サルーン国 2
王女殿下からの手紙を持って次の日、わたしとカイは父の元へ向かった。これの意味することを何か知っているのでは?と考えたからだ。
手紙を読み、少し考えた後
「これの事を知っているのは?」
「王太子殿下と自分だけです。」
「そうか・・なら王女殿下の字で間違い無いな。まずはカイ、この手紙を王太子殿下に届けるんだ。」
「はい、その場に兄も同席して貰うよう先触れを出しておきました。ウォルフで王城まで行こうと思っています。」
「そうだな。一刻を争う事だけど、気を付けて行くんだよ。ウォルフなら心配無いと思うが・・」
父へ報告したら直ぐにでも出発出来るよう、予め準備をしていたおかげでカイは愛馬ウォルフと共に王城へと駆けて行った。
今サルーン国で何が起きているのか?それとなく父に聞いてみたが、あちらでの商売仲間からは特に聞いていないと言う。
ただ、王太子殿下と王女殿下との結婚に良く思っていない者がいる事は確かなようで、その者が王女殿下に何かしているのか?
そこは憶測でしか言えないと・・
「シェリー大丈夫かい?君たちはあちらの王家から直に招待される。もしかしたら国賓扱いになるかも知れない。それが、どうゆう事か分かるね。」
「・・ええ、王太子殿下次第では国の代表として行く事になるかも知れないですね。」
わたしと父は顔を見合わせると、
「急いで荷造りしなきゃ!わたしの持ってるドレスで大丈夫かしら!?」
「メグとも相談しながら進めて、必要な物があれば遠慮なく揃えなさい!そしてカイが戻ったらまた四人でここへ来なさい。私からも伝える事があるから。」
父の執務室を出ると、メグのいる事務室へ足を向けた。
メグはすでに仕事を切り上げていて、わたしを待っていたかのように仕立て部門へ連れて行かれた。
「何着かはパーティードレスがあるけれど、妃殿下からの招待となればそれ以上のドレスでないと!」
「でも、今から作るのでは間に合わないわ!今あるドレスに手を加えたらどうかしら?」
「それも考えたんだけどね・・。実は一着カイとお揃いの物を仕立てておいたの。間に合ったかどうか見に行きましょう!」
「えっ?いつの間に?」
「こう見えてもお嬢様の専属侍女よ?いつ何があるかわからないから、備えておいたのよ。まさかサルーン国で着ることになるとは思って無かったけど。」
仕立て部屋へ入るとわたしとカイの衣装がトルソーに掛けられていた。
わたしのドレスは深緑のベルベット生地に金の刺繍が全体に入れられており、胸元にも大きな宝石があり豪華なんてもんじゃない出来栄えに驚く。
カイの衣装は濃紺のベルベット生地に、襟、袖口に同じ金の刺繍が入っていて、胸元にはわたしと同じ宝石がつけられていて、思わず着ている姿を想像してしまう。
カイは元騎士だけあって背は高い。しかも今でも毎日剣の稽古をしており、身体は締まっている。
「すごく素敵ね。きっとカイなら上手に着こなすと思うわ。隣に立つのが恥ずかしくなったわ。」
「あら、わたしは二人とも上手く着こなせると思ってデザインしたんだけど?シェリーの侍女はこの私よ!自信を持って着てちょうだい!」
いつの間にか針子たちもいて、メグの言葉に頷いている。みんなの手が込められているこのドレスを、上手く着こなせるよう頑張る!
夜カイが王城から戻り、話し合いの結果を聞くために父の執務室へ四人で訪れた。




