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都立夢異世界部活学校(とりつゆめいせかいぶかつがっこう)/第4章  作者: 羽絶 与鎮果(うだち よしずか)
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第四章77 【12月20日/初等部4年生活動中】17/運命の赤い糸?13

 【芳一】は、【0】と【1】の手紙を読み、最後に【2】の手紙を開いた。

【ミスター唯野。

 これは、私なりに貴方の【フィクション・レジェンド】を見て感動した事への【アンサー・ストーリー】の内容になる。

 タイトルはそのまま、【アンサー・ストーリー】だ。

 7部構成の予定だが、4部までしか考えられていない。

 残り3部は貴方の話を聞いてから考えようと思って考えていない。

 まず、基本となる【第1部】だが、【深秘果(しんぴか)】と【真稀化(しんきか)】という言葉を定着させようと思っている。

 共に貴方の小説でよく使われる言葉を使って作った言葉だ。

 【フィクション・レジェンド】はベビーを最強にして、それを巡る物語にしたと私は思った。

 そこで、【アンサー・ストーリー】ではベビー以外の可愛らしいものを最強にしてそれを巡る物語として、構成する事にした。

 また、【銀髪の少女】は【ドール】や【ぬい(ぬいぐるみ)】を題材にしているのでそれとも被らない様にと思って、【愛玩動物】を題材にする事にした。

 RPGなどでも滅多に出逢わない【レアモンスター】の様に滅多に姿を現さないけど、確実に多くの存在がゲットしようと血眼になって探していると言う設定にしている。

 それが【深秘果(しんぴか)】と【真稀化(しんきか)】と呼ばれる種族となっている。

 主人公の女の子、【吟獅子(ぎんじし) 我螺(あがら)】は様々な【深秘果(しんぴか)】と【真稀化(しんきか)】と友達になろうと思って行動すると言う設定だ。

 お気づきだろうか?

 【我螺】の名前は、貴方の【芦柄 銀侍】の日本語によるアナグラムで出来ている事を。

 これは【アンサー・ストーリー】。

 だから、所々、貴方へのリスペクトをこの作品に入れている。

 【フィクション・レジェンド】は同じテーマで作品は作らないという絶対ルールがある。

 だから、私も貴方の【フィクション・レジェンド】の内容は真似しない。

 作風を真似したらそれはもう、【フィクション・レジェンド】をリスペクトしていないということだからだ。


 【第2部】は、【様々な力】を無数の【カプセル】に閉じこめた【フォース・カプセル】という【トレジャー】として設定し、それを探し求める物語として考えている。

 異能を探す冒険という感じのストーリーになる。


 【第3部】は、【謎解き】をテーマにしている。

 その世界にちりばめられた無数の謎を解いていくと1つの大きな【グレイト・ビッグ・ミステリー】につながると言う設定で物語を構成している。


 【第4部】は、【第1部】から【第3部】までの設定が全部混じった世界で前半の集大成作品として考えている。

 【第5部】から【第7部】は、全く別の話にする予定なので、【第4部】で一度まとめておこうと思ったからだ。

 また、【第4部】ならではの特性として、あらゆる情報を詰め込まれている【特別な図書館】と言うものもある。


 以上が、私の【アンサー・ストーリー】の内容になる。

 非常に拙い文章だが、どう思われるだろうか?】

 と言う内容になっている。

 それを読んだ、【芳一】は、

「・・・うん。面白いと思うよ、これっ。

 ちゃんと壮大な物語になってそうだ」

 と言った。

 すると、

「・・・あ・・・あの・・・あの・・・」

 と恥ずかしがる様な声が奥から聞こえた。

 こういう時、【芳一】の行動力は凄い。

「失礼するよ・・・」

 と言うと、奥までつかつか歩いて行って、

「やぁ、君が【シェリアさん】かい?

 逢いたかった。・・・どんな人かと思ったけど・・・とてもチャーミングな女性だったね」

 と歯の浮くような台詞を言った。

 【芳一】は思った事はすぐに口にするタイプである。

 そういう意味では嘘が下手であり、まっすぐに生きている人間とも言える。

 それを聞いた【シェリア】は、

「あ、あわ・・・あわわわわ・・・・」

 とつぶやき、へなへなと座り込んだ。

 どうやら腰が抜けた様だ。

 ずっと憧れていた人が目の前に現れて話しかけてくれた事に思考が追いついて居ない様だ。

 初恋とも言える感情を自身の中で整理出来て居ない様だ。

 【運命の赤い糸】・・・前世より深い絆で結ばれた2人はようやく出逢えたのだった。

 横で見ていた【神娘/雪玲】はこれに割ってはいるのは無粋だと直感で感じ取っていた。

 【芳一】と【シェリア】は見つめ合う。

 【シェリア】は、

「あ・・・あの・・・」

 と言いにくそうにしている。

 【芳一】は、

「ん?どうかした?」

 と聞く。すっとぼけた感じが【シェリア】にとっては自分だけ焦っていて狡いと思った。

 【シェリア】は、

「あの・・・ハグ・・・して・・・良いかな?・・・日本ではそういう文化、あまり無いと聞いたけど・・・」

 と恥ずかしそうに聞いた。

 【芳一】は、

「あ、あぁ、ハグね。そっちの文化じゃ普通だもんね。

 良いよ。君さえ良ければだけどね。こんなおっさんでも良ければ」

 と言ってハグに応じた。

 優しさを感じ合って、【シェリア】はそれまでの辛い思いや、【芳一】の優しさに触れて感情が高まり、涙がこぼれ始める。

 【芳一】は、

「あ、ご、ごめん、やっぱり嫌だった?」

 と謝罪する。

 【シェリア】は、

「・・・ううん・・・違う・・・【僕】は・・・だいしゅき・・だいしゅきだから・・・ぁ・・・うえぇぇぇぇっ・・・」

 と感極まったのかついに泣き出した。

 【私】では無く、【僕】。

 【クィア】である彼女の一人称は【僕】だった。

 そう。ようやく本音で話せる相手が現れたと彼女は感動していたのだった。

 【芳一】は、

「よしよし・・・辛かったんだね・・・頑張ったね・・・大丈夫だよ・・・落ち着いて・・・僕は逃げない・・・ここに居るよ・・・ホントに頑張ったんだね・・・」

 と丁寧な言葉で慰めた。

 抱擁はしばらく続いたのだった。

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