17 シカト出来ない攻撃
木を盾にして鹿の様子を見る
木を挟んで睨み合う·····
この鹿目力凄いな····。
目力だけで窓ガラス割りそう。
目に斬撃を当てたいな。
上手くいけば追い討ちで倒せるし、最悪でも逃走が楽になる。
でも普通に狙っても当たんないよなー·····。
·····そうだ!木を軟化で柔らかくして木ごとぶち抜くのはどうだろう!
····やってみるか。
❨軟化❩❨軟化❩❨軟化❩!
どうだ、これで柔らかくなったろう·····。
お札を燃やすとはけしからん奴だ。
·····。
まぁいい、攻撃開始だ!
☾斬撃☽ぃー!!
ボスンッと音を立てて木のちょうど中心に穴が開く
木の中心を消し飛ばして飛び出た斬撃が鹿に迫る
鹿が頭を下げる。
鹿の角が薄く赤色を帯びた瞬間、斬撃と鹿の角がぶつかる。
····斬撃は完全に弾かれて、鹿は無傷だった。
うわぁお·····。
こりゃ見事に防がれたね。
····ん?
鹿が大きく角を振りかぶる
あれはヘッドバンキング·····?
複雑に枝分かれした角が振り下ろされる
····と同時に、角から赤い小さな斬撃が大量に放たれた。
うわぁぁぁぁぁ!
ミカヅキ状の斬撃が、辺りの木を切り倒す
その内1つが俺の腹に当たる
ぎゃぁぁ···い、痛てぇ····。
腹部の皮膚が避けて血が吹き出す
幸い、内臓までは届いてない様だ。
くっそ····『ステータスオープン!』
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ステータス〔簡易〕
モルバルク Lv23
HP 87/200
MP 205/230
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おぉう·····。
HPめっちゃ減ってる····たった1発でこのダメージって····。
急いで地面に伏せて赤い斬撃をやり過ごす
ちょうど倒木の裏に隠れているので鹿からは見えないはずだ。
斬撃が止んだのを確認して立ち上がると、衝撃的な景色が広がっていた
多くの木が倒れ、地面は割れてヒビが入っている
ちきしょー···どうにか逃げないと····。
まさか鹿がこんなに強かったとは·····。
····ぁ····。
見上げると、鹿がいた。
鹿の赤い目が満身創痍の俺を見つめる。
鹿の角から放たれた斬撃で視界が埋まる·····
目前に迫る赤い斬撃を最後に、俺の意識は途切れた