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34 ~女王は静かに空を見る~

 


この世界には、大きく分けて二種類の悪魔がいる────。


区分けは簡単も簡単、上級悪魔と下級悪魔である。その見分け方はいくつかあるが、最も分かりやすいのはやはり見た目である。


上級悪魔は、人の形をしている──。または、人型を取ることができる。···当然、人型といっても個体差がある。


ほぼ完璧に人間に擬態するものもいれば、シルエットだけは人型の、どうみても異形の怪物のものもいる。


他にも違いがある。生息地だ────。


悪魔達の住まう世界·····地獄は、北に行けば行くほど寒くなる。多くの悪魔は、灼熱の南の地で卵から孵り、進化を繰り返しながらゆっくりと北上して行く。


 つまり、北に行けば行くほど、生息する悪魔は強くなる。上級悪魔と下級悪魔の住む地域には明確な境界線が引かれている。目には見えないが、絶対的な空気の違いだ。


 ただでさえ異常な変化ぶりを見せる地獄は、そこを境に更に混沌を増していく。高濃度な魔力の影響で、景色は目まぐるしく変わり、悪魔の強力な幻と幻が入り混じる····。




 そんな地の中、荒れた砂漠地帯を、一匹の悪魔が進んでいた─────



●●●



 

 荒れた大地、乾ききった風·····


茶色い草のようなものがあちこちに散見するが、どうみても枯れている。そんな大地にダメ押しをするかのように、真っ黒な太陽が照りつける。


生命のいぶきもクソもない。



 その荒れ果てた砂漠を、一匹の悪魔が進んでいた。


·····虫だ。


 とてつもなく巨大な虫。

王蟲オームという表現が最も近いだろう。


····だがそれよりも遥かに大きく、悍ましかった。


 山なりに緩やかなカーブを描く丸い体、大きさも相まって、本物の山のように見える。


まず目を引くのは、その体色だ·····。


虫特有の、鎧のように堅牢な外骨格も。恐らく地上に生きることを選択した、この個体の進化の名残である小さな羽根の残骸も。


一切余すことなくその全てが、漆黒という言葉すら生温い黒に染まっていた。芋虫のようなフォルムをしてはいるが、纏うそのオーラは、誰が見ても圧倒的だ。


 もっとも、この場にいるのは真っ黒な太陽と、地に体の半分を埋めた大きな悪魔の白骨死体だけだが·····。



 山のような、否····。山以上の質量が、ゆっくりと落ち着いた動作で、無数の足で砂漠の砂を掻き分ける。遠目で見れば、真っ黒な山が移動しているように見えることだろう。


地面に埋まった龍のような白骨を見やることもなく、ただ雄大に山は進む。


 ピタリと───、山の動きが止まる。

砂漠の空気が、微かに揺らいだ。


突如、山の背から、左右に九本の管が伸びた。

光のような速度で、背から生やした管の、注射針のように鋭い先を地面に突き刺す。


 一瞬の間の後、地面から引き抜いた管を自らの背に戻した山は、再び無数の小さな足を動かして移動を始めた。



 それなりの時間が経った─────


山は砂漠を通過したのか、姿は見えない。ただ砂の上に、大きな山の足跡が薄らとのたくっていた····。


 そんな、今後永遠に変わることの無いような景色が、動きを見せる。


砂漠の砂の地面が、微かに持ち上がる。····二、三度、中から押し上げられたような動きの後、突然何かが空中に飛び上がった────、


茶色い体色の魚のような悪魔だ。


スリムながらも、巨大な体躯に、その凶悪そうな顔にギラギラと並ぶ無数の牙が、真っ黒な太陽を映し出す。見ようによっては秋刀魚さんまに見えなく無い悪魔だが、ただの魚と違い、その胴体にはトカゲのような足が生えていた。


足には、砂漠を泳ぐための大きな水かきが生えている。


砂漠の中から飛び上がった魚は、空中で、茶色い体色を黒に塗り替えた。


·····というよりも、黒が本当の体色のようだ。


茶色い色は、砂に擬態するために皮膚の色を変化させていたのだろう。


悪魔が、地に打ち付けられて甲高いうめき声をあげる。

四本の足をメチャクチャに振り回し、砂の上をのたうち回る。


 「ガァァァァァァァァァ」


 体に比較すると小さな眼を空に向けて、やがて動かなくなった。


「§*/'>…●)仝↑…/=$)$&:'/¥’」


 何事か呟かれた言葉は、相変わらず動いたようには見えない太陽に向かって、煙のように登り、荒れた空に溶けた·····。


最後に一度、砂の上にのたうって、魚は息絶えた。


 その体に空いた九つの穴からドッと真っ黒な液体が噴き出す。



 敗者は、龍のような悪魔の白骨に並ぶようにその体を並べ、その魂を手放した────、赤い空は、ただ変わらず真っ黒な太陽を讃えていた。







=========

ステータス


アレーナピスキス♀



名前【なし】


Lv237(進化可能Lv600)(MAXLv890)



HP32000

MP69000

素早さ16800

攻撃力65000

防御力32000

魔攻撃69200

魔防御82900



スキル

・瞬間加速Lv7

•水錬成Lv12

•鋼牙Lv23

•食い千切るLv34

•接触斬撃Lv32

•酸素生成EXTRA

•変化EXTRA


パッシブスキル

・砂漠王の配下EXTRA

・泳法Lv60(MAX)

将軍悪魔(ジェネラル)Lv64


============




アレーナピスキス・・・砂漠地帯に生息する魚型の悪魔。容貌から、魚の悪魔と思われがちだが、トカゲの悪魔である。いつもは砂中を泳ぎ、地面の上を通る悪魔を感知すると、その跳躍力と鋭い牙をいかして下から噛み付く。


瞬間加速・・・身体の動作を、瞬間的に加速する。加速にかかる力とスピードはスキルレベルに依存する。


水錬成・・・空気中の水分を集め、凝縮して水を作り出す。


鋼牙・・・強化系スキルである、【鋭化】から派生した上位スキル。牙を鋼鉄化させる。


食い千切る・・・攻撃スキルである、【噛み付く】から進化したスキル。発動中に対象と接触すると、無数の斬撃を放ちながら獲物を噛みちぎる。


接触斬撃・・・牙、または爪による斬撃を、対象にゼロ距離で叩き込む。威力はスキルレベルに依存する。


酸素生成・・・発生させた高熱を利用して、体内外で酸素を生成する。砂魚系の固有スキル。


変化・・・肉体を好きな形に変化させる。


砂漠王の配下・・・砂漠の王の正式な配下。砂漠地帯での全ステータス1.5倍。


泳法・・・泳ぎが上手くなる。


将軍悪魔(ジェネラル)・・・上位種の中の、将軍(ジェネラル)階級。



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