星に願いを
七夕なので四人が結婚する前の話をかきました!
「ねぇ、シェリー、カイ!この紙に願い事を書いてこの木に飾ると叶うんだって!」
そう言ってメグがハリソンさんにお願いした一本の木を見せてくれた。
「何か・・すぐに折れてしまいそうな木ね」
直感的に思った言葉だ。
「こんな木に願い事を吊るして叶うのか?信じられん!」
「もう二人とも夢を見なさい!今隣国で流行ってるらしいのよ!楽しいでしょ?これを商会前の広場でやる事で」
「お客を集めて商売するのね!」
メグは御名答〜!と言わんばかりの笑顔で頷く。
お父様に話すと
「メグ、良く思いついたね!これは若い子の方が喜びそうだから四人で考えてみなさい」
それから私たちは街のお店に話を持って行き、一日限りの野外商店を開く事になった。
お店の商品を買うと願い事を書く紙が一枚貰える仕組みにして、お店にも損害が出ないようにした。
お父様の言うとおりで若い子が大勢来てくれた。
小さな子供連れの家族も来てくれた。
始めは一本の木が、気付けば五本目になっている。
「すごい盛況だな!始めはこんなので客が来るのか心配だったけど」
カイが本心を伝えてきた。
「私が考える事に間違いはないのよ!」
とメグが声高らかに叫んでる。
日も落ち周りも暗くなりかけた頃、メグが三枚の紙を持ってきた。
「ちょうど三枚残ったんだって。せっかくだから何か書かない?」
メグに一枚づつ渡され何を書こうか悩んでしまった。横目で見ると二人も悩んでる様子。
私は心の中で思っている事を素直に書いた。
(願い事が叶うと嬉しいな)
メグは最初から書く事がが決まっていた。
むしろこれが書きたくてこの企画をしたようなものだ!
(ハリソンさんが出張先でこの話を聞いてこなかったら思いもつかなかったから、後でお礼を言わなくちゃ!そして出来たら・・)
(何を書けばいいんだ?願い事?そんなの紙に書いて人に見られたらどうするんだ?)
正直オレは神なんてものを信用してないし、自分の力が全てだと思ってきた。
シェリーやメグには言ってないが危険な仕事にも行き、自分の腕を磨いてもきた。
それも全てシェリーを守りたいがため・・
(もし、本当に願いが叶うならオレの願いはただ一つ)
「三人とも可愛いことを書いてるねー。出来ればこの願い叶えてあげたいけど・・ハリソンどう思う?」
「・・・私も同じ気持ちですが・・ですが良いのでしょうか?私がこの願い事を叶えても・・」
ハリソンが一枚の紙を手にしながらも戸惑っている様子は、なかなかに嬉しいものがある。
ハリソンを引き取ってから私の右腕になる事だけを考えてきた男が、おそらく初めての恋をした。
私としては叶えてあげたい。
「私も同じ気持ちだったよ?でもハリソン。守る者が出来ると自分でも信じられない力が出るものだよ。」
私は最後の一歩が出ない彼にとっておきの言葉を言う。
「君が彼女を幸せに出来ないのなら、彼女を幸せにしたい人を紹介するしか無いね」
「君の願いは叶ったのかな?カロリーヌ?」
「ええ、ありがとうジャック!貴方にもこうして会えて話もできた。本当に奇跡は起きるのね?」
彼女は嬉しそうに微笑んでいる。
私の最愛の人。
生涯に唯一の人。
「でも抱きしめる事は叶わない・・」
「ごめんなさい、ジャック・・私のワガママでまた貴方を傷付けてしまったのね」
カロリーヌは泣きそうな顔で私を覗き込む。
私は微笑みながら頭を横に振り、もう最後かも知れない想いを伝える。
「カロリーヌ愛しているよ。出来たらまた生まれ変わっても君と一緒に居たい。だから待っててくれる?」
徐々に薄くなる彼女に自分の気持ち、想いを伝えた。
「凄いわジャック!私も同じ気持ちよ!待ってるからね、そして貴方を見守り続けているから」
消える直前、彼女の方から口づけをしてきた。
唇が触れる感触もないキス・・
それでも私にとっては最高の贈り物だった。
そんな相手に出会えた奇跡。
私の愛し子四人にもそんな奇跡が起きますように・・
四人にとっての父ジャックの願いも叶えたくて書きました!




