表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔力使いのまったり冒険者クライド  作者: 大野半兵衛


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/38

第13話 伯爵滅べ

 +・+・+・+・+・+

 第13話 伯爵滅べ

 +・+・+・+・+・+


 今日も海岸へ向かうが、今回も冒険者がいた。しかも昨日より人数が多い。

 今まで俺が独占していた海岸が……。

 もしかして魚の活動が活発になる釣りシーズンなのか? これから脂が乗って美味しい冬の魚がいるのかもしれないな。

 仕方がない、もっと奥へいくか。

 冒険者たちを避けて奥へと向かう。


「ここら辺でいいだろう」


 岩場の陰になって、冒険者たちからは見えない場所に陣取った。

 魔力フィールドで魚を探す。お、結構いるじゃないか。リフィナンテスとスズキ(トーリルーン)だけじゃなく、結構大きな魚が数種類いる。

 他の魚は売れるか分からないので、いつものように鯛とスズキを狙う。今日はどっちがいいかなー。お、いい型のスズキがいたぞ! 魔力結界! スズキさん確保!

 目立たないように海中で引き寄せ、岸の直前で持ち上げる。陸の上で魔力結界を解除したらピチピチ。ハハハ。楽ちんだ。

 せっせと血抜きと内臓を処理し、麻袋からの背負い袋いき。

 魔力触手のおかげで、軽いもんだよ。


 冒険者ギルドの解体場には、2組の冒険者が並んでいた。その後ろに並んで魔力フィールドと魔力触手の併用訓練。

 俺の番になりさっきまでいなかったバドランドさんが出てきた。


「おう、今日もデケーな」

「引き上げるのが大変でした」


 皆さーん、オオカミ少年がここにいますよー。


「トーリルーンが31,000gだから282,100Gだ」

「はい。ありがとうございます」


 受付オッサンの窓口で、査定表と冒険者証を出す。


「今日も稼いでいるな、お前」

「運がいいだけですよ」

「ふん。そういうことにしておくか」


 そろそろ手持ちのお金が心もとない。


「10万Gを現金で、あとは預けます」

「おう」


 処理を終えて、10万Gと残金票と冒険者証を受け取る。

 宿にチェックインして今日も魔力の訓練。魔法も使いたいが、その前に魔力触手と魔力フィールドと魔力結界を使いこなすぜ。




 翌日も海岸では冒険者が……増えてる!?

 ここは観光地か!? と思うような混雑だ。なんで?


 昨日と同じように奥へ向かい、そこで人知れずリフィナンテスを捕獲する。

 サクッと血抜きと内臓処理して冒険者ギルドに向かう。

 冒険者に絡まれないように遠巻きにしたルートを歩くので、移動の時間がかかって仕方がない。といっても、往復1時間半くらいだけど。


 冒険者ギルドの解体場でも冒険者が並んでいた。最近、待ち時間が多くなっているな。

 待ち時間は魔力の訓練。俺はストイックに自分を鍛えるのだ。


 俺の番になり、リフィナンテスを引き渡す。

 26,500gで、査定は310,050Gだった。今日はバドランドさんは出てこなかった。


 珍しく受付オッサンもおらず、俺は初めて女性が受付をしている窓口に並んだ。

 ラブな展開があるわけもなく、処理はすぐに終わった。

 主人公が美人受付嬢の前に並ぶと、イベントがあると聞いたことがあるのだが、そういったものはまったくなかった。

 どうやら俺は主人公ではないようだ。


 今日はアイテムボックスの受取日だ。革物店にいくと、ぶっきらぼうな店主と目が合った。


「できているぞ」

「支払いは冒険者証でお願いします」


 残金の50万Gの支払いを済ませると、アイテムボックスを受け取る。


「使用者登録するから、血をマジックポーチのこの魔法陣に垂らせ」


 アイテムボックスのウエストポーチ型だから、マジックポーチと言うらしい。

 で、マジックポーチの蓋を開けると、魔法陣が描いてある。そこに俺の血を垂らすと使用者登録ができるのだ。これで俺しか使えなくなるわけだね。

 短剣で指先をちょっとだけ……こわごわ切る。痛いよー。


「解除用の言葉を言え」


 使用者登録を解除する時には、俺の血を魔法陣に垂らしてその言葉を言うらしい。それで使用者制限が解除できるのだとか。


「伯爵滅べ」

「………」


 クライド君のことを思うと、色々思うところがあったからねー。ベルデナーグ伯爵家が滅べと呪詛を込めてみました。


「物騒なヤツだな」

「それほどでもないですよ」


 解除の言葉の登録も完了し、これで完全に俺のアイテムボックスになった。


「あ、そうだ。どこか酒を売っている店を知りませんか?」

「店を出て左にいけ。4つめの角を右に曲がってすぐに酒店がある」

「その店は冒険者証で買い物ができますか?」

「冒険者証も使用できる」

「ありがとうございます」


 革物店の店主に教えてもらった酒店に入る。色々な樽が並んでいる。樽売りなのかー。


「っらっしゃい」

「お薦めの美味しいお酒はありますか」

「お薦めならこれだな! こいつはリンゴから造ったヒーリスという酒だが、少し高いんだが美味い酒だぜ!」


 いかにも酒が好きそうな店主は、18ℓの樽をポンポンと叩く。

 リンゴから造ったなら、ワインかブランデーみたいな酒かな。


「それいくらですか?」

「15万Gだ」


 結構なお値段だけど、ここまで働いて稼いだ自分へのご褒美に買います!


「いただきます。冒険者証で支払いを」

「毎度ありー」


 樽をアイテムボックスに入れる。わーお、本当に重量を感じないよ。すごいなー、マジックポーチ!

 それにマジックポーチに指先を入れると、中に何が入っているか分かるんだな。


 ヒーリスが美味しかったらまた買いにきますねー。


 次は市場を回ってお酒に合いそうなグラス(金属製)を3,000Gで購入する。ガラス製のグラスは今の俺では買えないくらい高いらしく、市場(露店)で売るようなものではないらしい。

 さらにチーズやちょっとしたおつまみになるものを2,500Gで購入。

 宿に帰ると、早速お酒を開けてタンブラーっぽいグラスに注ぐ。

 琥珀色の液体からフルーティーな香りが立ち上る。


「美味そうじゃないですか」


 贅沢な昼間から酒盛りだけど、今日はいいのです!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
伯爵家は、当主(父親)の頭皮の毛根から滅びが始まると愉快ですね。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ