エピソード0
どこにでもいる普通の女子高生だった詩葉マオは、ある日突然魔王になった。いや、面白そうだからなってやった。
一時間前
「寝坊したぁぁぁぁぁぁ!!」
私は全速力で家から飛び出し学校へ向かっていた。
「今日遅刻したら反省文書かせられるんだよなぁ」とかなんとか考えながら曲がり角を曲がる。そこでぶつかってしまったのだ。色黒でグラサンを掛けた翼が生えた上半身裸のおっさんに・・
「いたた‥。すみません、怪我はありませんか?って、ぎゃああああああああああああああああ!!!変質者ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「おう!誰が変質者じゃい!」
「いや!どっからどう見ても変質者でしょ!!」
「俺は変質者やない!悪魔や」
「...はい??」
「悪魔や」
「警察呼びますよ?」
「待て待て!話くらい聞けーや!」
悪魔(仮)(変質者)が私の腕を掴んできたので、私は
「ぐふぅぅ!」
思いっきり一本背負いを決めこんだ
その後、すかさず馬乗りになってボコボコにしてやった。
「あぁ・・遅刻確定だわ」
そう思っていると変質者が口を開いた
「その強さ..君こそ次期魔王にふさわしい...」
「…は?」
意味がわからない
「意味分かんないんだけど」私は疑問を素直にぶつけた。
「実は..先代の魔王が死んでしまってな、人間の中から一人魔王を探してくるよう先代魔王の執事に言われて探しに来てたんや..そんな時にお前にぶつかってこんなことになってしまったんや…」
「あっそ。で?」
「せやから、人間の中で一番強いやつを魔王にするために俺が来たんや」
「なんで私なの?」
「悪魔の俺に勝ったからや」
なるほど。でもこの人ほんとに悪魔なのかな?確かに翼は生えてるけどそれ以外に確証はないし...
「わかったわ。でも、あなたが悪魔だっていう証拠を見せて」
「たとえば...?」
「魔法とか使えるんじゃないの?悪魔だったら」
「そうか..ならこれでどうや」
そう言うと彼は手から炎を出してみせた。
「すごい..本当に悪魔だったんだ...」
私は素直に感心していた。
「どや、凄いやろ」
「凄い..」
私は魔王というものに悪魔というものに興味を抱き始めていた。
「ねぇ、魔王になったら私も魔法使えるの?」
その質問に悪魔は
「おう!使い放題やで」
その答えで私は決めた
「いいよ。」
「え?」
「わたし、魔王になってやってもいいよ」
「ホンマか!」
「うん、だって面白そうだもん♪」
「そうか!なら今すぐ悪魔界に行くで」
「わかったわ。」
こうして私は魔王になった。
次の日先生にこっぴどく怒られた。