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22 ループ


痛ててて····。

まだ体が痛む·····。


小さくうめき声を上げながら木の洞から這い出でる


重く、静かな沼の匂いが鼻を通って頭に触れる


寝る前と全く違いの無い世界に肌寒いものを感じるが、心を落ち着けて思考する


オタマジャクシ達がいる以上、沼を渡って向こう岸にたどり着くのは無理がある。


多少時間がかかっても沼地をぐるっと回って行く方が安全だろう。


方向を決めて歩き出す


ぬかるんだ地面に、足跡が浅く残る

チャポンと、どこかで魚が跳ねる


それにしても広い沼地だ····。


驚いたことに沼は地平線まで続いていて、一切終わりが見えない


ただ何処までも、泥の海が続いている


····だが沼地を通り抜けられないのならば、歩き続けるしかない。


歩く····ただひたすらに歩く·····。

·····。


風は無い。


ポツンと、沼側に草が生えている


これは確か····葦だ。

あれだ、人は考える葦である、の葦だ。


暇だなぁ·····。



◇◇◇



どのくらい歩いただろうか。


なんせ景色が変わらないのでどんだけ歩いたのかが分からないのだ。


その時、手がピクピクと痙攣し出す。


不味い·····しばらくレベリングしてないから禁断症状が·····。

我を失う前に経験稼ぎを·····。


焦る俺の目に、気になるものが写る


足跡·····?


狼や狐に少し似た、小さめの足跡が点々と1列に並んで付いていた。


この沼地に俺とオタマジャクシとデカガエル以外の生き物がいるのか·····。


それにしても·····。

それにしてもだ····"俺の足跡と似てる"。


どこかでポチャンと魚が跳ねる


相変わらず沼地は地平線まで続いている


心臓が鼓動を強める

最悪の結論へと·····。


····マジかよ····。


沼側に、植物が生えている。

何かは、少し近づけば分かった。

·····さっき見た葦だ。


多分····いや、間違いなく俺は·····


この沼地をループしている·····。


沼地の中心、小さな小島の大きな蛙が····今の今まで微動だにしなかった蛙が──────


大きな口を開けて欠伸をした·····。

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