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私たち婚約してたんですか?勘違い後に本当の恋が待っていました。  作者: おつかれナス


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サルーン国  30

「ちょとおおお、カイあんた何やっちゃってんの!!!」


 メグが部屋へと入って来た時、わたしとカイは抱き合っていた。何ならキスもしていた。

 メグは怒りカイを外へ追い出すと、乱れた髪とメイクを直し始めた。


(完璧に仕上げたのに!本当カイはいつかシメる!)


 って言葉は聞こえない。でも、


「何笑ってるの?しっかり前見て!急がないと侯爵夫妻を待たせちゃうから!」


 メグはフランに指示を出しながら纏めて結上げていく。真剣な顔で髪を纏めるメグを見つめる。


「ねぇ、メグ?わたし達の側にずっといてね?何処にも行かないでね。」


 メグは驚き一瞬手を休めるが、


「何心配してるの?私は貴方達のお姉ちゃんなのよ!二人を置いて何処にいくのよ!」

「うん!」


 二人姉妹の穏やかな時間が過ぎていく。




 メグではなく、お父様とハリソンに注意を受けたカイは顔を青くさせていたが、わたしの姿を見るとパッと明るい顔に戻った。

 さっきはシメる!と言っていたメグも、そんなカイを見て笑っている。

 カイにエスコートされ馬車に乗り込み、王宮へと向かう。侯爵夫妻は一足先に出発したようだ。

 王宮に到着するとお父様とは別の部屋へと案内された。


(お父様もお部屋を借りたのかしら?)

「お義父さんは何処へ行っても部屋を用意されているんだよ。・・大商人だから・・かな?」


 カイはそう言いながら目を泳がせている。

 案内された部屋に入るとそこには、アンソニー殿下とマリエンヌ妃殿下。ジェネヴェクト王太子殿下とフランソワ妃殿下がソファーに腰掛けており、一人用ソファーに見慣れない令嬢が・・


「キャシー?」


 ギルが声を掛けると、令嬢が立ち上がりこちらへと振り返る。そこにはドレス姿のキャシーさんがいた。

 ギルが恐る恐る近づくと、マリエンヌ妃殿下が、


「少しお二人でお話して来ては?」


 と、隣の部屋へと歩いて行った。

 扉の前にはケンウッド卿とエル嬢が立った。

 結婚前の男女を二人きりには出来ないための配慮だ。


「お心遣い感謝致します。」


カイと二人で礼を取る。

 暫く六人で話をしていると、隣の部屋から話終えた二人が出て来た。

 

「さて、皆が揃ったところで今夜授与する爵位を伝えるよ!」



 カイとわたしは一足先に会場へ戻された。

 ギルはキャシーさんのエスコートを依頼された為、王族と共に入場する。


(カイ兄俺、とんでもない人と結婚するんだな・・)


 泣き言を言っていた。カイはボソッとギルの耳元で何かを囁くが、わたしの耳にはところどころしか届かない。


[おまえ・・みろ!ジャ・・デルが・・・良・だろ!]


 ギルは思いっきり頭を縦に振っていた。



 王族が入場する際のファンファーレが鳴り、まずジェネヴェクト殿下フランソワ妃殿下が入場し、続いてアンソニー殿下マリエンヌ妃殿下。

 最後に陛下と王妃陛下が入場した。いつもはここで王の挨拶が始まるが今回はその後からギルにエスコートされたキャシーが入場した。

 キャシーが王の隣に立つと、


「今日は王太子たちの一周年のパーティーに良く来てくれた。皆楽しんでくれ。そしてこちらは亡き王弟、ケンヒィルの忘れ形見キャシー・ドードル。訳あってドードル子爵の元で育てられた。」


 挨拶を受けたキャシーは、一歩前に出た。

 王族は臣下に名乗らないし頭も下げない。その為背筋を伸ばし立っていた。

 会場はザワザワと騒めいていたが、陛下の声で静かになる。


「今回フォルスター公爵が急死し、その臣下たちの暴動を止めた者を讃え、爵位を授与する。」


 名を呼ばれたカイとギルが陛下の前へと進むと、臣下の礼を取る。

 わたしは後ろからドキドキしながらその様子を眺めていると、隣にお父様とハリソン、メグが近寄ってきた。


「カイディアン・クーカス卿。ギルバイト・クーカス卿。今回の話は王太子より聞いておる。そしてキャシーの件も。よって二人にこちらの爵位を与える。

カイディアン卿は伯爵位を。

ギルバイト卿は子爵位を。」


 会場はまたざわめく。他国の人間に爵位を与える事は、その国に移住が前提だ。でもこの二人は自国へと戻る。何故?と・・


「そして亡き弟、ケンヒィル・ロッド・サルーンの娘キャシーには、フォルスター公爵位を与える。尚キャシーに与える爵位は世襲せず、一代限りとする。」


 


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