サルーン国 11
朝食を食べてすぐ準備に取り掛かった。
「オブランス国でもこんなにドレス着る事なんて無いのにね!一生分のドレスを着ている気がするわ。」
「これが普通の貴族ですからね?普通、貴族の奥様は常に着飾って やれお茶会だ!やれパーティーだ!と出向かわれているそうですよ。」
「クスクス、それも侍女仲間からの情報?」
笑ってメグの話を聞いていたら、お化粧中ですから!と、怒られてしまった。
時間になると王宮より迎えの馬車が到着した。妃殿下からの心遣いが嬉しい。何故なら王宮の馬車なんて乗りたくても乗れる代物では無い。王族、もしくはそれに準ずる立場の方。もちろん今回の馬車が王家の方たちが乗る物では無いにしても・・
「恐ろしくも素晴らしい馬車ね。」
と、ついつい口にしてしまう。
「わたし達がご一緒しても良かったのかしら?」
メグも恐縮して言う。
今回はハリソンも同乗している。カイの家令として同席してもらう事にしたのだ。
情報は共有した方が良い!と朝、二人で話した結果だそうだが、
「素晴らしい馬車ですね。シートも素晴らしいが乗り心地の良さはバネ?衝撃を上手く吸収しているから、揺れていても違和感がない。」
と、商人の顔になっている。オブランス国の王家でもここまでの馬車は無いだろう。自社製で作れたら・・とブツブツ言っている。
きっと時間があったら徹底的にこの馬車を調べるんだろうな〜と、誰も口に出しては無いが心の中で思っていた。
そうこうしている間に馬車は王宮へと到着した。
先に連絡が行っていた様で入り口にはキャシーさんとケンウッド様が待っていた。
ハリソンはメグを、カイはわたしを馬車から降ろすと二人の元まで行く。
「お待ちしておりました、ハイル子爵夫妻。妃殿下はすでにお待ちになられております。」
「カイディアン卿は申し訳ありませんが私に着いて来て頂きます。殿下よりお話がありまので。」
カイとは離れる事になり少し不安になったが、
「お話が済みましたらお連れいたします。」
と、ケンウッド様に言われホッとした。
キャシーさんに案内された場所は前回と同じ庭園の東屋。わたしが席に着くと直に妃殿下がお越しになられた。
「殿下とカイが来るまでの間、わたくしとお茶でも致しましょう。二人が来たら食事の準備をさせますね。」
妃殿下が言葉を発するとキャシーさんたち侍女がお茶の準備を始める。
テーブルの上にお茶と軽めのお菓子が置かれると、キャシーさん以外の侍女を下がらせる。
妃殿下にはキャシーさん。
わたしの後ろにはメグが立つ。
この場には四人。信頼出来る者しかいない。
「わたくしに何か、聞きたい事がおあり?」
妃殿下よりお言葉を掛けて頂く。わたしはお茶を一口飲むとカップを静かにソーサーに置く。
「王弟殿下の事ですが、夫も色々と調べております。後ほど妃殿下のお耳にも入ると思いますが・・」
まずは王弟殿下の話を聞く事にした。どんな方だったのか、亡くなる前の交友関係などを知りたかったが、妃殿下も嫁いでまだ一年の為そこまで知らなかった。その代わり答えたのは側に控えていたキャシーさんだった。
「私も両親より聞いた話ではありますが、」
と、話始めた。




