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"しあわせ”をください  作者: ゆう
3/8

危機

「來、波留アレルギーは?」買ってきているものは塩おにぎりのみだけど一応聞いておこう。今後きっと役に立つ。

「ないよ!」

「私も!」二人ともアレルギーは無し。これだけでだいぶ選ぶのが楽になる。

「いただきます。」四人で食べ始める。全員で逃げるのならば私がバイトをできるようになる2022年の4月までは四人で野宿がせいぜいいいとこかな。あと8カ月、みんなで生きられるのかな。波留は既に大分弱っているし、奏は人を疑うことを知らない。來は一人で何処かに行ってしまいそうで危なっかしい。それに私は三人を守り抜ける自信がない。自分を守ることで精一杯になってしまう。


2021年六月十五日

ライ、カナデ、ハル、そして私。今日から四人で野宿生活。まだ小さいハルとライには申し訳ないけど私がバイトして、私を含めた四人が安定して暮らせるまで雨風を凌げる場所を探しながら旅をする。タオルも二枚持ってるし、ライとカナデは最低限の物は持って出てきてると思う。故意の家出だと思うから。私はハルを他の二人より厳重に見ないといけない。

お休み。私。明日から始まるホームレス生活、そして私たち四人の未来に光ありますように


ノートを鞄に入れ、來と波留にブランケットをかけた後、奏が話しかけてくれた。

「優愛、これ使う?」波留ちゃんと來ちゃんに彼女が持ってきたブランケットをかけた優愛を見て優愛は優愛自身をあまり大切にしていないことが分かったし、私のを使うか聞いても「私暑がりだから」と使おうとしない。暑がりという割には真夏の今でも薄手の長そでを羽織っている暑がりなんて嘘だ。我慢しすぎなんだよ。優愛は優しすぎるよ。

「優愛、二人でかけよ?」もう一度だけ聞く。これで無理ならもう一枚出す。

「大丈夫。それは奏のでしょ?奏が使いな。私今日は寝ないから、心配しないで。」寝ない?どういうこと?見張りをするの?

「じゃあ、順番で起きよ。優愛も寝ないと明日移動できないよ。」

「わかった。お休み。奏。また起こすね。」

「うん。お休み。」夜の10時、私は眠りについた。

「優愛、頼むから自分を一番に考えて。」妹になる者からの願いをどうか受け止めてください。

朝起きたらかけた覚えのないブランケットがかかってた。お姉ちゃんがかけてくれたのかな。あれ、奏ちゃんとお姉ちゃんは?

「來ちゃん。起きて、お姉ちゃん達が居ないよ?」とりあえず横に寝てた來ちゃんに起きてもらった。

「え?優愛姉と奏ちゃんいないの?」寝起きはいいほうなのかな、私もこのぐらいすぐ起

きれたらままはおこらなかったのかな。

「うん、いない。どこかに行っちゃった。」

「私たち見捨てられた?」怖くなってると遠くからお姉ちゃんと奏ちゃんの気配がした。だんだん近づいてきてる。

「お姉ちゃん!奏ちゃん!」

「ちょ、波留⁈誰もいないよ?」そっか、この気配は私にしかわからないんだ。

「遠くでお姉ちゃん達の気配がするよ」

「気配?」

「うん。お姉ちゃん達戻ってきたよ!」その言葉とほぼ同時にお姉ちゃん達は公園に入ってきた。なのにどこか様子がおかしい。今までなかった男の人の気配がする。

男の人?優愛姉は?違う、あれはケイサツ。

「波留、ここで待ってて。」波留に一言告げて私は優愛姉の元に走った。

「來⁈何しに来たの?」あまりにも取り乱す優愛姉を見る限りあまりいい状況とは言えないのかな。少し待っていてくださいと警察から距離をとると一番聞きたくない言葉が優愛姉の口から出てきた。

「來、今すぐに奏と波留と逃げなさい。奏にはどこに行けばいいのか伝えてある。私も必ずそこに行くから。分かった?」真剣な表情で私たち3人を逃がそうとするその姿はまさに姉そのものだった。

「うん。」

「あ、あと。私の荷物は置いて行って。波留には何も伝えないで。できる?」

「やる。」できる、できないじゃない。やる、やらないの世界なんだ。

「それでこそ私の妹だね!」優愛姉は私の頭を撫でた後一人で警察のところへ戻っていった。

やばい。どうしようか。來には落ち着いておるように見せたけど本当はいま冷や汗が止まらない。動機も早くなっているのがわかる。

「昨晩、こちらで四人の少女、中学生一人と小学生三人が身を寄せ合って寝ているという通報が入りました。パトロールに来たところ公園に入るあなた達を見つけたので声をかけさせていただいたのですがなにか心当たりはありませんか?」こんなことだろうと思ったよ。結局、あの後私も奏も眠くなって貴重品だけ身に着けて身を寄せ合って寝てしまった。

「いいえ、まったくございません。」

「では、なぜ先ほど女の子が走ってきたのですか?」流石警察。感が鋭い。

「あの子は私の近所の子です。」嘘には慣れてるから。それでも、一歩間違えればみんなまた元の環境に戻されてしまう。

「それに、私は中学生ではありません。高校生です。」嘘はよくない。でも、これは正当防衛だよね?

「高校生にしては小学生のように幼いですよね?学生証は?」学生証?そんなの持っているわけがない。身分証明書も持ってない。

「少し散歩しているだけなので持ち合わせていません。私すごく幼く見えるんですよ。身長も小さいので」少し、自嘲気味に笑う。

元の場所へ戻りたくない。

そう思うと心臓はドクン、ドクンと収まることを知らずになり続ける。まるで両親の喧嘩を盗み聞きしていたあの頃のような不安感が押し寄せてくる。

「そうですか。疑ってしまいすみません。失礼します。」なんとか騙せた。こんな時にお母さんに伝えられたことが役に立つとか凄く皮肉だけど少しだけ感謝しようかな。なんて思った初めての朝。


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