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剣闘会は八つの街にそれぞれある騎士団の代表が、トーナメントで闘う。
出たいと言って出られる場所では無く、騎士団の代表として出る為まず各チームリーダーからの推薦。
その後、副団長による模擬戦があり最終的に団長が決める。
剣闘会は毎年ではなく二年置きにある為、騎士達はこの大会を目指して切磋琢磨していると言っても過言では無く、今までカイが参加しなかった事に疑問を感じた。
「カイは何故今まで参加しなかったんですか?あっ、もしかしてそこまでの腕が無かったとか・・」
「今の発言をカイが聞いたら泣くか怒るかな。あいつの腕は確かだよ。何度も推薦したからね!でも、カイ本人が参加する気にならなかった。理由は・・・本人にしか分からない。」
席に案内され、座ると同時にそんな疑問を聞いた。
カイは今開会式の為会場に立っている。わたしはカイが訓練している所も、実際に戦っている姿を見た事も無い。
わたしの目の前にいるカイはいつもおどけて、お酒を飲み共に笑い合う。そんな仲間だ。
「何か心境の変化があったんでしょうか?わたしには何も言ってくれなくて・・」
声を掛ければ直ぐに駆け付けてくれて、いつも悩みを聞いてくれて、わたしの話しをいつも嫌がらずに聞いてくれる・・
「わたしはカイの話しを聞いたこと無かったな・・」
「えっ?何か言ったかい?」
開会式が終わり、今から順に闘いが始まる。
観客の大歓声にわたしの声はかき消される。
団長は心配そうにわたしの顔を覗き込むが、顔を横に振りわたしの頭に手を乗せた。
「カイの腕は私たちの折り紙付きだ。心配は要らないよ。副団長を一瞬で倒したくらいだからね!」
今まで手加減してた事に俺は腹を立てているんだ!
そうボヤく騎士団長に思わず笑ってしまった。
今はとにかくカイを応援しよう!
そして大会が終わったら、メグとハリソンさんと四人で祝杯をあげよう!だからカイ、怪我などしないでね!と祈るように見つめた。
団長が言ったようにカイは順調に勝ち続けた。
一回戦は一瞬にして勝敗が付き、二回戦目は少し手間取ったものの相手の剣を打ち払い勝利した。
次が決勝戦だ。
毎回優勝している騎士団で、今回は特に腕のある人だとトイレのために席を立った時、通路で話しているのを聞いた。
そして今回優勝した騎士は王宮での配属が決まっているらしい、とも話していた。
(もしかしたらカイは王宮で働きたかったのかしら?もしそうなっても今まで通り会えるのかしら?)
そんな事を考えながら席へと戻ると、そこには団長とアンリさんが座っていた。
「アンリさんも来たんですね!」
「我が騎士団代表のカイくんが出るんだもの!わたしが応援しないで誰が応援するのよー。」
笑いながら両手に拳を作っている。
「あっ団長さん。さっき通路で話しを聞いたんだけど、今回の優勝者は王宮で働く事になるんですか?」
「ああ・・王宮の第四騎士隊に空きが出来たみたいで、その募集も兼ねてるのは確かだな。あくまで本人の希望が通ると聞いているけど・・」
(やっぱりカイは王宮で働きたかったのかな?きっと賃金も高くなるし。)
そんな時、大歓声と共にカイが決勝戦へと入場して来た。




