第46話 王都帰還
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第46話 王都帰還
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4日後、俺はホルトンの町に戻り、酒店によって1,000,000Gで酒を購入し、市場で野菜を300,000Gで仕入れた。
ホルトンの野菜はいいものが多いが、酒はアルコール度の強いものが多かった。俺はアルコール度より味を優先するから、ちょっと不満だ。
その後、冒険者ギルドの解体所へと向かった。
「ジョルゴスさん。こんにちは」
「おう。クライドか。ちょっと待っていてくれ」
「はい」
少し待ってジョルゴスさんと別室にいく。俺が預けた財宝がそこにあったので、全部30-6のマジックバッグに収納した。
財宝を収納していると、美魔女のギルマスもやってきた。
「これがリストと紹介状よ。王都本部に持っていってね」
「ありがとうございます」
「ところで遺跡から発見されたものは、財宝だけだった?」
おっと、これはあれか? ジョルゴスさんが言っていた学者肌の顔が出てきたようだな。
「これだけです」
「……そう。他にもあったらと思ったのだけど、残念だわ」
ギルマスの視線が鋭い。
俺の背筋に冷たいものが流れた。
ギルマスは深く追求しなかった。俺はすぐにギルドを出て、書物店に向かった。
古代文明語の翻訳のヒントになるような本があればと思ったのだけど、そういったものはなさそうだ。
ただ、探している間に面白そうな本をいくつか物色したので、それを購入する。
10冊を購入したが、4,500,000Gもしたよ。
俺はホルトンの町を出た。
ホルトンの町から王都までは遠い。聞くところによると、自動車で5日、歩きだと1カ月くらいかかるらしい。
だから5日ほどは適当に時間を潰そうと思う。5日なら自動車で移動したと言えるからね。
「ジュブレール大森林の中で時間を潰すか。指輪があれば、どれだけ狩っても問題ないと思うし」
遺跡で時間潰しをしようと思う。
「先ずは風呂だな!」
地面にホールで穴を掘り、穴にロックで石を張る。そこにウオーターで水を入れ、ヒートで水を温める。丁度いい温度になったら、かけ湯をして湯舟に浸かる。
「あ~いい~♪」
さらに酒を出して夕陽見酒だ。
「そろそろ酒も補充しないとな」
風呂から上がり、夕食を済ませると、今度は読書の時間だ。ここには倒壊しかけているが、多くの建物がある。適当な建物の中で魔力結界を展開し、ライトで室内を照らして読書に耽る。
モンスターが襲ってきたら狩り、そうでない時は解体をする。
「これは便利だなー」
現在の俺は魔力触手を5本出せる。5本出すとそれぞれの長さはせいぜい20mほどだが、その5本の魔力触手で解体を行うと早い。
しかも、魔力触手は数トンはあるモンスターを軽々と持ち上げることができるので、解体が楽ちんだ。
「なんで今まで気づかなかったのかなー。俺のバカー」
魔力触手で解体をすると手も汚れないし、ナイフよりも鋭くできる。
俺の手で解体するよりよほど綺麗に解体できるところが、なんとも情けないところだな。
「いやー、解体が進むなー♪」
風呂に入っていてもできるし、食事していてもできる。なんとも便利なものだ。
そんなことをして時間を潰した俺は、ホルトンを出て6日後には、王都に入った。
王都に入って最初にいったのは、市場だ。野菜を買ったがホルトンのほうがいいものが多いな。でも、100,000Gも使ってしまった。
次は酒店だ。いい酒を大量に購入。こっちは俺好みの【ヒーリス】や【デコルン】を大樽(72ℓ)でいくつも購入して、5,000,000Gも使ってしまった。
最近の俺は金使いが荒いが、後悔はない。
冒険者ギルドは相変わらずだ。朝の遅い時間は冒険者がいない。
解体所に向かい、バドランドさんに声をかける。
「こんにちは」
「む、お前、帰ってきたのか」
「少し王都に用ができましたので」
「そうか。で、今日は何を持ってきた?」
「旅の途中で狩ったモンスターを数体です。ちょっと大きいです」
「こっちへこい」
丁度空いている時間帯なので、すんなり奥の作業場に通された。そこでメタルトロルを5体出した。
「……これはどこで狩ったんだ?」
「ジュブレール大森林です」
バドランドさんは目を見開いた。
「お前、あんな魔境にいっていたのか!?」
「ええまあ、後学のために」
「後学って……まあいい。冒険者証を出せ」
「はい」
俺は銀色に輝く冒険者証を出す。ホルトンの町でブロンズからシルバーに変わったのだ。
「む……お前、Aランクになったのか」
「ホルトンのギルマスが上げてくれました」
「ホルトン、か。あのババアはまだ生きておったか」
「ババア、ですか。あのギルマスは何歳なんですか?」
「あいつの年は、たしか……っ!?」
バドランドさんが急に振り返り、キョロキョロと周囲を見回している。どうしたんだ?
「どうかしましたか?」
「……いや、なんでもない」
「で、ギルマスの年齢はいくつなのですか?」
「それは自分で聞け。俺はまだ死にたくない」
「死にたくない……え?」
まさか年齢を言うと首が千切れるとか?
どっかで聞いたような? まあいいか。
「そんなことはどうでもいい。しかしAランクか。お前も高ランク冒険者の仲間入りだな」
「まったく貫禄はありませんけどね」
「その若さでは無理はないだろ」
「そういえば、俺は15歳でしたね」
「ふっ。あのババアの前で15歳と自慢してやれ」
「それって俺の命が危ないのでは?」
「死ぬかもな」
「勘弁してくださいよ」
せっかく転生したんだから、今度は寿命をまっとうしたいですよ。




