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第18話 棋士は助けに入る



 次の日になり、いつものようにギルドで地図を貰おうとしていた時だった。ギルドへ入ったら隅で1人の女の子に3人の男性が囲んでいるのが見えた。男性の声が大きいからか、話の内容がわかった。


「だから、一緒に潜ろうと言っている訳よ。俺達はDランクのパーティ、『鉄腕の集団』が君を守りながら奥へ進めるさ!」

「…………はぁっ」


 男性の目的はナンパっぽく、女性の方はうっとおしく溜め息を吐いていた。


(……ん? あの子は……)


 何処かで見たことがあるような気がし、近付くと気付いた。


(確か、地下5階で見掛けた強い女の子じゃないか!)


 地下5階で戦っている姿を見かけている。太刀を持っていないが、背が低くてポニーテールだったからわかった。


「お断りします。1人で充分ですから」

「いやいや、1人じゃ危ないよ! 俺達は強いからなーー」


 圭は女性の目を見て、ヤバいと気付いた。目に殺気が浴び始めていたからだ。男性達はそれに気付かずに話し続けている。


(まさか、男の方を助けることになるとはな)


 圭はこのままでは危ないことが起きそうだと判断して、男性達へ声を掛けることに。


「止めとけ。彼女は断っているだろ?」

「はぁ? お前は誰だよ?」

「…………あっ」


 彼女も圭のことに気付いたようだ。


「俺のことはいい。彼女が嫌がっているなら黙って下がりなよ」

「嫌がっていないが? お前が黙れよ!」

(馬鹿か? 彼女の目を見てないのかよ? このままだったら斬られてもおかしくなかったぞ)


 どうやら、眼の前にいる男は彼女の殺気に気付いてないようだ。どうすればわかってくれるか考えていたら…………


「さっさと消えろよ!」


 胸を押し出そうと右手を張り手してくるが、圭は無意識に掴んで力を入れてしまう。


「いっ、ウギャァァァ!?」

「え?」

「お前!?」

「離しやがれ!!」


 力を入れただけで痛み出して座り込んでしまう。両隣にいた2人が殴ってくるが、圭は座り込んだ男の手を離し、両手で受け止めながら後ろへ回転させて投げた。合気道で使われる受け流しだったが、圭は見たことはあってもやったことが無かったから出来るかわからなかったが、相手の勢いと力尽くでバランスを崩してみたら出来た。


「「ぐえっ!?」」

「お前ら!?」


 2人は背中を打ち、痛みに耐えるが怒りですぐ立ち上がろうとする。握られた男も圭が只者ではないと理解し、両手にナックルを装備し始めた。


(はぁ、事を大きくしたくなかったんだが…………)


 男性達は去らずに敵意を持っている。ギルドに怒られる覚悟で相手をする必要があるかなと思っていたら…………


「もういいわ。騒ぎになるから黙っていたけど、馬鹿にはこうした方が速いわ」


 彼女が前に出て、1枚のギルドカードを取り出した。その金色に光ったギルドカードを見た男性達は顔を青くしていた。




「「「そ、その色は!!」」」




「ようやく理解したわね。私はAランクの『夜叉姫』よ」


 驚いた。強いと思っていたが、まさかAランクだとは知らなかった。何故、Aランクがと思った先に思い出す。


(『夜叉姫』! 確か、ギルドから依頼されていたな)


 ギルド長が言っていたのが彼女だと。男性の3人は震えながら指を指す。


「お、お前があの『夜叉姫』!? ロックブロスドラゴンを単独で倒したの!!」

「あるギルドではBランクのパーティをボコボコにした『夜叉姫』!?」

「Aランクの『氷麗の貴人』から告白され、断った。そして、様々な女性から嫌われている『夜叉姫』!?」

「…………言いたいことはそれだけ? 雑魚は消えなさい」


 『夜叉姫』が起こした事を大声でギルド内に知られて、怒りで青筋を浮かべてさっきよりもプレッシャーが高まった。その怒りを理解したのか、3人は「ひぃっ」と情けなく言いながらここから去ったのだった。


「…………あー、終わったなら行かせて貰うよ」

「待ちなさい。御礼がまだだから行かせないわ」

「えっと、御礼はなしでいいので…………離してくれますか?」


 関わると面倒そうだったから、去ろうとしたが…………さっきと違い笑顔で服の袖を掴んで逃してくれない。


「遠慮しなくてもいいわ。……貴方、地下5階で会ったよね。あの時より結構強くなったわね?」

「あー、ありがとう?」

「ふふふっ、気になったから話をしたいわ。私は夜乃院玲奈よるのいんれなと言うわ。私のことは玲奈でいいわ。貴方は?」

「……夢野圭。圭でいいよ」


 逃げられないとわかり、諦めて自己紹介に応じた。そういえば、騒ぎを起こしたのにギルド員が現れないなと周りを見ると…………


「あら、知らないの? ギルド内で喧嘩が起きても周りへ被害が無い限りは自己責任よ。長くギルドにいればわかることよ?」


 圭が思ったことを読み取って教えてくれた。


「そうだったのか。まだ探索者になって1週間だからな」

「……え、1週間? 嘘じゃないわよね?」


 パチリと目を瞬きして驚く姿にドキッとした。しかし、この後に面倒臭いことになりそうだったので、心の中で溜息を吐くのだったーーーー









 

次は明日の7時に投稿します!

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