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魔力使いのまったり冒険者クライド  作者: 大野半兵衛


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第17話 万能

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 第17話 万能

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 鼻血を出したゴブリンの首に魔力結界をクルリと巻きつかせる。俺に敵対行動をしたら、首を絞めるように意志を込めた魔力結界だ。

 何かが首にまとわりついたの感じたのか、頻りに首を気にするゴブリン。

 この魔力結界の消費魔力は、ほとんどない。おそらく0.1%も消費していないだろう。それくらい微々たるものだ。


「おい、どうした? もう終わりか?」


 ちょっと煽るように声をかける。


「グギャーッ!」


 ゴブリンがハッと気づいたように、俺に飛びかかろうとした瞬間、首に巻きついていた魔力結界が縮まる。


「ッガガガ」


 ゴブリンは俺どころではくななり、地面の上で転がり回った。

 首の魔力結界をなんとか外そうとするが、首はドンドン締っていく。


「ガ……ァッガ………」


 のたうち回っていたゴブリンの動きがなくなり、口から泡を出している。

 この間、俺は魔力結界へ何も命じていない。これは俺が最初に込めた命令通りに魔力結界が動いた証拠だ。

 魔力結界自体は場所を動かすことはできなくても、小さくなることはできる。そして、強度を増すことも、音を遮断することも可能だ。おそらく空気だけ透過させることもできるだろう。


「万能じゃないか」


 俺はニヤニヤしてしまう顔を引き締める。

 ゴブリン討伐をしたら、左耳を持っていくと討伐証明になってお金がもらえる。3体の左耳を切り取ろうと思ったが、なんか触りたくない。

 モンスターの死体は放置するとアンデッドになるらしく、埋めるか燃やすのがルールだ。

 だが、もう魔法は使えないので、油を巻いて火を点けた。

 食用油は結構高いのでもったいないが、人の迷惑になるようなことはしない。それが俺のルールだ。


「これでよし」


 粗方焼けたのを見てからこの場を離れる。


「俺、ヤベー人になってないか? 大丈夫か?」


 自分で自分が怖いところがある。殺しという行為にまったく恐怖や忌避感がないのだ。


「ふー、今はこれでよしとするかー」


 そうじゃないと、思考が迷宮入りしそうだ。


「よし、検証終わり」


 そう区切り、気持ちを切り替える。


「回復魔法が成功したので、宿で酒盛りでもしようかなー」


 今日の釣りはないぞー。そんなことを思いつつ 森から出て王都へと向かう。

 ストーカーたちは困惑顔で俺についてくる。本当に何がしたいのか。サインなら書いてやらんでもないから、色紙を持ってきなさい。

 そうだ! 魔力触手を伸ばして彼らの会話が聞けないだろうか?

 ……やってみたら出来てしまった。魔力触手は本当に便利だね!


「今日は釣りをしないようだぞ」

「なんだよ、あいつがどんな釣り方なのか見てマネしようと思っていたのによー」

「どうするんだよ、俺たちこれじゃあ宿にも泊まれなくなるぞ」

「もういい加減、自分たちで釣りをしよーぜ」


 なるほど、彼らは連日大物を納品している俺の釣り方をマネしようとしていたのか。

 それならそうと言ってくれれば、教えてあげなかったのにー。

 え、教えてやらないのかって? 俺の切り札である魔力結界、魔力触手、魔力フィールドを誰かに教えるなんてできませんよ。


 そんなわけで、今日も市場で酒の肴を4,000Gで買い込み、宿にチェックインだ。

 夕食を美味しくいただき、外は真っ暗になる。あのストーカーたちはもういない。

 ある程度魔力が回復しているので、光魔法のライトを発動。暖色の電球くらいの灯りで室内を照らしてくれる。

 そんな中で俺は酒を飲みつつ魔力併用訓練をする。魔力循環をさせつつ魔力フィールドを展開、魔力触手をウニョウニョさせ、さらに魔力結界を弄り倒す。

 魔力結界は俺の意志や命令によって大きさを変えたり、強度を変えたり、通すものを選別したりできる。まず空気を通さない小さな魔力結界を展開し、息苦しくなってきたので、空気を通すように意志を持たせると楽になった。

 下手をすれば俺自身死んでしまう実験だが、やっておかないと怖くて魔力結界の中で寝られない。もっとも、空気穴を開けておけばいいという話なんだが、それだと攻撃まで通してしまうからね。


「あ、でも、空気を通す際に気体の毒も通るのか?」


 試したいけど、試せないよな、これ。とりあえず、毒は通さないと強く念を込めておくか。


 魔力循環を合わせて4つの魔力を同時に扱えるようになったのも、日頃の努力のたまものだ。俺って努力家なんだよねー。

 ちなみにライトは発動させると、俺が消すか5時間経過したら消えるように設定している。これも意志の力だ。


 それから、空気の中にも魔力が存在する。これらを取り込むように魔力巡回をさせると、魔力の回復量が増えることに気づいた。

 これで多少は魔法が使えるのだろうが、燃費が悪すぎるので、便利使いやいざという時しか使わないかな。


「俺は魔力使いとして生きていくんだ」


 さて、一辺が1mほどの魔力結界を作る。その魔力結界内に火の球を発動させ、爆発させる。

 魔力結界はびくともせず、音も振動も衝撃波もなにもない。

 もっと強い爆発を起こさせるが、大丈夫。


「ふむふむ。巨岩を破壊するような威力にしたのだけど、俺の魔力結界は健在か」


 壊れてもらっては困るのだが、壊れないことに満足して【ヒーリス】を喉に流し込む。

 今日の肴はチーズで、これを火で炙って口に放り込む。香ばしいチーズが舌を喜ばせ、【ヒーリス】のフルーティーさが喉を喜ばせる。


「毎日飲みたくなる美味い酒だな、【ヒーリス】」


 今度はもっと大きな樽で購入したいが、俺のマジックポーチは1tしか入らないんだよなー。今のところは大丈夫だけど、時間経過と共に持ち物は多くなるものだからなー。


「現在の預金は260万Gか。3-1のアイテムボックスなら新品が買えるかな」


 買ってしまうと、すっからかんの無一文になるけど。

 中古品なら7割か。明日は魚釣りをして、革物店にいってみるか。



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