第66話 ジュブレール大森林にいきませんか?
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第66話 ジュブレール大森林にいきませんか?
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俺はアルガードの町にやってきた。冒険者ギルドに入ると、受付に冒険者証を見せ、ツキオス君たちの所在を確認。
「え、Sランク!?」
そうですよねー、こんな若造がSランクなんて、信じられないよねー。その気持ち、よく分かりますよ。
「あ、失礼しました! ツキオスさん、レットンさん、アリスさんは、3日に1回、ギルドに納品にやってきます。今日が3日目ですから、夕方くらいには納品にこられるかと思います」
「そうですか、ありがとうございます」
俺はフードコートで待つことにした。
「マスター、エールと軽い食事をお願いします」
「あいよ」
5,000Gを渡す。もちろん、おつりは要りませんから、チップとしてとっておいてください。
すぐにお待ちと、エールが出てくる。3分もすると、サンドイッチも出てくる。
パンはパサついているが、安い軽食なんでこんなものだな。
次第に冒険者が増えてきた。そして3人がギルド内に入ってきたのを、魔力フィールドで確認した。
3人は解体所で鳥を6羽納品し、査定表をもらった。受付で換金したら、そのままギルドを出ていこうとしたので、3人の後を追う。と思ったら、3人をつける6人組がいる。
アルフィンとライークは結構いい金額になるので、それを持っていると思ったんだろう。全部ギルドに預けていったのにね。
俺は6人組を追い越し、3人に声をかける。
「ツキオス君、レットン君、アリス君」
「「「師匠!?」」」
「久しぶりだね」
「「「お久しぶりです」」」
「そこの店で夕食でもどう? 奢るよ」
「「「いただきます」」」
丁度そばにあった食堂に入って、個室で3人との再会を祝う。
「3人とも活躍しているようですね」
「つい最近、Dランクに昇格しました」
ツキオス君が自慢げに話してくれるが、レットン君とアリス君も自慢げだ。
「へー、それはすごいですねー」
「師匠に追いつきましたけど、師匠はもうCランクに昇格しているのでしょうね」
「あー、うん……今はSランクかな」
「「「え?」」」
「3人と別れた後に色々あってさ、おかげでSランクになってしまったんですよ」
冒険者証を見せると、3人は目を剥いた。
「さすがは師匠です!」
「すごいな、師匠は!?」
「師匠ならSランクも当然です!」
ツキオス君、レットン君、アリス君に褒められ、俺も少し鼻が高くなる。そこで俺は本題を切り出す。
「今度ジュブレール大森林の遺跡調査をするんですけど、3人も一緒にいきませんか?」
「いやいやいや、ジュブレール大森林なんて僕たちじゃすぐに死んでしまいますよ!」
「ツキオスの言う通りです。僕たちじゃ力不足ですよ。師匠」
「さすがにジュブレール大森林なんて無理ですよ、私たちじゃ」
「何もモンスターと戦えとは言いません。遺跡が広大なので、遺跡の中の調査の手助けをしてほしいだけです。大したことないですよ」
「「「大したことあります!」」」
「そこまで言うなら、3人の力を試しましょう」
「「「え?」」」
「力があるのかないのか、3人の力を確かめるんですよ」
そこで料理が運ばれてきた。
「さ、食べましょうか。話はその後でしましょう」
3人は無言だったけど、美味しい食事を摂り、酒を飲んだ。
「美味しかったです、師匠」
「僕たち、本当にジュブレール大森林の遺跡を……」
「私はできることなら遺跡探索したいです」
「ツキオス君、レットン君。2人はもっと自信を持っていいと思いますよ。アリス君はその調子です」
「はい、師匠!」
「「………」」
「ところで3人は尾行されていたことに気づいていますか?」
「「「え?」」」
「ギルドを出てから、つけられていたんですよ」
「それって……」
「ツキオス君たちが稼いでいるから、おこぼれに与ろうと思っているんじゃないですかね。まだ店の外で待ってますよ、彼らは」
「どうしましょうか……」
「Cランクに昇格するには、人を殺す必要があるそうです」
「それ、聞いたことがあります。でも、人を殺すなんて僕にできるか……」
「ツキオス君が殺さないと、アリス君が殺されるかもしれませんよ?」
「うっ……」
「ま、俺は未だに人は殺してないですけど」
自殺願望の人たちはいたけどね。
「「「え?」」」
そんなに驚かなくてもいいじゃないかな。
「でも、師匠はSランクですよね?」
「うん。遺跡で財宝を発見したらSランクに昇格しちゃんたんですよ。異例中の異例みたいですけどね」
「ざ、財宝……」
「つまり、そういった実績を残せば、Cランクに昇格どころかもっと上のランクに昇格も夢じゃない! そういうことですね。ですから、人を殺さなくてもいいけど、仲間を守れる力はないといけないですね。そうじゃないと、店の外で待っているような人たちに殺されるかもですよ」
「……そうですね! 僕も覚悟を決めます!」
「僕もツキオスやアリスを守れるように強くなるし、覚悟を決めます」
「私も襲われたら、殺すわ」
襲ってきたヤツらを無力化できなければ、いつか自分たちが死ぬことになる。人なんて殺さなくてもいいならそれに越したことはないけど、この世界はそんなに甘い考えだと生きていけないのも真実だ。
代金を支払って食堂を出ると、見張っていたヤツらも動き出した。




