12 トキハキタレリ
ビタンッと音を立てて魚が地面に落ちる
で、でけぇぇー!
軽トラの二倍はあるぞ!?
鱗は小判サイズだし、牙は30センチ定規位はある。
魚が尻ビレをばたつかせて牛の下半身に近づく
攻撃するなら今しかないか·····。
やってやんよ!
意を決して岩陰から飛び出し、魚の横っ腹目掛けて走る
❨軟化❩ぁぁぁー!!
鱗に軟化魔法をかける
近くで見る鱗は予想以上に大きく、魔法が効くのか不安になる。
·····が、そんな事は言っていられない。
❨軟化❩❨軟化❩❨軟化❩····!
そして☾斬撃☽ッッ!!
不可視の斬撃が魚の体を小さく抉る
よしっ通る!
何度も何度も斬撃を重ね続けていると、魚が大きく身をよじる。
うおっ、気づかれたか!?
押しつぶされないように慌てて距離を取る。
魚に与えた傷は思ってたよりも浅かった。
あれだけ攻撃しても傷付けたのは鱗3枚分だけか。
血は出てるのでダメージは入ってる筈だが···。
目の前でのたうち回る魚を見る。
できる限りの攻撃をしたが、大して効いていない様だ。
今も牛の下半身を食ってるし·····。
痛みは感じているが、どうも戦いの負傷というよりも、紙で指切ったとかそういう類の痛みでのたうち回ってるみたいだ。
さて·····どうしようか。
逃亡は····却下。
ここまで来て逃げられるか!
改めて魚を観察する
·····ん?
アレは·····?
頭からエラにかけてうっすらと見える線。
消えかけて微かに見えるアレは·····。
·····古傷?
ニヤリ、計画通り。
はい、嘘ですすいません。
ご都合主義最高·····と思ったがどうやって頭に乗ろうか。
まぁとりあえずは·····
再び軟化と斬撃で攻撃する。
今度は尻尾の辺りだ。
魚は相変わらず牛の下半身を咀嚼している
チビ犬悪魔なんて敵じゃないってか?
上等だ!
オアシスの家から引っペがしてやる!