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38 別れの時……凱旋

毎週日曜日更新で頑張りますのでよろしくお願いします。


 ハーフエルフであるルーク、アリシアの母親である7尾白狐はダンジョンマスターとして、迷宮ダンジョンを離れることが出来ない宿命を負っていた。


 そこで龍ヶ崎葵のアイデアにより、なんとボス部屋でバーベキューパーティーが行われる事となったのであります。


 白狐だけでなく、ラスボスのアスタロトまで加わり、パーティーは盛り上がりの真っ最中である。


 晃が恐る恐るアスタロトのビールジョッキにビールを注ぎながら、

「ささ! アスタロトさんどうぞ! ちなみに魔王様ってどちらにお住まいなのですか?」


 アスタロトが美味しそうにビールを飲みながら、

「プハー美味い! そうか! お前達アース大陸の連中は最近のここ数年現れ始めたから、あまり詳しくないのだな……我々悪魔族はこの大陸とは別の大陸を本拠地としていて、そこに魔王城があり魔王様はそこにお住まいであられる」



 ルークが「100年以上昔はよくこの大陸に戦争を仕掛けて来てたらしいな?」


「あの頃はヒューマンやエルフ、ドワーフや獣族が一致協力して抵抗して来たから、一旦撤退を行なったが、今は各族バラバラの統治になっているようだから、魔王もいい機会だと思っているかも知れないな……。

 これ以上詳しくは話す訳にはいかないが、俺がここに派遣されたのも、ここ数年現れ始めて、猛威を振るい始めているアース大陸の冒険者達の実力を偵察するためだ、今はまだまだだがお前達の

強くなる速さには確かに脅威を感じる」


 アリシアが「確かに、パワーレベリングに付き合ったとはいえ、沙羅や葵、桜のレベルアップの速さは異常だな、ははは!」


沙羅達が照れながら

「いやぁ、それほどでもないわよ!」

「皆さまのお陰でござるよ!」

「おほほほ! テンダーロインステーキ追加ですわ!」


 コタローの皿にも晃が入れてあげると、「ワフ!」と美味しそうにパクつき、尻尾が超高速で振られる。


「本当に美味しい肉だな! 舌にとろけるジューシーさがたまらん!」

 白狐さんも夢中になって食べる。


 しばらく宴が続いたところで白狐が「アスタロト、仕事の時間が来たみたいだ、どうやら隠し部屋が発見されたうわさが出回ったようだ、かなりの数のパーティーが最下層に入ってきてこちらに向かって来ている」

 晃が運営のお知らせメールを開けると(ダンジョンの真の裏ボス登場!)と書かれていた。


「そうか、では自分の部屋に戻って迎撃の準備をするとするか、お前達楽しかったぜ、腕を上げて来たらまた勝負してやるからな、ははは!」

アスタロトが扉の向こうに消えていった!


「ルークにアリシアや! お前達の成長した姿が見れて本当に嬉しかったぞ! 晃達も兄妹を無事に連れてきてくれて感謝に絶えない!」


「名残惜しいがついに、お別れの時が来たか、また母上に会いに来ます!」アリシアが笑顔で答える。


「アスタロトが最下層まで敵の邪魔が入らんように便宜を図ってくれるみたいだし、お母様に定期的に会いに行くよ!」ルークも笑顔で答えた。


「それではお元気で!」

「私達ももっと強くなって会いに来るわよ!」

「今度はアニメを一緒に語るでござるよ!」

「今度来る時も、美味しい肉を用意して来ますわ!」

「ワン!」


 白狐に見送られながら部屋の隅にある魔方陣の上に立った晃達は光に包まれダンジョンの入り口に現れた。




 「ついにダンジョン攻略したどー!」感無量の晃がガッツポーズしながら叫ぶと!


「楽しかったですわ!」

「やったー!」

「色々あったでござるよ!」

「大金持ちだ!」

「しかも母上に会えるとは! ラッキーだった!」



 みんな笑顔でグータッチをして行ったのでありました。


 すると、晃の足に何かの感触が振り返るとコタローが晃の足に右前足を伸ばしながら、

「ワン! ワン!」

「すまんかった、コタローを忘れてた!」


 かくしてコタローも尻尾をプルプル振りながら、肉球タッチをみんなとしたのであった。


 晃が「さて戦利品の分配もあるし、エルフの里にこれから行こうか!」


 ルークが「アリシアと相談したのだが、エルフの里にあれだけの金貨を持ち込んだら大騒ぎになってしまう! とりあえず小袋に入るだけ貰って、あとは晃が預かってくれないか、その方が安心できる。欲しい時には晃に言うから!」


 葵さんが「なるほど、晃銀行ですわね」

 沙羅が「キャハ、信用できるの? その銀行!」


「し、失礼な! 信頼、安心、警備万全の晃銀行に何を言うか! しかも貸金庫代無料!」晃が自慢気に言う。


 アリシアが「晃に任せれば安心じゃ!」


 ちなみに分け前は、金貨が1万2000枚あったので一人当たり2000枚になる。



 このゲームでの貨幣価値は貧銅=10円、銅貨=100円、銀貨=1000円、金貨=10000円となり、一人当たり2000万円相当である。


 他に金のアクセサリーや花瓶など街に行って金に換えなければならない物が多数残っているので、そちらは徐々に金に換えて分配して行くことに決まった。


 ルークとアリシアにはとりあえず金貨100枚づつを小袋に詰めて渡した。


 ルークが「おー! ずっしりと重いぜ! 金持ちになったのが実感できるぜ! はははは!

ところでお前達これからどうするのだ?」


「とりあえず、もう遅いから王国に行って宿屋に泊まろうかな!」


「そうか! なあアリシア、俺たち金持ちになったことだし、晃について行って王国の高級宿屋に泊まらないか?」


「兄者、それは面白そうだ、王国を次の日散策してみたいしな!」


「じゃあ王国にワープするので、兄妹は僕の肩に掴まってね!」


 コタローを抱えたルークとアリシアが晃の肩に掴まった。


 晃達は初の単独パーティーダンジョン攻略チームとして、王国に颯爽と凱旋するのでありました。




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