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"しあわせ”をください  作者: ゆう
8/8

あとがき、

「“しあわせ”をください」を手に取り、また読んでいただきありがとうございます。

この小説を書き始めたころの私は精神的に大きな傷がありました。誰か私よりみじめな人が居れば少しぐらい楽になるのではないのか、と書き始めたのがきっかけです。

書くうちに何度も少女たちの視点変更の仕方、性格、容姿など何度も考え直して約半年間かけてこの作品は完成いたしました。

中学生の初めての作品でありますので、まだまだ至らない点が沢山あります。それは今度新しい小説を書くときの参考にしようかなと思っていますので、よければ感想を教えていただけると幸いです。

二人、生死が判明していない子たちが居ると思います。個人的に來はなくなり、奏はその警察官と名乗る者の家で監禁のようなものにあっているのではと考えております。ただ、読者様独自の考え方をしていただきたいため、彼女ら二人の生死は不明にさせていただきました。

タイトル回収は最期の優愛の一文のみのように見えますが、ちょくちょく「私も〇〇のような子だったら、、」的な文章が介入されているのですが、それはifの世界線であって少女たちの妄想にすぎなく、また、もしそうであれば“しあわせ”はあったのかもしれないという後悔とともに語らせていただきました。

ここからは登場人物ごとに解説をさせていただきます。

優愛は一人で抱え込みやすい性格、たった一つ彼女が本音をさらけ出せるのは日記でした。毎日欠かさず付けているのに、來と奏が居なくなってしまった日に優愛が日記をつけた描写はありません。それだけ彼女は二人が居なくなってしまった恐怖に包まれていました。

最期に優愛が自身の身を沈めた海は波留を流した海と同じです。同じところで彼女は身を沈めました。

私の中で優愛が自身を沈めたのは彼女なりの償いだと考えています。彼女一人なら、警察に助けを求めることもできる。なのにそれをしなかった。たった1週間で少女たちの間には家族同然、またはそれ以上の絆があったのです。

スマホを沈めた理由は単純です。“いらない”から。優愛は全てを捨てました。優愛自身も、家族も、そして仲間も。

奏を行かせたがらなかった理由は“もう一人になりたくないから。”優愛は孤独を恐れている少女だったのです。だから皆に優しくし、警察にも速やかに対応できた。これ以上なにかを失いたくなかったんです。


続いて奏。奏は一番読者様に理解されにくい少女だと思います。彼女の家で母親からの過度なプレッシャーに耐えられなくなってしまったのが原因です。また、彼女は片親という設定で書いています。奏が出ていく前、“小さいころは楽しかった”こう言っていたように彼女は言葉を深く受け入れる前までは母親に褒めてもらえるから、純粋にピアノが好きだから。等の理由で彼女は好きだったピアノ。ですが、小学校高学年になった時にその言葉の本性を知ってしまった、その上母親に意見を言えるのは自分だけ。母を止める人もいなければピアノ以外で誰かが褒めてくれることもなかった。そんなときに出会ったのが優愛であって、波留の死が近い時に自ら「私が買ってくる」そう言って優愛の返事も聞かずに走っていったシーンは彼女が自分の意見を無理矢理貫き通せるようになるまで成長したことを短い描写ですが表現させていただきました。


そして來。彼女は登場人物の中で唯一の施設育ちです。何故そもそも施設にいるのかなどは明記していませんが、彼女は両親の記憶がないところも踏まえた上で読んでみてほしいなと思います。來という名前が男の子っぽいからいじめに発展する、女の子らしくないからいじめに発展するというのは子供たちの間では比較的多いのかなと考えて今回いじめが理由にしました。“何度も逃げ出してやった”施設長は一人で何十人という子供も見ているので彼女が小さな子供を見ている間は隙だらけなので逃げ出すチャンスはたくさんあったということを表しています。彼女の「また誰かを失う気がした」というような文章は孤児院から引き取られた信用していた友達という名の家族をなくしてしまうような感覚に波留を照らし合わせたことがこの言葉でした。


最期に波留。割とキーパーソンな気が個人的にはしています。波留が長くないときに初めて奏は自分の意見を貫き通し、來は波留が亡くなったせいで自分勝手に行動してバッドエンド。優愛は少しずつ精神が削れていきました。物語の中で唯一“家出”ではなく”捨て子“の波留ですが、私は彼女の母親も同じように虐待か家庭内暴力を見てきたのかなと考えながらあのシーンを書いていました。また、波留は人より敏感で優愛や奏の表情、また彼女たちの気配もすぐに察知しました。彼女は親に怒られないように育ったからこそ人の表情や、どうにかして逃げようと気配を察知できるようになったのか、それともHSC(感性キッズ)だったのか、その点については読者のあなたの個人的見解で見ていただけると嬉しいです。波留の「もう生きたくない」にはたくさんの気持ちが詰まっていて、お姉ちゃん(優愛達)に迷惑をかけたくない、見つかって元の場所に帰りたくない、それ以上のネガティブな感情があの一言に詰められています。


最後まで読んでいただき本当にありがとうございました。

またどこかで。


あとがき、及び物語の核となった少女たちの解説が長くなってしまったため、一つのチャプターを使って説明させていただきました。

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