けるしかない。


「明日か……疲れてはいないけど玲奈は一緒に潜ってもつまらなかっただろう?」

「そう? 初めて見るスキルだったし、暇はしなかったわ」


 玲奈は戦いを圭に任せて見ているだけだったが、先輩として圭が知らなかった情報を時折に教えてくれたりして助かっていた。パーティの経験は積めないが、知識を増やすことは出来ているからーーーー


「まだ知らない部分もありそうだし、玲奈が良ければ明日も組めるか?」

「いいわよ。有望な後輩を育てるぐらいはするわ」


 玲奈はまだ未成年で圭より歳下だが、探索者としては先輩なので頭を下げてお願いをした。その対応に玲奈は笑みを浮かべて了承した。


「さぁ、戻ろうか」

「そうだ。スマホは持っているわよね? 連絡先を交換をしましょう」

「構わないよ。地上に戻ってからな」


 地下20階の転移陣から地上へ戻り、ギルドへ向かう。今までの階層で手に入れたドロップアイテムを買収に出すと驚かれたが何も言うこと無く買収を進めてくれた。


「驚くの無駄だと悟ったみたいね」

「え? Aランクと一緒だから納得したんじゃ?」

「いや、私だったら初心者のダンジョンだと地下40階ぐらいじゃないと得がないの。最近は低階層のドロップアイテムを持ってきていないから察しているのよ」


 玲奈の言う通りに依頼で来てから低階層のドロップアイテムは1度も持ってきていない。だから、受付嬢は今回持ってきた物が圭が倒して持ってきた物だと察している。


「そうなのか。いちいち驚かれるよりはマシかな?」

「そうね。夜ご飯はどうするの? 朝はコーヒーしか飲んでいなかったし、奢ってあげたいんだけど?」

「普通に何処かで食べる予定だが、御礼の件はコーヒー代だけで充分だよ。歳下の女の子に何度も奢られるのは体面に悪いから勘弁な」

「そう。わかったわ、普通に食べに行くだけなら一緒でもいいよね? 貴方のオススメはあるかしら?」


 どうやら、玲奈は圭と夜ご飯を食べに行くと決めているようで、オススメのお店を聞いてきた。


(オススメはいつも行く居酒屋だが、未成年を連れて行くのは駄目だよな…………)


 居酒屋が駄目ならガ◯トやサ◯ゼリヤみたいなファミリーで行くようなレストランしか思い付かない。しばらく考えていたら、朝の食事を思い出す。


「……玲奈、念の為に聞きたいが食事は量と質のどちらがーーーー」

「量!」

「やっぱりか。なら、あそこかな」


 推測はしていたが、玲奈は細い身体をしているけど質よりも量がある食事を選んだ。玲奈の応えを聞き、圭が選んだ場所はーーーー






「おぉっ! これは美味しそうなトンカツ!!」






 圭が連れていった店はご飯と味噌汁が無料でおかわりが出来て、おかずも多くて安いトンカツ屋だ。玲奈は稼いでいるから金額は気にしないかもしれないが、沢山食べるなら安い方がいいだろうと思い、ここを選んだ。


「おかずをおかわりしたいなら、注文すればいい。ご飯と味噌汁はセルフだからな」

「わかったわ。こんな店があったのは知らなかったわ」

「いつもどうしていたんだ?」

「普通にレストランとかで大量に注文していたわ。そのせいで稼ぎが結構減るよねぇ」

「そういえば、家で食べないのか? 母親に作って貰うとか……」

「今は一人暮らしをしていて、実家は遠いからほぼ外食よ」

「そうなのか? なら、自炊とか」

「無理。親も諦めるレベルよ?」


 玲奈はきっぱりと料理は出来ないと言い切った。


「ダンジョンで稼ぐ前は仕送りがあったから毎日外食でも問題はなかったわ」

「毎日……夜乃院なら余裕だろうな」

「あら、知っていた?」

「結構有名だからな。ダンジョンに関わる資材を扱っている企業を大量に持っているよな?」


 玲奈は夜乃院の令嬢であり、本来ならダンジョンに潜るような人物ではない。どうしてダンジョンに潜るのか理由を知りたいが、注文したトンカツが来て食べ始めたので話が途切れるのだった。

 しばらくは夜ご飯を食べていたのだが、圭の後ろから何かを落とした音が聞こえて振り向くとーーーー




「な、なんで…………」




 そこには顔を青くした宮木真矢の姿があったのだったーーーー







次は明日の7時に投稿します!

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