***次こそは……***
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「はぁーあ」
胸のことを言われ腹が立って、戸山を部屋から追い出してた後。玄関前から戸山の気配がなくなったので、部屋の中に戻った。
「何してるんだろ私……こんな格好になって……。ううん、これも契約を果たすためよ! ……とはいえ、あそこまで戸山に色仕掛けが効かないなんて……」
そもそも色仕掛けってあんなのでいいのかしら? 知らないから適当に肌見せときゃいいと思ちゃったけど……まあいっか。私の専門はそっちじゃないし。
異性関係とか、恋愛関係のトラブルではもっと大人びた悪魔が選ばれる傾向がある。
私に向いていなかっただけよ。決してやり方は悪くなかったはず……。
破ったTシャツはゴミ箱にシュート。もとよりぼろぼろだったものだから破くのに抵抗はなかった。ほんと戸山はいつまで古いの着てるつもりなのか。これで新しいのを買うようになるだろう――ってこれじゃ戸山の彼女みたいじゃない? ダメダメ! いまの考えはなし!
自分の買ってまだそれほど経っていない服に着替える。
自分のスタイル……悪くないはずよね……。
着替える最中、自分の体を鏡で確認する。
戸山の反応にちょっと女として自信をなくしそう。そんな魅力ないのかしら……。
「いいえ! 戸山の見る目がないだけよね! あいつ女性の魅力を分かってないのよ」
まあ私も男性の魅力なんてよく分からないのだけれど。でも見る目はあるはず! 戸山はダメ男……いや変な奴だと思う。私みたいな悪魔に気を使うし、女性としては気にしてないし……言い直そう。やっぱ変でダメね。
「そんなことより、大事なのは次の作戦よ。今日は必死で考えたんだもの、まだ二つ、三つ考えてあるんだから!」
漫画とか読まなかったらもうちょっと考えれたかもしれないけど。ただ、昨日読んだ続きが気になっちゃってたから、どうしてもその時間は必要だったのよ。
――と、ちょっと言い訳。昔から遊びに時間を割いてしまう癖がいっこうに抜けない。それでも今日は思いついた方なんだからほめてほしいくらい。
念のため、戸山のバイトのシフト表を確認。……明日は入っている。
「ふふふ戸山、明日を見ていなさい! 絶ッ対、別の願いを言わせてやるんだから!」
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夜、自分の家に帰ってきた。
あの人はアパートにいなかった。いったいどこに行っていたというのだろうか。
……まあいいや。チャンスはまだまだあるんだから。
私は隣にいる悪魔にほほえむ。
願いは絶対に叶える。叶えなければ後悔するから……。
悪魔も同時に邪悪な笑みを浮かべた。
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