表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/11

清酒を波々と

 そして一人暮らしの薄暗く汚く、人の臭いのする部屋で、カバンを放り投げた仕草(しぐさ)は、倦怠感(けんたいかん)に包まれていた。玄関先で明かりを付け、今は抑鬱(よくうつ)の気分を多少は認めて、肩を落としてテーブルについた。雪が気づくと頭に積もっていた。その雪を皮肉に笑って払い、戸棚に隠していた清酒を手に取った。テーブルにコップを置き、飲み過ぎて控えていた清酒を、今日は溢れるほど波々と注いだ。

 鯵の干物を(かじ)り清酒を軽く(あお)れば、寒さに凍えた身体が温まってきた。清酒と鯵の干物。いつも食事はその程度で、あとはサプリメントに頼った生活をしていた。テレビを退屈凌ぎに付けてみるも、面白さを微塵も感じることは出来ず、これは―、寂しさを(まぎ)らわすだけの音声にしか過ぎない。と皮肉を想い布団を被った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ