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第1話 棋士は1人で潜る



 湊が来られなくなり、仕方がなく1人で潜ることになった。


(ここは初心者でも潜りやすいダンジョンだったな。出てくる魔物は…………)


 埼玉県の朝霞辺りにあるダンジョンであり、初心者が潜りやすいダンジョンとなっている。その理由は地下1階がとても広く、出てくる魔物が必ず1体ずつなので戦いやすくなっている。出てくる魔物はスモールラビットとスモールラットで攻撃方法が突進か噛み付きだけなので当たりどころが悪くない限りは大怪我をすることはない。

 地下1階へ降りると、広場が現れていくつかの道が別れている。迷うことないようにと地図も格安で売られていたので地下1、2階の地図を買ってある。


(幾つかのパーティもいるな。地下1階は1人でも戦えるみたいだから、更に下の方に行くだろうな)


 パーティを組んでいる人達は殆どが高校生が多く、社会人っぽい人は単独でいるのが多く見られる。高校生は有名になる夢を持っていて潜っており、他に職を持つ社会人はお小遣いの為に潜っているイメージがある。


(1番右の道に向かうか。真ん中に進む人が多かったから地下へ進む階段があるんだろうな)


 そう思いながら歩いていくと早速魔物に出会った。


「キュッ?」

「スモールラビットだな。すまないが、倒させて貰うぞ」

「キュッ!!」


 圭が剣を抜くと敵意に反応したのか、スモールラビットが突進してきた。スピードは…………


(スピードは少し速いけど、動きがわかりやすい!)


 スモールラビットはジャンプしながら突っ込んでくるから着地場所を見ていれば突進してくる方向がわかりやすい。

 突進を避けた後、後ろを取れるのでそこを狙う。


「はっ!」

「キュキュ!?」

「流石に一撃で死なないか」


 剣で背中を斬られたが、スモールラビットは敵意を消すこともなくまた突進してくる。しかし、油断していなかった圭は余裕を持って避けた。そして、再び背中を剣で斬る。


「キュ!?」

「お、消えた」


 スモールラビットを倒すと煙が出て消えた。そこにはスモールラビットの素材が落ちていた。


(肉か。確か、肉と皮を落とすが、皮の方が少し良いんだったな?)


 スモールラビットは簡単に倒せて、素材も結構使われているからお小遣い稼ぎには丁度いい魔物だ。肉は1つで50円、皮は80円で買い取ってくれる。

 圭は1人でもやれるとわかり、次の魔物を探すために歩き回るのだったーーーー







 スモールラビットを数体倒した後、ようやく新しい魔物に出会った。


「スモールラットだな」


 そこにはスモールラビットより小さいスモールラットがいた。スモールラットはスモールラビットより小さいので武器を当てにくい理由もあり、集中しなければならない。攻撃方法はスモールラビットと変わらないので集中していれば問題はない。


「む?」

「チュッ!」


 避けて剣で狙ったが当たらなかった。圭の狙いが駄目だっただけでスモールラットが避けた訳でもない。圭は剣を持つのが初めてなので狙いを外すのは仕方がないことだ。


「狙いにくいなら…………こうすればいいんだったな」

「チュッ!?」


 普通のネズミよりも少しだけ大きい程度なので、横から蹴りを入れれば簡単に転がす事が出来る。転がった隙を狙い、剣を突き刺せば…………


「スモールラットは一撃で倒せるんだな?」


 蹴りを入れたのもあるか、スモールラビットと違って一撃で倒せたのだ。スモールラットのドロップアイテムは歯だった。


(スモールラットは歯、皮。金額は20円と30円だったな? スモールラビットの方が良いな)


 倒しやすいが、素材は安いからスモールラットは無視する探索者は多い。スモールラビットは自分で扱える肉を落とすからマシな方だろう。


(うーん、何体かスモールラビットを倒したら地下2階へ行ってみるか?)


 思ったより弱すぎてやりがいを感じないのでスモールラビットを何体か倒してから地下2階へ行くことに決めるのだった…………






 地下2階へ向かう道を歩いていくと、見慣れない魔物を見付けた。


(黄金色のスモールラット?)


 ここの地下1階はスモールラビット、スモールラットの2種類しか出ないと聞いているが、色違いのスモールラットが出るとは思わず驚いていた。


(確か、変異種と言う存在もいると聞いたこともあるな。普通のより強い魔物として稀に生まれるが…………) 


 強いと聞いたので逃げた方が良いと思うが、変異種になったとしても元がスモールラットとなれば、自分でもやれるのでは? とそう思ってしまう。


(…………やってみるか?)


 周りには誰もいない。助けは求められないと覚悟を決めて剣を抜く。


「チュ? チュ!」

「普通のよりは少し速いが……!」


 スモールラットより早かったが蹴りを当てるのは問題なかった。横腹を蹴り、転がしたら圭の好きなのように料理が出来る。


「おらおら!!」

「チュッ、チュッ!?」


 一撃で死ぬこともなく、続けて剣を刺していくと…………5発目で死んで煙になっていった。


(変異種であったことで5発は必要だったか。早めに倒せて良かった。油断でもして、知らない攻撃方法を持っていたら危なかったかもな)


 煙が消え、そこに残っていたのはーーーースキルのクリスタルだった。


「え? えぇっ!? スキルのクリスタル!?」


 変異種のスモールラットを倒した圭はダンジョンに入った初日にスキルのクリスタルを手に入れたのだったーーーー







まだ続きます!

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