78楽しい宴……ルークの衝撃発言!
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晃の乾杯の音頭から宴が始まった。
ビールをがぶ飲みするルーク、アリシア、エリザベス。
エリザベスが驚愕の表情を浮かべながら
「なにこれ、こんなに美味しいエール初めて……」このSAKURA cafeのVIPルームでは、中世のエールを模した物でなく本物の現代ビールが振舞われた様子である、しかも木の器でなくガラスのジョッキも初めての様だ。
そして店員がハンバーグやステーキやパスタをテーブルに所狭しと並べてくれた。
沙羅の考案したワニ、大ナマズ、ホキの怪魚三種盛りも並べられていた。ワニは意外にあっさりとしているし、大ナマズやホキは白身魚フライの材料になるだけあって見た目とは違ってあっさりとした味で好評なメニューとなっている。
「頂きまーす!」
「美味いのじゃこのハンバーグ!」
「口の中でとろける」エリザベスがかなり興奮している。
「コタローもお食べ!」晃がカットされたハンバーグの皿を床に置いてあげる。
「ワン!」うれしそうにがっつくコタロー、尻尾が超高速で振られる。
「この怪魚3種盛りもなかなか美味しいぞ」
「ルークさんありがとう」沙羅がうれしそうに答えながら満足気だ。
「さあカラオケ入れるよ」
「カラオケってアニメのシーンでたまに使われる音楽と歌詞が流れるやつ?」
「エリザベスさん、そうですわアニソンなら歌えますわよね?」
「歌いたい……でも緊張する……」
「みんなで合唱するタイプの歌で慣らせば大丈夫でござるよ」
そして晃が選曲したのは高校生アイドルアニメのOPで声優さん達が代わる代わる歌うタイプの曲である。
「この歌好き、ナイス選曲だわ晃君!」
「私も好きじゃ!」
「歌うでござるよ」
ポップなビートの曲が始まると舞台に沙羅、アリシア、桜、葵が上がり歌い始めた、そしてエリザベスに向けて手招きをする、最初は恥ずかしそうにステージに上がったエリザベスだが歌い始めると吹っ切れた様子である。
すると沙羅が振り付けも交えながら歌い始めると、負けじとアリシアやエリザベスも振り付けをする。それを見たコタローが尻尾を振りながらみんなの周りを周り始めた。
「晃、俺達も加わるぞ!」部屋の隅に置いてあったタンバリンをめざとく見つけたルークがそれを片手に舞台に上って行く。
「遅れはとらん!」晃もマラカスを掴み、みんなに加わった。
さらに2曲みんなで大合唱してからソロで歌い始める晃達。
すっかりカラオケに慣れたエリザベスがお気に入りのアニソンを歌う。西洋人の彼女が日本のアニソンを歌う様はさながら海外のアニメフェスティバルの会場のようだ。
ルークが人気アニメのエンディングのバラードを歌い始めた、さすが音楽好きで有名なエルフである。かなり上手い、思わず聞き惚れる晃達であった。
その後、衝撃的発言が曲が終わったのにマイクを握ったままのルークから飛び出した。
「みんな聞いてくれ! 俺やアリシアやエリザベスやコタローはゲーム世界の中に創造された人工知能(AI)のNPCなんだろ?」
あまりにも衝撃的な発言に晃、沙羅、葵、桜は固まる。アリシアとエリザベスの顔を見ると二人とも頷いている。
「ルークさん? 何を訳の分からん事を……」声が上擦る晃。
そんな晃を手で静止させるルーク、
「俺達は馬鹿ではない、晃達が見せてくれたアニメから学んだんだ、この世界の矛盾した理に……そして理解し、納得したんだ俺達はゲーム内の住民である事を、しかもこのゲームが人気のある内はいいが、人々に飽きられて売上げが落ちると終了してしまう事も……」
ルークに誤魔化しが通用しない事を理解した晃は、ちゃんとその事と向き合った上で、前から考えていた事を話すためにルークを静止させた。
「分かりました。それは事実である事を認めた上で僕の考えを話します……」
晃の考えとは如何に……。