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私たち婚約してたんですか?勘違い後に本当の恋が待っていました。  作者: おつかれナス


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十年後 変わらない気持ち サルーン国編

最終章です!

「ギル、お兄様からは何と?」

「あちらの国は全て片付いた。こっちの掃除は俺の一存で処分して良いと・・」


 妻のキャシーが心配そうに声をかけてきた。

 前々からウォーエン商会の息子は気に入らなかった。もともとデル商会の方が先に商売をしていたのに、ワザと目の前に店を構え似た商品を売っていたが、粗悪品ばかり売るのでこちらにも影響が出ていたところ急に市民よりも貴族を相手し始めた。


「ギルさん、向かいの店の変な噂を耳にしたんですが・・」


 そう言ってきたのは新しく雇い始めた子だった。名前をモダと言った。


「変な噂とは?」


 モダはは周りをキョロキョロ見ると小声で話してきた。


「僕の知人が向かいの若とたまたま同じ酒屋で一緒になったんですが、その時にガラの悪い連中と話していた会話が・・」


 どうやら別の国から人を連れて来ては競売にかけている。 と言う内容だった。

 まさか!と思ったが、最近の商売が市民では無く貴族になっている事を思い出した。


「少し探る必要があるな・・」

「僕もお手伝いさせてください!こう見えて少しは武芸を習っているんです!」


 こうしてデル商会の者とモダとで調べ始めると、ウォーエンの息子は黒だった。

 その事をオブランス国のカイ兄に報告し、帰ってきた返事が冒頭だったのだ。


「どうするの?」

「送られてくる予定の商品は、カイ兄が全て回収したらしい。こちらには何も送られて来ない所で潰そうかと思う」


 不安そうな顔で見てくる妻を優しく抱きしめる。


「キャシーには王に伝えて欲しい。出来たら許可を貰えると助かるからな」

「もちろんよ。明日にでも王宮へ行って話してくるわ」


 荷物が届かずきっと狼狽えるだろう。

 手紙にはデビットの事も書かれていた。滅多に会えないが、可愛い甥っ子に変わりはない。


「叩き潰してやる、絶対に・・」



 モダの話によればウォーエン商会の船の到着は明日の明朝らしい。その日に合わせてこちらも人の配置に注意する。


「ギル、王から勅命をいただいて来たわ。これで安心して捕まえられるわね!」


 キャシーが貰ってきた紙には王からの言葉とサインが入っていた。


「ギル・・無理はしないでね」

「ああ、すぐに終わらせて帰ってくるよ」


 騎士服に着替えた俺は剣を腰に付けた。

 

「行ってくる」

「ええ、子供たちと待っているわ」


 キャシーはそう言い終わると、優しく口付けをした。


 キャシーと結婚後、俺はオブランス国からサルーン国へ移住した。キャシーがサルーン国で公爵の位に付いたためだ。

 オブランス国では母の爵位を継ぎ、サルーン国では女公爵を支える夫となったがそんな俺に目を付けたのがデル商会の会長だった。


「じゃあサルーン国の商売はギルくんに任せよう」


 鶴の一声だった。

 まぁカイ兄もハイル子爵の夫で、デル商会の副会長。俺と似たようなものだ・・


 とにかく俺はキャシーの国を、商会を守るために動く。


「こんばんは、ウォーエン商会の若さま。こんな夜更けにこんな所で何を?」


 船を待つがなかなか来ない事にイライラして、お付きに当たり散らしてい所ワザと声を掛けた。

 若は驚いた顔をしながらも冷静なフリをしながら


「これはこれはデル商会の・・貴方こそこんな所に・・その服装は?」


 若は俺の服装が普段と違う事に気付いた様だった。

そう、今日の俺の姿は


「これが本来の俺の姿です。ロッド公爵の夫で近衛騎士隊副隊長。ギルバイス・ロッド」

「・・・」

「この国で生活していれば前王弟の忘形見の話は聞いているだろう?」


 さすがに自分と同じ、それより下だと思っていた男がこの国で一番の公爵家の夫と思わなかっただろう。お付きを、盾にするように後ろへと下がる。

 きっと逃げ場を探しているのだろう。が、そうは行かない。

 俺は右腕を上げれば騎士隊員がどこからとも無く現れる。


「おっ!俺を・・どうする気だ?」

「・・お前が大人しく捕まれば良し。そうでなければ・・」


 そう言いながら剣を抜き若の胸元へと向ける。


「ここに剣を突き立てるだけだ」


 周りを見れば騎士達が若とお付き数人を捉えていた。


「お前たちが待っている船は来ないよ。永遠にな」

「おっ、お前がなぜそんな事を!」

「お前は俺がどこで働いているのか、全く知らないんだな。俺の主人の名はジャック・デルだ。名前くらい聞いているだろう?」

「そっ、それがどうした!俺の親父と同じだろう!」


 若は本当に知らないようで強い口調で言い返すが、後ろの付き人達はガタガタと震え出した。

 そう、それが正しい反応だ。


「わ・・わか、それ以外・・言わない方が・・」

「うるさい!何を怯えているんだ!俺の親父のほうが・・ひぃぃぃ」


 俺の剣が胸から喉仏へと移動する。


「残念だがお前の親父は助けに来ない。いや、来れないが正しいか・・」

「な、なんで・・」

「お前の親父も捕まったからだよ・・今頃は商会も解体され、拷問を受けてる最中だろう」

「・・・」

「さぁ選べ。今ここで捕まるか、俺に斬られるか!」

「うるせぇぇぇ!!!ギャァァァァ」


 奴が叫ぶと同時に太ももに剣を突き立てる。


「牢に運んでおけ、モダ後を頼めるか?」


 後ろで剣をいつ抜こうか身構えているモダに声を掛けた。

 モダは驚いた顔をしながら俺の側までやって来る。


「いつ、お気付きに・・」

「兄から連絡が来る前に、ウォーエン商会の船の事を言ってきた。コイツらは決して商会の船を使わない。だから商会の船が港に来ることは誰も知らないんだ」

「!!さすがですね・・。俺は孤児院育ちの騎士です。同じ孤児院で育った仲間がコイツらに捕まり・・」


 貴族に売られ、良いように使われて命を・・


 モダは泣きながら頭を下げた。

 俺は最期に一言だけ


「私情を挟むなよ」


 と伝えた。

 本当ならこの場で命を絶ちたかった。が、それはモダに任せよう・・

 俺は剣に付いた血を拭き取ると鞘に戻し、その場を後にした。



 後日王から祝辞をいただいた。

 一歩間違えばオブランス国との間に亀裂が入る事だったと、言われた。


 俺は近衛隊の仕事が無い時は今でもデル商会の事務所にいる。


「ギルさん、この件ですが少し問題が・・」

「なぜ君がまだここにいるんだ?」


 部屋に入って来たのはモダだった。

 モダは書類を手に持ちながら へへっと笑っている。


「この仕事も楽しいですが一番の目的はギルさんの側に居たいからです!!」

「・・そうか。では、しっかり働いてもらおうか」



 兄さん、こちらも上手く片付いたぞ!そしてなぜか俺に弟子も出来たから、いつか会ってくれ。


 なかなか会えない兄達に手紙を出す。

 いつか家族を連れて、故郷へと帰ろう・・



 そう思いながら今日も俺は愛するキャシーを支え、いつかこの地に骨を埋めようと思った。



 

この話を思いついた時、新しいキャラを考えたのですが・・何故かこの子達が頭に浮かびこうしてまた書く事となりました。

本来は前後編で考えていたのですが、やはり今回も勝手に動きまくりました。

読んでくださりありがとうございます。

明日は本当のラストを投稿します!

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