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「おっ、お父様は御存じだったのですか!?」
慌てて父を見る。父は知ってたようで笑っている。
「私は商人だよ!貴族や平民の事で知らない事はまず無い!まして君の想い人の家の事は調べたよ」
なんてこと!!
わたしの知らない事がまだあったなんて!
顔をカイに戻す。
伯爵は怒りが抑えられないのか、身体全体が怒りで震えている。
カイは二人より一歩下がっている。
「伯爵の今のやり方では騎士達の不満が爆発します。今の時代血筋は関係ありません。カイ義兄さんがどれほど大変な目に遭っているかご存知ですか?」
ギルバイスが問うも伯爵は
「そいつの考えが甘いから、他の騎士に足元を掬われるんだ!全ては自分の甘さだ!」
言い切る伯爵に腹が立つ!
「その殆どが貴方への不満でもですか?」
「父上、貴方はご自身がされた事を部下にもしていると思っていました。そして今の地位をご自身の力で取り戻したと、私はおもっていました。ですが違うんですね。貴方はただ自分のプライドのために力のある騎士を第三、第四隊へ移動させた!それは許される事ではありません。それに・・・貴方がした事はこの国を裏切る行為です!」
静かに、そして力強く言い切るカイ。
「貴方が行ってきた事への罪は、私が除隊する事で片付きました。これからの騎士隊はギルバイスに任せます。そして、クーカス伯爵家もベルージャ義兄さんが引き継いでくれます」
カイの発言で周りが静かになる。未だ怒りで震えるクーカス伯爵に王太子殿下が声を掛ける。
「クーカス伯爵、君は我が妹の輿入れ先にカイディアンを伴わせようとしていたね。まるで二人が特別な仲であるかの様に言っていた。と私の耳にも入っているよ」
「そっ、そんな恐れ多いこと!それは、そんな噂が立つ様な振る舞いをしていたアイツの行いで!」
「本当に?」
声音は優しいが、言い方は権力者の物言いだ。
伯爵は口をパクパクさせている。
「確かに妹はそこのカイディアンを慕っていた。それは兄を慕う感情と同じで、決して異性への感情では無い!なぜなら、妹と隣国の王子は幼馴染だからな。子供の頃からお互いに慕いあっていたんだよ」
「・・・」
「今回の伯爵の言動に妹はとても傷ついてね、一足早く隣国へと向かわせたよ」
そんなバカな・・と小声で言っているが、周りには聞こえてこない。
わたしも少し離れた位置で五人を見守る。
お義姉さまもわたしと同じ気持ちで、お義兄さまを見守っている。
最後に殿下が何かを言った瞬間、伯爵はその場に座り込んだ。その後第一騎士隊長の指示により外へと連れ出された。
殿下は皆に聞こえるよう大きな声で
「皆すまなかった!今からの時間は楽しんで欲しい!」
殿下の話しが終わると同時に曲が演奏され、ダンスが始まった。
その隙にわたし達は殿下の側近に声を掛けられ、その場から離れた。




