会話
三題噺もどき―にひゃくさんじゅうに。
※会話文のみ。読みにくさ倍増!!※
「お前んちさむすぎねぇ?」
「まー古いボロアパートだからなー」
「にしても寒すぎだろ」
「暖房とか使う余裕ねーんだって」
「まーそれもそうだよなー」
「な、光熱費とかマジで馬鹿になんねーの」
「それに食費もってなるとな」
「お互い苦労すんなー」
「ま、それも今年で終わるといいけどな」
「あーお前もう就職決まってんのか。羨ましいこった」
「は?お前も決まってなかったか?」
「いやー決まっちゃいるんだが……なんか、色々とあんだよ。」
「ふーん……」
「なんだよ……」
「べつにぃ」
「なんだよ、なんかあるなら言えよ」
「いやほんと、なんもねーよ」
「……その顔は、何でもないやつがするものじゃないってのは分かる」
「しつこいなぁ、いんだって。
「それより、マジで寒すぎこの家」
「だーから、厚着して来いって言ったろ」
「家の中なのに、誰がしてくるかよ」
「忠告聞かなかったお前がわりぃ」
「くっそ、せめて上着かなんか貸せ」
「はぁ?お前いつもだせぇだせぇ言うくせに、都合いい時だけ着んのかよ」
「苦渋の決断だよバカ。―今度炬燵でも見に行くかぁ?」
「お、良いなそれ。どうせ就職してもここに住むし。さすがに今年はきつかったからなぁ」
「いやマジ、この寒さであの寒波越したお前やべー」
「だろー?」
「褒めちゃいないが?こんなん、いざ彼女できたりしたらどーすんだよ」
「そんときゃそんときだよ」
「はーん。俺だったらこんなとこに彼女連れてきたかねぇし、女だったら帰るわ」
「じゃさっさと帰れよ」
「うそうそ、今日お前んちって言っただろうが」
「お前んちの方がよかったのに、押しかけてきたからな、お前が!」
「キレんなキレんな。うまい鍋でも作ってやるから」
「お前……さっきから何でもごまかそうとすんなよ」
「何鍋がいい?」
「キムチ」
「オーケーオーケー。材料はある程度買ってきたが……鍋の素あるか?」
「シンク下の棚に入ってる」
「おー……ってお前、どんだけ鍋するつもりなんだよ」
「仕方ねーだろ。1人だとそっちのが楽なんだよ。具材適当に突っ込むだけだし」
「まー今の時期はそうだよな」
「あと鍋じゃなくても使えるし」
「お、今度それ俺んちで作れよ」
「んでだよ。お前のが上手いんだから自分で作れよ」
「そりゃおほめ頂きありがたいがな、作んのもめんどーなんだぜ」
「しってらぁー」
「それにしても、相変わらずのコーラの量」
「今更だろ。ってか、お前も一緒だろ。冷蔵庫ん中麦茶だらけじゃねーか。あんなに作り置きしとくもんでもなくね?」
「 大量に飲むからあっちのが楽なんだよ。いいだろ麦茶。お前のコーラよりよっぽど」
「別に大量に買い置きしておくくらい普通じゃね」
「いや異常だぞこの量は。ほぼコーラでうまってるじゃねーか」
「他の奴なんかエナドリで埋まっていんだからいいだろ、俺のはまだ」
「そうか……そうか?」
「そうそう」
「んなわけあるか。おばさんが心配すんだから、少しは気にしろ。大量に飲むなら水にしろ、それか麦茶」
「オカンの話はいんだよ……
「それよか、なんで今日急に俺んちになったんだ?」
「いやー……」
「なんだよ、言いにくいのか?」
「……言っても引くなよ?笑うなよ?」
「なんだよ、ひかねーし笑わねーよ」
「…………お前、百物語ってしってるか?」
「ん?あぁ、知ってるぞ?今の時期にするもんでもないってことはな」
「んでまぁ、昨日サークル仲間と、なんでかそんな流れになって。やったんだよ、俺んちで」
「そんで?」
「まぁ、迷信だと思ってたし、昨夜も特に何もなかったから、適当に解散したんだよ」
「んー」
「したら、今朝参加したメンバーのうち何人かが、事故って。1人2人ならまだしも、4、5人は、さすがにやべーじゃん」
「まー、そうだなぁ」
「で、俺はそういうの、鈍感だし分かんねーんだけど……他のメンツもなんか視線を感じるとか、ものが落ちてきたとか、そんなん言ってて」
「……」
「やったのが、俺んちだったし、ちょっと」
「怖くて?うちに来た?」
「……引くなよ」
「引いてねーよ。
「……ま、今回はそれが正解だったみたいだぜ」
「は?どういう意味」
お題:麦茶・百物語・コーラ