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私たち婚約してたんですか?勘違い後に本当の恋が待っていました。  作者: おつかれナス


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サンタのプレゼント

「二人はサンタさんに何をお願いしたの?」

「「・・・」」」

「?」

「「ないしょ」」

「えっっっ!!」


 妻のシェリーが子供たちにサンタにお願いするプレゼントを聞き出そうとしたが・・


「カイどうしよう・・子供たちが教えてくれない」


 俺の愛する妻は今、三人目をお腹に入れている。

 そろそろ産月なのだが、出産前に子供達へ送るプレゼントを用意したくて聞き出そうと頑張っている。のだが・・


「去年まではすぐ教えてくれたのに・・」

「まぁまぁ、あの二人も欲しい物は手に入るから、欲しい物が無いのかな?」

「・・・何か知ってるの?」


 俺は全力で頭を横に振る。

 何か言いたそうな目で俺を見てくるが、悟られないよう必死にシェリーの目を見返す。


「まぁ仕方ないか。クリスマスまであと七日!カイ、ちゃんと用意しておいてね!」

「・・ハイ・・」

「奥様、主治医殿がお越しになられました」


 幼馴染でシェリーの専属侍女兼護衛のメグが呼びに来る。今日は診察の日のようだ。

 いつ産まれてもおかしくないとの事で、二日に一回の診察になったのだ。


「最近はお腹の中で動きますか?」

「それがあまり動かなくなったんです」

「良い傾向ですね。奥様、これからが勝負です!しっかり動いて体力を付けておいてくださいね!」

「はい!三人目なので大丈夫だと思いますが、頑張ります!!」


 お腹の子は順調なようだ。

 

 俺は寝室に置かれているソファーに腰掛けながらシェリーと主治医のやり取りを聞いていた。

 そしてフッと子供たちの願いを思い出していた。


 そう、俺はすでに子供たちの願いを知っていたのだ。今から十日ほど前、今日と同じようにシェリーが子供たちに願いを聞き出そうとしたがその時は


「まだ決まってない」


 だった。シェリーに泣き付かれ子供たちの所へ向かうと、ちょうど二人が話してる所だった。

 俺は気付かれないように聞き耳を立て・・その内容があまりにも可愛くて


(言えない・・こればかりはシェリーにも言えない)


 こうして形だけのプレゼントを用意してクリスマス・イブ。

 子供たちが寝る少し前から陣痛が始まったシェリーは寝室へ篭った。


「お母さま大丈夫かしら・・」


 シェリーを心配する二人に 


「パーティーの準備に疲れたのかな?今夜は休ませてあげようね」


 と伝え、侍女に任せた。

 三人目となるとお産も楽なようで(と言っても大変な事に変わりは無いし、心配なのも同じだけど)、明け方には無事子供が産まれた。


「シェリー、お疲れさまでした。今回も可愛い子だね、君にそっくりだ」


 シェリーと子供に会えたのは、それから半刻ほど後だった。

 シェリーの横で眠る子とシェリーに軽くキスをすると、シェリーは嬉しそうに微笑んだ。



 朝、子供たちに赤ちゃんが産まれた事を伝えると、着替えもそこそこにシェリーの元へと走って行った。

 後ろからその姿を見ると自分には無かった姿を思い浮かべた。


 小さな頃から母と二人でその日生きていくのにせい一杯だった。

 会長に母を救われてからは商会のため、生活のため、俺のため、そしてシェリーのために生きた。


 叶わない恋をして諦めかけた時、思いがけない出来事に神に感謝した。


 生涯にただ一人の人と結ばれ、子供を授かった。

 シェリーのお母さんが早くに亡くなっている事もあり、正直子供は一人でも充分だと思ったのに


「三人も子供に恵まれるなんて・・」

「本当ね!良かったわねカイ」

「メグ!?」


 幼馴染のメグが気付けば隣に立っていた。

 メグも今では二児の母だ。


「旦那さま、奥様とお子様たちがお待ちですよ?」


 急に侍女らしく言葉を掛けてきたメグに思い切り吹き出し、歩き始めた。

 シェリーと子供たちが待つ部屋へと。



 部屋に入るとベッドの横から産まれたばかりの子供の顔を覗き込む二人。


「お母さま赤ちゃんどっち?」

「どっち?」

「ふふ、女の子よ。妹が産まれたの。仲良くしてくれる?」


 シェリーが腕に抱いた、産まれたばかりの娘を子供たちに見せる。

 キャロルとデビットは産まれたのばかりの妹の顔を覗き込むと、顔を見合わせ


「デビー、やったぁ!女の子、妹よ!」

「うん、可愛い。僕はお兄ちゃんだよ、仲良くしてね」

「私はお姉ちゃんよ!キャルだよ、いっぱい遊ぼうね!」


 二人が嬉しそうに赤ちゃんに話しかける。


「サンタさん、ちゃんとプレゼントくれたね!お父さま!」

「そうだな、二人がお母さまの言う事を聞いたからサンタさんが妹をプレゼントしてくれたのかもね」

「え?」


 俺は優しくシェリーのオデコにキスを落とすと


「子供たちがサンタにお願いしてたプレゼントは 妹 だったんだよ」

「えっ!そうだったの!もし男の子だったら?」

「・・・その時考えようかな?って。こればかりは俺の力でも無理だからな」


 俺が笑えばシェリーも笑う。

 俺たちが笑えば子供たちも笑い出す。


 いいなぁ、この風景。


 でも・・今回の事で思った事はいつ家族が狙われるか分からない恐怖。

 お義父さんはこの恐怖といつも一人で戦っていたんだな。と思えば俺は何て周りに恵まれていることか・・


 お義父さん、母さん、ハリソンさんにメグ。メイさんもいるし兄上にお義姉さん。


 守る者が多ければ多いほど、俺に力が湧いてくる。


「カイ?どうしたの?」

「お父さま!赤ちゃんのお名前は?」


 二人の声に我に返る。

 そしてゆっくりと


「赤ちゃんの名前はね・・」




   完

ありがとうございました。

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