第四章50 【12月17日/初等部4年生活動中】2/【12月第3週水曜日】の配信2
【芳一】と【チェユン】の相談は続いている。
水曜日の配信の新テーマとして、【キャラ弁】を彼女が作る事になった。
まず、配信前の練習として、単純な【絵】に合わせて食材を作ってやってみると言う事になった。
そこで、【芳一】はなるべく単純な【イラスト】を描いて見せた。
お下げ髪の女の子がただ立っているだけのイラストである。
何のポージングもしていない。
背景はお日様と雲と青空。
下は草原。
女の子の髪色は黒。
服装は地味なコーディネートとなっている。
ペットの犬が横にいる。
これらは【芳一】が描くイラストとしてはかなり地味であり、本来こういうイラストは彼は描かない。
だが、練習のため、絵を単純にしてやると言うことになっている。
目標としては第2回でも出来るだけ単純なイラストのキャラ弁から始めて行って、回を追う事にだんだん複雑なキャラ弁を作っていくと言う成長過程も表現したいとの事だった。
だから、最初はなるべく単純な方が良いと判断したのだ。
イラストが出来た所で、今度は各パーツをどう作るか?を相談する事になる。
例えば、草原は緑の食材。
青空は青の食材。
髪の毛は黒の食材。
例えば焼き海苔などを使うなどの相談をするのだ。
無い色は食紅で何とかならないか?とか各パーツに合った食材を選ぶと言うのは結構大変な作業だった。
そう、思ったよりもキャラ弁制作というのは難しいのだ。
結局、食材の選定から料理にかかるまで何回か相談日を作らなければ出来なかったのだった。
だが、苦労しただけあって、実際にキャラ弁が出来た時は、思わず、【チェユン】と抱き合って喜んだのだった。
【芳一】は、
「あ、ごめん。思わず抱きついてしまった」
と言うと、【チェユン】は、
「嬉しかったんだから仕方ないね。普段やったらパンチだったけどね」
と許してくれた。
こうして、作ったキャラ弁を【芳一】が実食する事になり、食べてみると結構、というかかなり美味しかった。
なぜなら、しっかりと味も計算に入れて作っていたからだ。
料理は得意なのだろう。
味付けもしっかりしていてはっきりと美味しいと言うのが解った。
そして、
「うん、旨い、旨いよ、これっ。特にこれっ、味が染みてて無茶苦茶旨い」
と不器用なりに表現して見たが、料理関係のボキャブラリーがほとんど皆無だったので食リポとしては最低レベルだった。
【チェユン】は、
「それじゃ困るよ。もっと上手くコメントしてもらわなきゃ。
第2回はこれと同じキャラ弁を作るんだから。
配信後にまた食べてもらうから良いコメント、考えておいてね」
と言った。
【芳一】は、
「わ、解った。ごめん」
と言った。
何だかドキドキした。胃袋を捕まれると言うのはこういう事なのか?と彼は思った。
初めて、家族以外の異性が作った料理でドキドキしたのだった。
彼女が【世界的スター】でなければ、交際を申し込んでいたかも知れない。
【芳一】はそう言う事は積極的だった。
だが、彼女も年は20代である。
【芳一】と恋愛するにはちょっと年齢が離れているかも知れないと彼は思っていた。
そんな事があったのだった。




