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私たち婚約してたんですか?勘違い後に本当の恋が待っていました。  作者: おつかれナス


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十年後  変わらない気持ち 1

久しぶりの投稿です!

楽しんで頂けたら幸いです!

 シェリーと結婚して早いもので十年経った。

 デル商会の方も隣国サルーン国に拠点を置いたおかげで販路も拡大し、元ハイル子爵家の領地も王家から買い戻すことが出来た。


 俺カイディアン(カイ)も義父の元で後継者としての修行を積んで十年。

 義父もそろそろ引退を考え始めている様子で・・


「カイも副商会長として従業員達からの信頼も得てきたし、サルーン国での商売も成功してるし・・そろそろ私も引退して、孫達とのんびり過ごそうと思う」


 夕食を食べている最中に突然言い出した。

 それには流石にシェリーも驚いたようで


「お父様、どこか悪いんですか?」


 と聞いた。


「いや、いたって健康。ただね、少し疲れてしまったからカイとハリソンに任せようかと思ってね」

「急・・ですね」

「そうでも無いよ。カイとハリソンを見てて、二人に任せても大丈夫と思えたんだ。サルーン国にはギルくんも居るし」


 そう言ってワインを飲み干し席を立つ義父。


「シェリーももう少しで三人目が産まれる事だし、孫に囲まれた生活も悪く無いかな?と思えただけだよ。そんなに心配しないでほしい」


 そう言い残し長男のデビット(三歳)を抱き上げると食堂から下がって行った。


「カイ、何かあったの?」


 シェリーが心配そうに聞いてきたが、俺も突然の事で驚いていた。


「明日の朝ハリソンさんに聞いてみるよ」

「そうね・・お願い」


 不安そうにお腹を摩るシェリー。俺はシェリーの元へ行くと後ろから優しく抱きかかえ、一緒にお腹を摩る。


 この十年で家族も増え、長女キャロル(六歳) 長男デビット(三歳) そして今、シェリーのお腹には三人目が宿りもう少しで産まれる。


「義父さんもシェリーの負担を減らそうと思っただけだよ。元々家族愛の強い人だから」

「そうね、仕事しながらも子供たちの面倒見てくれてるものね」


 少し不安気なシェリーに軽くキスをし、後ろから抱きしめた。


「お父様とお母様の仲が良いのは嬉しいけど、続きはお部屋に戻ってからにしてくださいね」


 娘のキャロルに言われ俺とシェリーは笑いながらキャロルにもキスを落とした。



「昨夜突然会長が言ったんですが、ハリソンさん何か聞いてますか?」


 秘書のハリソンさんなら何か知ってると思い、朝一番で聞いてみた。

 ハリソンさんも聞いてなかったようで驚いた様子ではあったけれど、先代も五十五歳で引退したからでは?と、教えてくれた。

 正確にはその歳で命を狙われた・・らしい。

 シェリーも 私が小さい頃に亡くなった。 としか覚えていない。


「裏での顔も広い方なので・・お疲れにはなったのでしょう。奥様もそろそろ三人目が産まれますし、少しお休み頂いても良いかと」

「そう・・ですね。会長が側にいればシェリーも安心しますね」


 帰ったらそう提案しよう。

 そう思ったとき、屋敷から連絡が入った。


 長男のデビットが誘拐された!と・・




「シェリー!!」

「カイ!ごめんなさい、出産前に孤児院へ慰問に行ったの。いつもの事だと思いキャロルとデビットを・・まさか・・」

「とにかく落ち着いて、詳しい事はハリソンさんがメグから聞いてるから」

「メグを連れて行けば良かった・・メグの用事が済んでから行けば良かった・・。私、いつもの事だからとメグの言う事を聞かずに・・」

「分かったから、落ち着くんだ。デビットにも護衛は付いていたんだ、その内連絡が入るはずだから」


 妊娠中もありかなり動揺しているシェリーを宥めながらハリソンさんを待つ。

 シェリーとキャロルはメグに託したキャロルにはシシル(メグとハリソンさんの娘)が一緒に寝てくれた。


「旦那様申し訳ありませんでした。私が止めていればこのような事には・・」


 シェリーを寝かせた後にメグは俺の執務室へ来た。もちろんハリソンさんも一緒だ。


「いや、メグの用事はシェリーが頼んだ事なのだろ?メグのせいでは無い。それで・・?」


 二人が顔を見合わせると顔付きが変わる。


「先ほど部下から連絡があり、裏に繋がるウォーエン商会がルッツ伯爵家に出入りしていると」

「ウォーエン商会か・・あそこは以前、うちと揉めたよな?」


 二人は頷く。


「あの時はキャロル様が狙われましたが、シシルの機転で免れました」


 半年前、娘のキャロルが何者かに連れ去られそうになった事がある。その時はメグの娘のシシルが近くの大人に助けを呼んで事なきを得た。

 だが今回は孤児院。


「もしかしたら内通者がいたのかも知れないな。メグ、探せるか?」

「はい、すでにセシルに伝えて探っています。あの日奥様に着いて行ったメイドは覚えておりますので」

「なら直ぐに解決するな」


 そんな時、扉をノックする音がした。メグが出ると顔色の悪いシェリー付きの侍女のセシルが立っていて何やら話している。

 メグはセシルを下がらせると俺の元へ走ってくる。


「カイ大変よ!あの日、シェリーに付かせたメイドが・・死体で見つかったわ」

「・・何!?」


 メグは屋敷の中では必ず主従関係を崩さない。そのメグが俺を名前で呼ぶと言う事は・・


 メグはセシルから聞いた話を話し始めた。

 あの日シェリーに着いて行ったメイドは三名で、一人はセシル。もう一人はデビット付きのメイド。最後は死体で見つかったメイドだ。

 デビット付きのメイドはデビットと共に姿を消しており、今も行方知れずだ。

 もしかしたらデビットと共に誘拐されたのか、共犯なのか・・今となってはわからない。


「ハリソンさん、一度集まりましょう」

「会長には?」

「俺から伝えます」


 ハリソンさんとメグは 承知致しました と言って部屋から出て行った。

 俺はその足でお義父さんの部屋へ向かった。

 お義父さんはまるで俺を待っていたかのよう椅子に腰掛け、俺の意見を聞かせて欲しい。と言ってきた。


 まずはデル商会の裏集会を開き、ウォーエン商会とルッツ伯爵家を見張り動きを見る。

 と同時に孤児院にも見張りを付けると伝えた。


「どうして孤児院を?あそこは昔からハイル子爵家が支援している場所だよ?」

「前シスターは確かに信用に足る人でした。が、現シスターの評判は良くありません。もしかしたらルッツ家の手の者かも知れないと・・」


 お義父さんは少し考えた後


「ではわたしが孤児院へ行って来よう。カイはウォーエン商会とルッツ伯爵家を頼むよ。特にウォーエン商会は家の真似ばかりして困っていたんだ。サルーン国でも家を真似て困っているとギルくんから連絡があったね?」

「はい、サルーン国の方はギルに任せていますので問題ないと思います」


 悪い子には痛い思いをしてもらわないとね。


 久しぶりに見た裏の顔をしたお義父さんに、俺はまだ引退してもらっては困る!と本気で思った。



 次の日、お義父さんは何も言わずに孤児院へと向かって行った。

 俺は裏商会を招集し、昨日お義父さんに話た事を皆に伝えた。

 将来の後継者であるデビットを誘拐した者への制裁を!


「無傷でデビットを救出してくれ!その際相手がどうなろうと構わない。よろしく頼む」


 この地位に着いて二年。

 まだまだお義父さんには敵わない。でも、シェリーの手を取ったその日から俺のシェリーへの想いは変わらない。


「俺の家族に手を出した事、絶対に後悔させてやる」

 

 

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