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魔力使いのまったり冒険者クライド  作者: 大野半兵衛


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第64話 再会

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 第64話 再会

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 ゴルガスは反逆罪で即座に処刑された。ロイメス男爵はそのことをプレンサス伯爵家に通達し、俺への手出しはしないと公言した。

 闇ギルドとの関係に関しては、何も言っていない。完全に秘匿するつもりのようだ。

 今回のことでロイメス男爵は俺に関わろうとしないはずだ。まあ、関わってきたら、その時はその時で対策を考えるさ。


 ホルトンの町に戻った俺は、お菓子を作っている。

 作ったフルーツケーキを持って冒険者ギルドに向かう。

 その途中、市場に入るところで、老婆が転んだ。見てしまったら、手を貸さないわけにはいかないよなー。


「大丈夫ですか?」

「はい。ありがとうございます」


 老婆に手を貸し……立たせる。

 なんだ? この老婆からわずかだが殺気のようなものを感じたぞ。

 若い頃冒険者をしていて無意識で殺気を放つ人がいないとも限らないが、気分はよくないな。


「………」


 老婆が俺の顔をジッと見つめてくる。


「何か?」

「いえ……」


 老婆は何度か頭を下げて立ち去った。よく分からんが、気になる老婆だったな。

 市場を進み、出口に差しかかるところだった。人とぶつかりそうになったので、避けたらその人が転んだ。俺のせいではないが、手を差し出す。

 しかし、今日は転倒する人が多いな。


「………」


 この人も俺をジッと見つめてきた。それとわずかに殺気を感じた。

 だけど、攻撃されるわけでもなく、何もなく頭を下げて立ち去っていった。


 何はともあれ冒険者ギルドにいき、メリンダさんの受付に。


「おはよう、メリンダさん」

「おはようございます。クライドさん」

「これをサブマスのトルテンさんに渡してもらえますか」

「サブマスに、ですか?」

「ええ、プリママが迷惑をかけているようなので、そのお礼のお菓子です」

「あら、お菓子ですか。へー、ふーん……」


 すごくお菓子が気になるようですね。

 俺はもう1つ包みを出した。


「こちらはメリンダさんと受付の皆さんで」

「あら嫌だ! なんか催促したみたいね。ウフフフ」


 声のトーンが上がってますよ。


「不肖の養母ですが、よろしくお願いします、とサブマスに伝えておいてください」

「はい!」


 これでよし。

 次は依頼でも確認しますか。

 うーん、美味しい依頼はないか。

 しかし、どうするかなー、あの遺跡B。プリママがこのままギルドに缶詰ならわざわざ言う必要はないよな。でも、自分であの広さを探索するのはさすがにキツいんだよね。

 誰かいないかなー……。

 考えたら、俺は知り合いが少ないな。

 グランベルさんたち【雷神の鉄槌】の皆さんがいればなー。

 あとは……そうだ、ツキオス君たち3人も腕を上げていると思うし、誘ってみるか。


「よし、アルガードにいくか」

「どこにいくって?」


 その声に振り返ると、壁があったので見上げる。


「こんにちは、グランベルさん。お久しぶりです」


 グランベルさんが俺の後ろに立ったのは、魔力フィールドで分かっていた。

 なぜホルトンの町にいるのかは不明だけど。


「なんだつまらんな。もっと驚けよ」

「これでも少しは気配に敏感になりましたので」

「そうか! そういえばSランクになったんだってな」

「はい。ここのギルマスに無理やりねじ込まれました」

「お前も面倒な人に見込まれたものだな」

「はい、とても面倒な人です」

「ハハハ。お前、怖いもの知らずだな」

「結構な迷惑をかけられていますので」

「そりゃー大変だったな」

「俺のことよりグランベルさんたちは、どうしてホルトンの町に?」

「王都本部との契約が終わったからな。これからはホルトンで活動するつもりだ」

「契約?」

「Sランク以上の冒険者が王都に留まり、もしもの時に備えるって契約だな。お前もSランクなんだ、そのうち話があるかもしれんぞ」


 グランベルさんの話では、王都付近には高ランクのモンスターがいないので、高位の冒険者はホルトンのような危険な場所に近い町にいることが多い。

 だから、1年契約で王都に留まり、王都周辺の異変などに対処したり、高ランクモンスターが現れた際に対応するのだとか。


「お前がSランク試験を受けた時、俺らはモンスターの異常個体の対応をしていたんだ」

「そうだったのですね」

「で、お前はどこにいくって?」

「ちょっと人手がいるので、アルガードにいる知り合いに頼もうかと思っていたところなんです」

「ほう、人手がいるのか? あっちで詳しく聞こうじゃないか」


 有無を言わさずというのか、俺はフードコートに連れていかれた。

 そこには【雷神の鉄槌】の皆さんがいて、すでに飲んでいた。


「皆さん、ご無沙汰しています」

「おう、クライドか! 飲め!」


 ドゴゴンさんが差し出したエールを受け取り、俺は一気に喉に流し込んだ。

 髭もじゃドワーフと間接キッスだけど、そんなことは気にしない。


「いい飲みっぷりだ! ガハハハ」

「クライド君、久しぶりね」

「はい。ミルキーさんもご健勝のようで何よりです」


 相変わらずフェミニンな雰囲気のミルキーさんだ。


「おい、クライド! 飲め!」

「いただきます、ミリアさん」


 大柄な女性で【雷神の鉄槌】のタンクを務めるミリアさんは、相変わらず力が強かった。


「久しぶり」

「はい、お久しぶりです。リンリーリンさん」


 エルフ美人のリンリーリンさんは、何歳か知らないけど綺麗だ。


 俺は【雷神の鉄槌】の皆さんと挨拶をし、同じテーブルについた。



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