27 毒と幻
力·····どんな世界でも、絶対的な効力を伴う物····。
腕力に始まり、権力、経済力、コミュ力、果ては重力に至るまで。
力と付くものに生き物は抗う事ができない。
まぁ、要するにだ·····。
『オタマ達ざまぁwwww!』
進化してLv10を越えた辺りからオタマジャクシ達は攻撃してこなくなった。
それどころか、こちらが近づけば逃げる素振りすらある。
堂々と沼地を渡り、小島を目指す。
障害物がいないだけでこんなにも違うのかと驚く程に進みが早く、俺は数分後に小島の端に足を引っ掛ける事ができた。
デけぇ·····。
距離数メートルを隔てた位置からカエルが佇んでいる。
遠くから見るのと近くで見るのは大違いだ。
正直ここまでデカいとは思わなかった。
少なくとも軽トラ位はある。
見た目の質感的に、重さはそれ以上だろう。
まぁ何が言いたいかというと·····。
威圧感がヤバい····。
とにかくヤバい。
コッチをチラリとも見てないのに、だ。
格が違う·····それも二段位。
でも、この沼地から抜けるには殺るしかない。
殺ルと書いて〝やる〟だ。
カエルにジリジリと近づきながら様子を伺う。
相変わらず身動き一つしないが、確実に気付いている。
····おっと!?
カエルの喉が動いた。
呼吸の様だ。
これは警戒だ。
断じてビビった訳では無い。
····断じてだ!
足を伸ばし尻尾の毒針を構える
俺はサソリだ、蟲の王だ···オームだ。
カエル如きに負けてなるものかッ!
いざ尋常に····勝負ッ!!
足を踏み込んで体内の魔力を尻尾に集める
喰らえ、《毒針発射Lv2》!
放たれた魔力の針がカエルの腹目掛けて飛んでいく。
····が、針が当たる直前にカエルが膨らみ、
───シュー、と言う音と共に全身から紫色の霧を噴き出した。
あ····これヤバイ·····。




