4 乱入者登場、抹殺されるトムとナンシー
トム「さて。次の商品を紹介する前にこれまで届いたメッセージをここで紹介しちゃいます!!」
ナンシー「楽しみぃ!! どんなご意見、励ましの声があるのかしら? 早く読んで、トム」
トム「急かすなよぉ、ナンシー。それじゃ、最初は番組が始まってからずっとメッセージをくれたペンネーム「FBI」さんからえ~と」
トムが背後にあるテレビを見る。テレビにはペンネームFBIからのメッセージが映し出される。トム、メッセージを読む。
トム「貴君らの素晴らしい商品のおかげで、巨大犯罪組織の捜査が大幅に進めることができた。ぜひ、我が国へ好待遇で招待したい。だってさ。」
ナンシー「もぅ!! こんないたずらメッセージ送ってきてぇ、どこにクソガキかしら? 顔晒して家燃やしちゃいなよトム」
トム「まぁ、子供のいたずらだから気にしないであげてよナンシー。それより次のメッセージは…」
メッセージを読み上げるトム。メッセージはトムとナンシーの商品を欲している国や犯罪組織からの誘いや脅迫。さらに、この番組の商品のせいで事件、事故が多発したから販売をやめろといった物が多かった。
ナンシー「ひ、ひどいわぁ!! わたしたち、役に立つ商品を紹介してるだけなのに…」
トム「ううぅん、これはひどいなぁ…悪いのは使う人間の方なのにさぁ?」
トムとナンシーハンカチを持ち顔をそむける。だが、目からは涙は流れておらずウソ泣きをしていた。
メッセージを写していたテレビが突如切り替わり、ビルにガスマスクと防弾チョッキを着た一団の姿を映る。
トム「あ~ちゃ~~みつかちゃったか~~」
ナンシー「もうぅ!! また逃げなきゃいけないの!? これで引っ越し何回目だと思ってるの?」
トムとナンシーはカメラや商品を持ちスタジオから逃げた。
ビルの傍においてある車に乗り込み走らせると、背後から黒い車が追ってくる
ナンシー「もうぅ!! しつこわねぇ!! どこのストーカーかしらぁ!!」
トム「さぁねぇ!! ボク達はだいぶこの国のお偉いさんに嫌われているようだねぇ!! 日本もだいぶ国際化が進んで暮らしやすいのは良いけど、最近はサイトをハッキングしてボク達の居場所を見つけようとする輩が増えて退屈しないよぉ!!」
ナンシー「私たちのケツについてきてる奴らの装備見たぁ? 軍の最新の正式装備してたわよぉ? しかもガラスは防弾だし、タイヤもパンク防止の装備してるしぃ!!」
背後から追ってきてる車の窓が開く。窓から身を乗り出しガスマスクの男がライフルを発砲し、トムとナンシーの乗る車がボロボロになる。
ナンシー「うぁ!! トム!! 反撃しないと、私たち、ハチの巣になるわよぉ!?」
トム「大丈夫さぁ!! ナンシー、今日紹介しようとしていた商品の中に銃があったろ? それで反撃するんだぁ!!」
ナンシー「銃って…これ、水鉄砲じゃない!!」
ナンシーが取り出したのは水が大量に入った水鉄砲だった。トムはナンシーに「ボクの発明を信じろ!!」と叫び、ナンシーは「役に立たなかったら、あんたをびしょ濡れにしてやる」と吠えて水鉄砲を背後の車に向け引き金を引く。
バシュ!! バシュ!!
発射された水が防弾性のガラスや車の本体を貫き、車はバランスを失い建物にぶつかって爆発した。
ナンシー「うわぁぉ…」
トム「どうだい? 今日紹介しようとしてた「超超強力激流鉄砲」は? 中の超強力小型モーターの力で水がすごい力で発射されるのさ。これなら家の扉から金庫まで鍵を無くした時に穴をあけて中に入れるだろう?」
ナンシー「いや、穴あけたら修理代かかるし…鍵屋呼べば住むから…」
トム「そいつはそうかぁ!! ひとまず、アジトに逃げるよぉ!! あの橋を渡ればすぐに…なにぃ!?」
トム達の乗る車が橋に入った瞬間、橋が爆破された。
橋のあちこちに爆弾が仕掛けられており、他に走っていた車やトラックを巻き込み深い海に沈んでいった。
橋が古かったのかそれとも爆弾がかなり強力だったのか不明だが、トムとナンシーの乗った車も橋の崩壊に巻き込まれた。
トム「ナンシー!!」
ナンシー「トム!!」
お互いに名前を呼び合った次の瞬間、車が海に落ちて二人は絶命した。