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魔力使いのまったり冒険者クライド  作者: 大野半兵衛


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第18話 新しい漁場

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 第18話 新しい漁場

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 今日はストーカーもおらず、いい天気だ。気分爽快、足取りが軽いぜ。

 が、海岸はやっぱり冒険者たちで込み合っていた。

 俺は奥へ奥へと向かい、なんとか人がいない場所を確保した。

 魔力フィールドですでに補足しているリフィナンテスに魔力触手を伸ばす。細くした魔力触手は感知されることなく、リフィナンテスに巻きついた。暴れるリフィナンテスに、今度は電撃を食らわせる。


「ショック」


 感電したリフィナンテスは硬直して動かなくなった。そのままリフィナンテスを引き寄せ、陸揚げだ。

 血抜きと内臓処理を行い、マジックポーチに放り込む。

 その間も魔力フィールドで索敵、魔力触手で絡めとり、さらにショックで感電させて引き寄せている。

 並行してできる俺ってスゲー。自画自賛しないと誰も褒めてくれないからなー。


 このように10匹を確保した俺は、足取り軽く冒険者ギルドへ向かう。

 今日も冒険者の列に並ぶが、すぐにバドランドさんが出てきた。


「おい、お前はこっちだ」


 そういう特別扱いは要りませんよ。他の冒険者に悪いじゃないですか。


「おいおい、俺らは並んでいるのに、なんでそいつを先にするんだよ!?」

「雑魚は黙っていろ!」

「ヒィィィッ!?」


 ドラ声の一喝で、冒険者は悲鳴を上げた直立不動になった。


「文句あるヤツはいるか!?」

「「「………」」」


 誰も何も言わない。

 いったいバドランドは何者なのだろうか? ただの解体所の主任というわけじゃないよな?


「おい、早くこい」

「はい」


 作業場に連れていかれる。


「今日は何匹だ」

「10匹ですね」

「全部出せ」

「了解です」


 10匹を作業台の上に並べる。どれもちゃんと血抜きと内臓処理してますよ。


「1匹32,000gがいたが、あとは20,000g台だ。30㎏オーバーのほうは540,800G、他の9匹は合計で216,000gだったから3,088,800Gだ。合わせて3,629,600Gだな」


 わーお! 360万オーバーですか! これで容量の大きなアイテムボックスが買えるぞ!

 これだけの金額になると、俄然やる気になるというものだ。


「昨日はこなかったが、今日は30㎏オーバーがあるな。この調子で納品してくれ」

「運次第ですよ」

「分かっている」


 全部ギルドに預けると、預け額が600万Gを超えていた。グフフフ、いいアイテムボックスが買えそうだ。


「こんにちはー」

「いらっしゃい」


 今日もぶっきらぼうな店主エルフさんに、中古の在庫を聞いてみる。


「予算は600万Gで、出来るだけ容量が大きい中古のアイテムボックスをお願いします」

「600万Gか……予算は少し超えるが、9-5のマジックバッグならあるぞ」


 9-5ということは、容量が9tで時間停止50日か。ほしい! ほしいがどの程度超えるのかで……。


「お、おいくら万円します?」

「まんえん?」

「あ、いくらですか?」

「658万Gだ」

「うぐっ……それは……取り置きは可能ですか?」

「可能だが、半金は置いていってもらうぞ。あと10日以内に残金が払えなければ、取り置きは解除されるし、前金も返さない」


 今の俺ならあと60万Gを用意するのは、問題ないはず。だが、確実に60万Gを用意できるとは限らない……。どうする? どうしたらいい?


「お前のマジックポーチを、今なら60万Gで下取りしてやるぞ」

「え、マジっすか!?」

「通常は高くても5割だが、まだ新品だから特別だ」

「それなら下取りでお願いします!」


 俺は598万Gを冒険者証で支払い、9-5のマジックバッグを受け取る。1-1のマジックポーチの中身を移し替え、これも差し出す。


「確かに。それじゃあ、血を魔法陣に垂らし、解除の言葉を」


 蓋の裏にある魔法陣に血を垂らす。


「伯爵滅べ」


 これで使用者登録完了だ。


「……お前は相変わらず物騒なヤツだな」

「そんなことないですよ」


 この可愛い笑みを見てよ。


「どす黒いものが見えるようだ」

「失礼ですね」

「頼むからウチを巻き込むなよ」

「何に巻き込むって言うのですか?」

「知らん」


 マジックポーチからマジックバッグにバージョンアップされた俺は革物店を出た。

 今日も市場で酒の肴を物色し、4,000G分購入。

 宿にチェックインしてシャワーを浴び、美味しい夕食を摂り、酒盛りをしつつ魔力併用訓練を行い、眠りにつく。




 預金が一気に減ったので、今日も稼ぐぞー!

 そこで考えたのだけど、いつもと違う場所にいったら釣れないのだろうか?

 いつもは港を左にいくが、今日は右にいってみた。

 切り立った崖に出た。この先はいけないが……そうだ、俺ならいけるじゃないか。

 魔力触手を伸ばして崖の上の岩に巻きつける。後は魔力触手を短くしていけば、体を引き上げてくれるというすんぽうだ。

 20mほどの崖の上に昇って海を見下ろす。東尋坊のような恐怖でブルリと震える。

 だが、この海は魚が豊富だ。

 大物がウジャウジャいるし、魚種も多い。ここから釣りをする人はいないから、魚にとっては天国なのだろう。

 すまないが、今日から俺が漁場にさせてもらうよ。ここならさすがに誰もこないだろうしね。



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