序章 承 目覚めた光、その名もレベリオ
「じゃあ、お母さん先生の話聞いて来るから、あそこで待っててね?」
と母の指差す方へ目をやると、数人の子供達が能力を使いながら遊んでいた。
どうやら児童預かり場らしく、大人の女性の姿も見える。
僕はわかった、と声をかけてそこへ歩いていく。
その姿を見送りながら母は担当医に呼ばれ部屋に入っていった。
僕が預かり場に着くと、カンガルーみたいにお腹に袋がある女性が話しかけてきた。
「僕、お母さんかお父さんはどうしたの?」
どうやら迷子と思われたらしい。
僕は母に言われたことをそのまま話た。
すると、
「そっか、じゃあこっちで一緒にいようか!」
と笑顔で返してくれた。
他の子達と混ざり、時間を過ごしていると不意に外から刺す光が強くなり、次の瞬間轟音と衝撃が病院を襲った。
どごおおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおん
割と近くに落ちたそれはかなりの重量だったらしく、広範囲に被害をもたらした。
土煙が舞い上がり、地面の中に埋められている電線も切れてしまったのか電気も付かない。
窓ガラスも全て割れてしまい、所々に散らばっていて下手に動いて転んだりすると余計に怪我をしてしまいそうなので伏せたままの状態で動かずにいると預かり場の女性が子供達をお腹の袋に入れて抱えていた。
「君も早くこっちにきて!」と強引に袋に詰められて、他の人達の集まっている所に連れていってもらった。
土煙が晴れて、落ちてきたものの姿が確認できる様になった。
鰐の皮の様な質感の肌にサメみたいな顔を持っていて二足歩行で鋭い爪と牙、重そうな尻尾もあるまるで色んな超常者の特徴を掛け合わせた様な姿をした巨大な化け物がそこには存在していた。