1
幼馴染の話しが書きたくて、挑戦してみました。
【あらすじ、目に止まり→目に留まり】【前書き、話し→話】 「シェリー、すまない。君には何の非も無いんだ。
ただ、君よりも結婚したい人が出来てしまったんだ。」
そう言って頭を下げているのは、父の部下であるハリソン。
そしてハリソンの隣で同じように頭を下げているのは幼馴染のメグで、父の会社で受付をしている。
「シェリーごめんなさい。ハリソンはあなたの婚約者だと聞いていたのに、一緒に仕事してる内に好きになってしまったの。」
「メグ・・」
ポロポロと涙を流すメグを、愛おしそうに抱きしめているハリソン。
(わたし、何を見せられてるの!?)
わたしの父はこの国で貿易をしている、ちょっと大きな商会を経営している。
ハリソンは父の秘書を。
メグは受付をしていて、わたしシェリーはその商会の一人娘の跡取りだ。
今は父の跡を継ぐべく、父とハリソンに仕事を教えてもらっている最中なのだが・・
わたしは少し考えてから、
「ハリソンごめんなさい。ひとつ聞いても良いかしら?」
「はい、何でも聞きます!思っていること何でも言って下さい。何を言われても僕たち受け止めます!」
そう言いながら二人で肩を震わせている。
(完全に暴言を吐かれると思ってるわね・・)
わたしは溜め息を吐きながら
「ハリソン、メグ、婚約?結婚?おめでとう。
ところで私たち婚約していたの?」
はじめて聞きましたー!の感じで聞いたら、二人とも目をまん丸にして見てきた。
もちろん肩の震えは止まっている。
「あはは、何だそれ!当事者ムシで話が進んでたのか!?」
「もうっ、笑い事じゃ無いからね!危うくわたしとメグの仲が最悪の形になる所だったんだから!」
わたしは両頬をプクッと膨らませた。
二人との話し合いが終わった後、わたしはその後急いで父の元へ行き事情を話した。
父は言って無かったかい?なんて呑気に書類に判を捺している。
「お父さま、わたしも年頃だからそんな話も出てくるだろうな!とは思っていました!でもこんな大事なことをそんな呑気に言われても!」
「いや、ハリソンには言ったんだよ。この商会の跡を継ぐ気があるのなら、私の力を借りずにシェリーの心を掴みなさい!とね。」
父は軽くウィンクしながら言ってきた。
て事はなんだ?
ハリソンはわたしを口説く前にメグを口説いたと言う事なのか?
そんな話をもう一人の幼馴染であり、騎士団に入っているカイに相談していた。
カイは腹を抱えて大笑いしていて、ちょっと苛立つ。
「まぁ、メグにとっては良かったな!ずっとハリソンさんの事を想ってたから。」
「えっ!そうだったの!?教えてよー!」
(むしろ一緒にいて気付かないお前、大丈夫か?)
みたいな顔でわたしを見てきた。
どちらにしても、尊敬しているハリソンと幼馴染のメグが一緒になる事は喜ばしい!
「結婚前に三人で飲もうよ!」
と言えば、
「おっ、いいな!休みが決まったら知らせるよ!」
「うん♪ メグにも話しておくね!」
「じゃあ仕事に戻るわ。」
「うん、気を付けてね〜。」
カイは仕事へと戻っていき、わたしも父の執務室へと足を向けた。
わたしとメグは物心が付いた頃からの仲だ。
もともとメグの父親が商会で働いていて、時々母親に着いてきていた所で知り合った。
年はメグのが三つ上だけど、平民にとっての三つ差はあまり関係ない。
カイは小さい頃から荷運びをしていた。
父親はおらず、母親が商会の荷物検査で働いていたが体調を崩してからはカイが代わりに働いていた。
メグより一つ下のカイが大人に交じって働いていた事に驚き、父に話を聞き更に驚いた!
わたしの母もカイの母親と同じ病で亡くなっていた。父は母親しか居ないカイと、わたしを重ねたのだろう。
給料とは別に支援をし、
「大人になったら返してくれれば良い。出世払いだ!」
と惜しみなく治療費をだした。
時間は掛かったがカイの母親は軽い後遺症だけで治った。母親が仕事に戻ると、カイは町の騎士団に入隊した。
荷運びをしていたおかげで力が付いたカイは、一次試験も二時試験も難なく合格。
「カイはどうして騎士団に入隊したの?」
初めての給料が出たとき、わたしとメグを食事に誘ってくれた時に聞いてみたら
「お袋が倒れたとき、たまたま側にいた騎士団の人が病院へ運んでくれたんだ。その時の姿がすげ〜カッコ良くて俺も人助けしたくなったんだよ。
それに・・」
チラッとわたしを見たが
「まぁ何だ!何かあった時俺が騎士団にいれば助かるだろ?」
「何か話をはぐらかされた気がしたわ。」
隣でメグが笑っている。なんか気になったが美味しそうな料理がどんどん運ばれてきて話はそこで終わった。




