36 狩り
うへ、うへへ、うへ·····
あひゃひゃひゃ
おっといけねぇ、涎が·····
目の前の餌につい我を忘れるところだったぜ·····。
「グルァァャァァァッッ!!」
飛びかかってきた、モモンガのような悪魔に肉薄する───、
『斬撃!』
「チュギプルプリィィィ!!」
ハサミから放たれた青白い斬撃に体を裂かれたモモンガが、赤く光る眼球を裏返して絶命する。
今トゲピーいなかった····?
···まぁいいか。
「グラァァ!!」
おっとやべぇ·····体が遅れた、
振り返ると、野犬のような悪魔の開けた大口が───糸で埋められた。
『おぅ、よろしくやってるか?ブラザー!』
『ぼちぼちってとこだな』
光の速さで、野犬の悪魔をぐるぐる巻きにした蜘蛛に軽く身振りして、あたりを見渡す。
戦局は·····今のところは押しているみたいだな。
ここは、大森林の南方·····今俺達は南から北に向かう感じだ。まだ虎悪魔が住処にしている洞窟から距離があるからか、出てくる敵は弱い。───経験値稼ぎが楽でいい。
「斬撃!斬撃!」
飛び出した無数の斬撃に体を裂かれた悪魔達が、断末魔の叫びを上げて事切れていく····。
あぁ、なんて残酷なんだ。
いくら経験値のためとはいえ、こうも虐殺していると流石に心が痛む·····。
「おっと、斬撃!」
「ギェピィィィーーーー!!」
[レベルが上がりました]
Lv21→Lv22
HP820→845
MP890→910
攻撃力680→700
「よっしゃぁぁぁ!ナイスギェピー!」
訂正しよう。心が躍る。
諸君。私はレベリングが好きだ····。
諸君、私はレベリングが好きだ。
諸君。私はレベリングが大好きだ。
「斬撃!斬撃!」
鋏から飛び出した死神の鎌が、命を刈り取る。
殺して、殺して、その果てに、強くなる。
レベリングは孤独だ、レベリングは時間だ、レベリングは人生だ。
コツコツと、一獲千金に、時に大きく、時に小さく。
そして今、命を懸けて·····。
レベリングは、楽しい!
『相棒·····アンタ、最高にイカレてんな!』
失礼な。俺は命のありがたみを実感している最中なんだ。
前方から、何やら土煙が上がる。
近づいてくるのは、大量の敵の増援で·····。
《ここはまずい、一旦引いた方がいい····。·····ん?》
混戦を抜けて、サソリとクモに知らせに来たネズミの悪魔が、華麗にスルーされる。
《お前ら聞いてる?·····ちょっ!?どこいく!!、あっ!ちょッ!!》
フッフッフ·····経験値が自ら飛び込んでくるとは·····負ける気がしねぇ·····。ノってきたぜぇぇぇ!!




