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追っかけるから逃げるんだ

突然だが俺は追われている。

「おいまてぇい」

「待てと言われて待つやつはいねぇよ」

せっかくの休日だというのに何が悲しくて逃げなければならんのだ。

なんで俺が追われているのかという前に、自己紹介をしておこう。

俺の名前は日枝和沙、東南大学に通う大学二年生だ。

趣味はゲームに漫画に釣り。機械に囲まれ機械をむさぼるインダストリーの申し子。

れっきとした現代人だ。

それで追われている理由なんだが、俺にもさっぱりわからねぇ。

朝起きて、顔洗って、テレビつけて、スマホいじって、腹が減ったから近所のスーパー行って、鮭弁とお茶(占めて340円なり)買って、根城に帰ろうと思ったら追われていた。

おっとそこの君、もしかして万引き犯かと思ったかい?

ところがどっこいそうじゃねえんだ。

俺はちゃんとレジでお金を払ったし、他のものもとっちゃいねぇ。

ほんとはとったんだろ?

冗談じゃねぇや。俺はこう見えても正直者で通ってるんだ。

生まれてこの方嘘何てついたことねぇんだよ。

「まてぇい、このヤロー!」

あーやだやだ、人のプライバシーを侵害してくれちゃって。

ヤローとかいうなよ。

もしかしたら女の子かもしれないだろ?

まぁ男なんだけどね。

それにしてもしつこい野郎だ、かれこれ10分は走り回ってるぜ?

「そろそろ諦めたらどう~?おたくも疲れたでしょう~?」

「バカヤロー、お前を捕まえるまで俺は諦めんぞー」

「おたくなんで、俺を追いかけてるのー?」

「そりゃお前を見た瞬間ビビっと来たんだよ!お前が犯人だってな!」

犯人だって?

失礼な野郎だ。

生まれてこの方、犯罪に手を染めたとこなんざありゃしねぇ。

ここら辺じゃ正直者の和沙さんで通ってるんだ。

聞き捨てならねぇぜ。

追われてるから逃亡してみたが、もう我慢ならねぇ。

逆に俺が追っかけてやる。

俺は足に急ブレーキをかけて、奴に向き直った。

そしたら奴さん、俺が急に足を止めて、向き直ったもんだから驚いて目を丸くしてやがる。

いいきみだぜ。

しかし困ったことに、俺が急に止まったもんだから、止まることもできずに俺にそのまま突っ込んできやがった。

ドシーン

「いてててて、おめぇ急に止まるやつがあるかよ!おかげで頭にコブができちまったよ」

「お前さんが待って言うから止まってやったんだろうが、むしろ感謝してほしいぜ」

むしろ、被害は俺の方が大きい。

奴さんの頭がモロ顎に入ったんだから。

舌噛んでたら死んでたわ。

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