表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/24

第16話 棋士はパートナーに出会う



 少し休み、地下10階にいる階層ボスへ挑んだのだが…………




「…………この切れ味、地下10階で出ていい武器じゃないだろ」




 地下10階の階層ボスは黒色の大きなカブトムシ、キングカブトと呼ばれている。子分であるスモールカブトを呼び出して硬い甲冑と立派な角を武器に暴れる魔物なのだが………………子分のスモールカブトは一撃で両断されていて、ボスであるキングカブトはーーーー


「ギィィィ…………」

「放っていたら可哀想だな。待たせてすまない」


 角は綺麗な断面で斬り落とされ、脚と羽もズバッと斬れたので動けないでいた。


「まさか、硬そうな甲冑があっさりと斬れるとはな」


 まさにバターを斬るように簡単だった。正面から朱色の模様を浮かべる方の刀でキングカブトを両断した。


(朱いからか炎属性とか付いているのかな? 燃えていないし熱くもないけど)


 余りにも簡単に斬れすぎているから弱点の属性だからと思っていたが、蒼色の方も簡単に斬れていたから違うかもしれない。

 とにかく、ギルドに戻ったら鉄牙さんに聞こうと思ったのだった。






 ドロップアイテムは黒色の角とビッグボアより少し大きめの魔石だった。拾い終わったら後は地下11階へ行かずに転移陣の登録を終わらせて地上へ戻った。

 真っ直ぐにギルドへ入り、武器・防具屋へ向かった。




「鉄牙さん、いますかー?」

「ん? 待っておれ」


 いつもの場所におらず、様々な剣が置いてある場所で初心者らしい少年と話している姿があった。


「坊主は剣より槍が合っていると思う。振り回しやすいだろ?」

「はい……確かに! これにします!」

「槍の使い方に心配があるなら、地下にある武器指導場があるから、教官に聞いてみるといい」

「わかりました! ありがとうございます!」


 少年は槍を購入することに決め、笑顔でお金を払っていた。客の対応が終わり、こっちへ向かってきた。


「おう、待たせたな。何か用が…………それは!?」


 鉄牙さんがこっちに向かっている途中に腰に掛けていた双刀に気付いて驚愕していた。


「あ、やっぱり良い武器ですよね」

「あ、当たり前だ! そんなものを何処で!?」

「実は…………」


 魔物通路に踏み込んでしまい、大量の魔物を倒した先にあった宝箱に入っていたことを話すと……………


「魔物通路だと!? 良く生き残れたな……というか、怪我をしてねぇな」

「あははは、戦ったことがある魔物しか出なかったから大分余裕でしたよ」

「いやいや、10体の魔物に囲まれて余裕とは言わねえよ!?」

「そうかな?」


 誰でも倒し方がわかっていれば、なんとかなるんじゃないかと考えていたが、話が逸れていることに気付いた。


「それよりも、この双刀がなんなのか教えてくれませんか?」

「おいおい、さらっと流していいことじゃないが…………はぁ、その双刀だな。抜いていいか?」

「はい」


 鞘から抜き、観察を始めると感心の溜め息を吐いた。


「素晴らしい双刀だな。間違いない、鉱石は赫血鉱石と碧血鉱石から出来ている」

「赫血鉱石と碧血鉱石? 血って……」

「あぁ、とても珍しい鉱石だ。何せ、高位クラスの魔物が血を流し、稀に染み込んだ鉱石が変わると言われている。高位クラスの魔物と言えば、ドラゴンとかだな」

「え、染み込んだ鉱石って、元はどんな鉱石なんですか?」

「それはわかっていない。ミスリル鉱、オリハルコン鉱だったりと推測はあるが、人口に様々な鉱石を高位クラスの魔物の血を染み込ませてみたが、何故か駄目だった。最初からその推測が間違っていたかもしれない」


 赫血鉱石、赫血鉱石が欲しいSランクの探索者が様々な鉱石を持ち、高位クラスの魔物を倒して血を手に入れて染み込ませてみたことがある。だが、結果はどの鉱石も成らなかった。


「つまり、自然に出来た物しかないと?」

「あぁ、それか宝箱から出てくるに期待するしかない」

「そんなに希少なんだ!?」

「そうだ! ある意味、オリハルコンよりも珍しい!」


(地下10階で出ていい物じゃなかったーー!!)


「全く、どんな運をしているんだか。こいつの名は『赫燐刀かくりんとう』、『碧峰刀へきほうとう』と出ている。特殊能力だが、完全に目覚めていないからまだ見れていない。これからも魔物を倒し続けることだ」

「『赫燐刀』と『碧峰刀』……」

「そうだ。目覚めたら、スキルを手に入れた時のように教えてくれる」


 武器や防具の特殊能力はスキルと似た力だと解明されており、人より宿りにくいが特殊能力が付いたら武器は魔剣、魔槍、魔弓など、防具は魔装備と呼ばれる。


「こいつは魔双刀でいいだろう」

「魔双刀」

「実力から坊主にはまだ早いと言いたいが、既に坊主の名が込められていて主と認められている」


 『武器・防具鑑定』に双刀の名だけではなく、圭の名もステータスに出ていた。


「他の奴らが使ってもナマクラとなってしまうから、もうお前しか使い手がいない訳だ。もし、こいつを無視して他の武器を使ったら見放されてしまう可能性がある」


 まさか、主として認められているとは思わず、声を無くしてしまう。まだ階層ボスと戦った時しか使っていないのに?


「武器に認められたから出会った考えもあるわな」

「認められたから宝箱から出てきたと?」

「そうだな」


 まさに運命と言っても良い出会いだった。


「そうか。ありがとうございます。『赫燐刀』、『碧峰刀』、これから宜しくな」


 圭の挨拶に刃の光で応えてくれたような気がした。


「良いパートナーになれるように頑張れよ! 良い武器を見せてくれたお礼に鑑定の金額はいらん!」

「えっ! いいのですか?」

「構わんよ! 魔双刀の手入れは任せろ! 魔の付く武器は普通の奴らには手入れが出来ねぇからな!」

「あ、そうなんですか。出来るだけでここに来て任せます!」

「うははは! 任せとけ!」


 鑑定も終わり、良きパートナーが出来た圭は心が高揚していた。




(…………よし、すぐ地下11階へ行くか!)




 今は昼3時を過ぎた所だ。このまま帰っても高揚した心が落ち着かないのでもう1回潜ることに決めたーーーー







次は明日の7時に投稿します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ